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「iPhone Duo」のディスプレイ、使用感はどう?インナーとアウター2つのディスプレイを徹底検証

2026.11.03

アップル初の折りたたみスマホ「iPhone Duo」では、Androidスマホにて多く採用されているFold型、Flip型とも違う、横幅の広いデザインが採用された。日本市場で見ると、近しい画面比率を採用するのはGalaxy Z Fold8のみであり、比較的目新しいデザインといえる。
ここでは、iPhone Duoの内側、外側2つのディスプレイに着目し、現時点での使用感について紹介していく。

アウターディスプレイは光沢のある5.4インチ

閉じた状態は5.4インチで、一般的なスマホと比べると、横幅が広く、縦幅は短い。インチ数はiPhone 13 miniと同じ数字なのだが、持った感触は大きく異なる。

そのため、片手で持った際に、親指をディスプレイの反対端まで伸ばして触るのがやや難しく、文字入力も行いにくい。キーボードを片側に寄せるなど、工夫はできるものの、慣れるのには時間がかかる印象だ。

操作のしにくさには、最小構成で36万円超えの高級端末ということもあり、落としてはいけないという心理的作用もあるだろう。故障のリスクを低減するため、ケースやフィルムで保護することもできるが、もともとiPhone Duoは分厚く、重いため、扱いにくさが助長されてしまう。

アウターディスプレイはSuper Retina XDRディスプレイ。要するに、一般的なiPhoneシリーズとほぼ変わらない仕様だ。詳しくは後述するが、インナーディスプレイとは異なるという点は押さえておきたい。

インナーディスプレイはNano-texture仕上げが特徴

開いた状態だと、横長の7.6インチディスプレイが広がる。小型タブレットを横向きにしたような形状だ。横幅の広さを活かし、動画視聴や電子書籍の閲覧など、特定のコンテンツを楽しむのに適している。

ただし、縦幅が短いことで、XのようなSNSや、本媒体のようなWebサイトは、一度に表示できる情報量が少なくなってしまう。本体を開いてから、90度回転させればある程度解消されるが、端末を逐一持ち替えるのは面倒だ。

インナーディスプレの大きな特徴は、低反射のNano-texture仕上げが採用されている点だ。色鮮やかさが損なわれるという意見も散見されるが、しばらく使っているとあまり気にならない。

むしろ、反射が少なく、屋内外で見やすいメリットが大きい印象だ。サラサラとした質感でスライド操作も気持ちがいい。指紋は付着しにくくなっているのも良さだが、一度付着した指紋がなかなか拭き取りにくいのは気になる。

多くの人が気にしているであろう、メインディスプレイの凹みは、届いた段階ではほとんど見えない。しばらく開閉を繰り返していくと、確かに折り目が確認できるようになるが、画面点灯時には気にせずに利用できている。もちろん、筆者が他社のものも含め、折りたたみスマホに慣れているだけという話はあるが、タッチ感度に影響もないので、多くの人がすぐに慣れるのではないだろうか。

アンダーディスプレイFaceTimeカメラ、Apple Pencil対応は魅力

メインディスプレイ側のインカメラは「アンダーディスプレイFaceTimeカメラ」と表現されている。iPhone 18 Proなどに搭載されるセンターフレームカメラとは違い、ディスプレイ下に埋め込まれたデザインを採用する。

斜めから確認するとカメラの位置がはっきりとわかるが、正面からならあまり気にならないほど、インカメラはしっかりと隠されている。現在はアンダーディスプレイカメラの良さを体感できるコンテンツが少ないのが、インカメラが隠れていることの利点を感じるシーンは、徐々に増えていくはずだ。

ただし、”FaceTimeカメラ”とされていることからもわかるように、画質に注力したカメラではない点は押さえておくべきだろう。ディスプレイに埋め込むインカメラは、どうしても画質が落ちてしまい、これはiPhone Duoでも同様だ。折りたたみのギミックを活かし、アウトカメラでもセルフィーが撮影できるようになっているため、こちらをうまく活用してもらいたい。

