クレジットカードなどのタッチ決済で鉄道に乗車すると、Vポイントが貯まるサービスをご存じだろうか?
Vポイント利用者が「クレカ乗車」をすると、「決済ポイント」に加えて、運賃200円(税込)につきVポイント1ポイントが「乗車ポイント」として付与される、お得なサービスだ。
そして、「クレカ乗車」でVポイントが貯まるサービスの実証実験が、京王電鉄、つくばエクスプレス、ゆりかもめ、江ノ島電鉄で2026年10月7日から始まった。しかも、同年12月30日までは、通常0.5%の「乗車ポイント」が10倍の5%になる「乗車で貯まるVポイント スタート記念10倍キャンペーン」を実施している。
そこで、京王電鉄を利用して、実際にVポイントが貯まるのかを試してみた。
VポイントアプリでQ-moveと連携
「クレカ乗車」でVポイントを獲得するには、Vポイントアプリから「Q-move(キュー・ムーブ)」の利用手続きを行う。
Q-moveは、QUADRAC株式会社が提供する、クレジットカードやスマートフォンなどによる公共交通機関向けのキャッシュレス運賃決済・認証プラットフォームだ。
登録までの7ステップ
登録手順は以下の7ステップだ。
01:Vポイントアプリを開き「貯める・使う」の中から「乗車で貯める」をタップ。
02:「クレカ乗車でVポイントが貯まる」の説明画面が開くので、内容を確認して「利用手続きをはじめる」をタップ。
03:「V会員登録情報をQ-moveマイページに連携する」という説明を確認し、同意する場合は4か所にチェックを入れて、「上記に同意して、次に進む」をタップ。
04:「Q-move」のマイページが開くので、会員登録が済んでいない場合は「会員登録」をタップする。
05:利用規約と個人情報保護方針を確認し、同意する場合は「上記について同意します」にチェックを入れて、「次へ」をタップ。
06:カード情報や会員情報、パスワードなどを入力する。
※「乗車ポイント」の対象はVisaブランドのタッチ決済対応のカード(クレジット・デビット・プリペイド)
07:登録したメールアドレスに確認番号が送信されるので、番号を入力して「OK」をタップする。
以上で登録手続きは完了。3分程度で完了するはずだ。審査などもないため、すぐに登録できる。
実際に改札で使ってみた
では、「クレカ乗車」を実際に試してみよう。
今回は、iPhone 17 Proの「ウォレット」に登録したPayPayのVisaカードを使用した。
今回利用した区間は以下のとおりだ。
・京王電鉄井の頭線の久我山駅から都営新宿線の神保町駅まで
・都営三田線の神保町駅から日比谷駅まで
・東京メトロ日比谷線の日比谷駅から神谷町駅まで
・東京メトロ日比谷線の神谷町駅から、東急東横線の中目黒駅を経由して渋谷駅まで
・京王電鉄井の頭線の渋谷駅から久我山駅まで
となる。

ここで、Vポイント付与の対象となる区間は、京王電鉄井の頭線の久我山駅から明大前駅間、京王線の明大前駅から新宿駅(笹塚〜新宿は京王新線)間、および井の頭線の渋谷駅から久我山駅間だ。
Q-moveの画面では、渋谷駅から久我山駅までの利用には「Vポイント付与対象」の欄に「○」が表示され、久我山駅から神保町駅までの利用には「注」が表示された。
「注」が表示されたのは、新宿駅から神保町駅までの都営新宿線の利用区間が、Vポイント付与の対象外だからだ。
久我山駅から新宿駅(新線)までは210円、渋谷駅から久我山駅までも同じく210円となる。Vポイントは、対象となる交通事業者(今回は京王電鉄)の月間利用金額に応じて付与され、通常は乗車金額合計200円(税込)につき1ポイントが付与される。
そのため、乗車金額420円に対して5%還元が適用され、20ポイントを獲得できる計算になる。
なお、「クレカ乗車」で獲得したVポイントのうち、通常ポイントの0.5%分は原則として翌月10日前後に付与される。今回の利用分は、11月10日前後に付与される予定だ。
また、「乗車で貯まるVポイント スタート記念10倍キャンペーン」の4.5%分は、2027年1月末に付与される予定となっている。
週2日、月8回つくばエクスプレスを利用した場合の例
今回、試しに京王電鉄の井の頭線に乗車したところ、20ポイントの「乗車ポイント」を獲得できる計算となった。
Vポイント側は、つくばエクスプレスの流山おおたかの森駅〜秋葉原駅間を月8往復した場合の試算として、往復1380円×月8往復(16回)=月間1万1040円利用すると、決済ポイントが880ポイント、乗車ポイントが550ポイント、合計1430ポイントを獲得できるというシミュレーションを提示している。
※Oliveフレキシブルペイのクレジットモード・スマートフォンのタッチ決済を利用した場合の例
Vポイントマーケティング株式会社 常務執行役員 杉浦敬太氏
「クレカ乗車」は、日常の移動でVポイントを貯められる、理想的なポイ活の1つになりそうだ。
今後、利用可能な路線は増えるのか?
とはいえ、2026年10月現在、実証実験が行われているのは、京王電鉄、つくばエクスプレス、ゆりかもめ、江ノ島電鉄の4社のみだ。実験終了後に利用可能な路線は増えるのだろうか?
三井住友カードの石塚雅敏氏は「この実証実験が終了した後は、公共交通事業者さまのニーズがあれば増やしていきたい。また、10月7日からは4社で実証実験を行っていますが、各社さまとのタイミングが合えば、追加で実証実験を開始していきたいと考えている」と語る。
実際、2026年11月16日より、西日本鉄道でも乗車ポイントを開始する予定となっている。
三井住友カード株式会社 Transit本部長 兼 Transit事業企画部長 石塚雅敏氏 ※所属・役職は取材当時
今回の実証実験で利用できる国際ブランドはVisaに限られているが、今後、対応する国際ブランドが増える可能性もある。「まずはVisaから。ポイントを付与することで、どのような移動が生まれるのか、鉄道事業者さまにどのようなメリットが生まれるのかを検討していきたい」と石塚氏は語る。
対象4社の2023年度の年間輸送人員は、合計7億8000万人に上るという。
「乗車ポイント」を獲得するためにVポイントアプリとQ-moveを連携させたが、駅でのタッチ決済には、三井住友カードが提供するタッチ決済乗車サービス「stera transit(ステラトランジット)」が使われている。
「stera transit」を導入している全国の鉄道事業者の年間輸送人員は128億人に上る。つまり、今回の実証実験の約16倍の規模に拡大する可能性がある。
チャージをしなくても鉄道に乗車でき、しかもポイントが貯まる「乗車ポイント」。今後の動向に注目したい。
【参考】乗車で貯まるVポイント | クレカのポイントとWで貯まる
取材・文/中馬幹弘




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