2026年10月23日より、アップル初の折りたたみスマホ「iPhoen Duo」が発売されている。すでに手にした人もいるだろうが、興味はあるけど買っていない、触っていないという人も多いはずだ。
ここでは、iPhone Duoのハードウエア面に着目し、手に持った感触やヒンジの完成度など、「手に取り、触った感触」について紹介していく。ディスプレイ性能やソフトウエア面は別の記事にて紹介予定なので、そちらも合わせてチェックしてもらえると幸いだ。
質感は高いが重く分厚い
iPhone Duoを最初に手に取り、まず感じるのは重さと分厚さだ。質量は254gで、同時に発表されたiPhone 18 Pro Maxよりも重い。長時間片手で操作をしていると、手首の負担を大きく感じるのは事実だ。


ただし、iPhone 18 Pro Maxは249gながら、本体のサイズが大きく、握った際に手からはみ出る部分が大きいため、余計に重みを感じることがある。iPhone Duoは、ある程度手の中に収まるサイズになるため、持ち心地は逆転する印象を受ける。
厚さは閉じた状態で11.3mm、開いた状態で5.2mmとなる。アップルは「iPhone史上最薄」と表現しているが、これはあくまで開いた状態を指す。似た形状のGalaxy Z Fold8は質量201g、厚さは閉じると4.5mm、開くと9.7mmまで削られていることを考えると、やはり厚さ、重さは弱点だと感じる。
一方で、側面の金属光沢や、右側の角が取れたデザインなどは、高級感とかわいらしさが両立している印象もある。Galaxy Z Fold8は角ばったデザインで、フォーマルな印象が強いが、iPhone Duoはよりカジュアルな見た目になっているので、好みが分かれるだろう。

角が取れたデザインはかわいい印象もあるが、閉じた状態では左右非対称のデザインであるため、右手で持った時と左手で持った時の感触が変わるのは少々気になる。握り心地に慣れるのには、少し時間がかかりそうだ。
Touch IDとFace IDはどっちが優秀なのか
iPhone Duoは、Face ID(顔認証)機能が搭載されておらず、生体認証は電源ボタンに内蔵されたTouch IDにて行う。iPhoneシリーズとしては、iPhone SE(第3世代)以来の指紋認証を搭載する格好だ。

ロック解除の際には、電源ボタンに触れる機会が多いため、さほど気にならないが、決済のタイミングなどでは、電源ボタンまで指を伸ばす動作がやや面倒に感じる。

これは長年の蓄積で、Face IDに慣れたからこその不満だろう。決済のたびに、「画面に顔を向けるのか」、「電源ボタンに指を伸ばすのか」のどちらがスムーズかは、人によるところが大きい。Touch IDには、いちいち画面を注視しなくてもいいというメリットもあるため、一長一短ともいえる部分だ。
また、Touch IDの認証にはわずかだがラグがあり、ロック解除に一拍を置くような印象もあるが、これはFace IDでも同じことがいえる。同一のApple アカウントでログインしたApple Watchがあれば、生体認証を突破することができるが、これを活用しても、ラグはあまり変わらない。
欲をいえば、多くのAndroidスマホと同様に、顔認証と指紋認証の両方に対応してくれれば、状況に応じて使い分けられて便利だろうが、生体認証の選択肢が増えると、セキュリティ面の不安も増えてしまう。アップルには、高いセキュリティ性を維持しながら、多くのユーザーが快適に使用できる活路を見出すことを期待したい。
音量ボタンの位置には注意が必要
慣れの要素が大きいTouch IDだが、より顕著に”慣れない”と筆者が感じているのが、音量ボタンの位置だ。従来、iPhoneシリーズでは音量ボタンを左側面に搭載してきたが、iPhone Duoでは上部に配置する格好となっている。

閉じた状態の左側面は、折りたたみのギミックにより、開いた際に端ではなる。右側面に搭載することもできるだろうが、iPhone Duoにはカメラコントロールも搭載されているため、スペースにそこまで余裕はない。画面を開くとタブレットに近いデザインということから、iPadシリーズを横向きに持ったのと同様に、右側面に電源ボタン、上部に音量ボタンを配置するに至ったのだろう。
経緯は理解できるものの、本体上部の音量ボタンは、普通に持っている状態からだと、なかなか指が伸ばしにくい。コントロールセンターから音量の調節もできるが、結局複数回の操作が必要となり、面倒なのに変わりはない。慣れれば気にならなく可能性もあるが、現状はまだまだ時間が必要だと感じる。
ヒンジの完成度は一級品
長期利用はできていないため、耐久面には触れられないが、初代モデルとは思えない完成度に仕上がっているのがヒンジだ。本体が分厚く、指が引っかかりやすいのも理由ではあるが、開閉が非常にスムーズで、自然な力でスッと動かせる。

また、iPhone Duoでは、自由な角度で画面を固定できるのも特徴。多くの折りたたみスマホを触ってきたが、個人的には最も活用シーンが多いのがこのスタイルだ。同じ形状のGalaxy Z Fold8はフレックスモードに非対応となってしまったため、明確にiPhone Duoの利点といえる部分でもある。


自由な角度で調節ができると、デスクに置いて動画を見る際などに、スタンドが不要になる。テントモードでの利用も容易だ。様々なスタイルで置けることこそ、一般的なスマホや、タブレットにはない、折りたたみスマホならではの魅力であり、ここをしっかりとフォローしている点には好感が持てる。
完成度は高いが、慣れが必要な「初代」
Duoのハードウエアは「高完成度」と「慣れの必要性」が同居した一台だ。
質感やヒンジの動きには初代モデルとは思えない磨きがかかっており、特に自由な角度で画面を固定できるヒンジは、Galaxy Z Fold8がフレックスモードを搭載しない中で、折りたたみスマホらしさを最も体現している部分。一方で、254g、閉じた状態で11.3mmというスペックは明確に不利で、長時間の片手操作では重さをはっきりと意識する。Touch IDへの回帰と音量ボタンの上部移行も、決済時や音量調節時に「慣れ」を強制されるポイントだ。
つまりiPhone Duoは、折りたたみスマホに求められる開閉の気持ちよさ、スタイルの自由度、質感などに高い完成度を持ちながら、人間工学的な詰めにはまだ改善の余地を残しているように感じる。初代という製品の性質を考えれば、むしろ自然な姿かもしれない。
「アップルらしさ」の完成形は第2世代以降に持ち越された印象を受けるが、折りたたみiPhoneを待っていた人にとって、重さと操作系のクセを受け入れられるなら、いい贅沢品となるはずだ。
取材・文/佐藤文彦




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