左がアウトカメラ、右がアンダーディスプレイFaceTimeカメラ

アップデートでの対応となるため、現時点では試せていないが、Apple Pencilでの手書き入力に対応予定となっているのも強みだろう。アンダーディスプレイカメラと同様に、サムスンのGalaxy Zシリーズでは、薄型軽量化を突き詰めるために削がれてきた部分なのだが、一般的なスマホよりも大きなディスプレイを活かす機能として期待したい。何より、従来のApple Pencilに対応することで、書き心地もある程度担保されているのが嬉しい。

アプリの最適化はこれからだが画面分割は快適

アウターディスプレイ、インナーディスプレイは、どちらも一般的なスマホにはない画面比率になっている。そのため、iPhone Duoの発売から数日しか経っていない現在は、最適化されているアプリの数が少ない。

例えば、アウターディスプレイでは、広い横幅を扱いやすくするため、特定のアプリを起動した際には、右側にサイドバーが表示されるのだが、対応アプリが少なく、ただ右側に虚無のスペースが生まれることが多い。

インナーディスプレイの場合は、上下、もしくは左右に黒い帯が入ってしまうものや、ただiPhone Duoの画面サイズに引き伸ばしただけのものなどが見られる。

iPhone Duoの発表は9月10日、それから1ヶ月と少しでの発売であり、まだまだ開発期間足りていないのは事実だろう。iPhone Duoの発表から続々と最適化するアプリが出てきているのもまた事実であり、今後iPhone Duo”だからこそ”使いやすいアプリも増えていくはず。逆にいえば、急いでiPhone Duoを手にする必要はなく、自分のタイミングで購入をしたり、次世代機を待つのも1つの手になり得るというわけだ。そもそも、すぐに入手できる環境ではないという話もあるのだが。

一方、自社で開発を行えるソフトウエア面では、非常に扱いやすい部分もある。中でも顕著なのが、アプリを左右に表示する2画面分割表示だ。アプリの起動中に、上方向に軽くすワイプし、左右どちらかにアプリを置けば、反対側に別のアプリを配置できる。便利なのが、左右のアプリはそれぞれ終了し、別のアプリを起動することができるという点だ。これにより、大画面を活かした2画面分割が快適に切り替えられる。

ただし、Galaxy Zシリーズのように、それぞれの表示サイズを切り替えることはできない。加えて、本体を縦に持った際には、2つのアプリを表示できないなど、まだまだ粗い部分も見受けられる。この辺りも、アップデートによってより柔軟になっていくことを期待したい。

iPhone Duoのディスプレイは「未来」が見える部分

2つのディスプレイを触ってきた印象を一言でいえば、iPhone Duoのディスプレイは「素材とハードの完成度は高いが、使い込む環境はこれから」という段階だ。

ハード面では、低反射で指紋も付きにくいNano-texture仕上げのインナーディスプレイ、ほとんど視認できないアンダーディスプレイFaceTimeカメラ、そして折り目の凹みが実用上問題にならないレベルに抑えられたパネルと、アップルが持つ素材技術の高さが随所で光る。特にインナーディスプレイの見やすさと、Apple Pencil対応予定を含めた拡張性は、Galaxy Z Fold8との差別化ポイントとして十分に説得力がある。

一方で、横幅の広い独自の画面比率は両刃の剣だ。アウターディスプレイは片手操作が難しく、インナーディスプレイは縦幅の短さからSNSやWebサイトの情報量が物足りない。さらにアプリの最適化は依然進行中で、サイドバーの虚無や黒帯は現時点では日常的に目に入る。発表から1ヶ月と少しの現状を考えれば、これらは時間が解決する問題だとは思うが、「今すぐ買う理由」にはなりにくい。

つまりiPhone Duoは、ディスプレイという一番魅せるべき部分で未来を見せてくれているものの、その未来を快適に使い切るにはソフトウェアの成熟を待つ必要がある。購入を急ぐ必要はなく、店頭で実際に開いて閉じて、その質感と画面の見え方を自分の目で確かめてみるのが、現時点でのベストな付き合い方ではないだろうか。

取材・文/佐藤文彦

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