2026年11月2日の防災庁発足で国民に緊急要請される内容とは
2026年11月2日に政府の防災対応の司令塔となり、災害の復旧、復興までの一連の対策を担う「防災庁」が発足する。そこで細野大臣が全国民に「緊急要請」行うという。その趣旨は「1週間分の食べ物・トイレ・水の用意を」という極めて基本的な防災対策だ。しかし、まだその用意がないのであれば、これを機に、いつ起こるか分からない大災害のために1週間分の食べ物・トイレ・水はもちろん、在宅避難が可能な場合の必要なアイテムを備蓄しておきたい。
健康・体調維持のためにもトイレ事情を優先したい
まずは災害時にもっとも困るはずのトイレについて。自宅のトイレが使える前提では、BOSの「非常用臭わない袋トイレセット」といった、便座カバー、汚物袋、凝固剤、そして重要な臭いをシャットアウトする臭わない袋の4アイテムがセットになった非常用トイレの用意が不可欠だ。災害時にはゴミの収集もままならず、トイレで出たゴミを一定期間、保管する必要がある。そこで汚物を臭わせない袋が威力を発揮するのである。その必要数は家族構成によるが、1人1日6回の使用として、4人家族であれば1日24回分×政府が推奨する1週間分だとすれば168回分となる。BOSの「非常用臭わない袋トイレセット」であれば、100回分を2セット備蓄しておくと安心である。トイレ事情によって健康・体調が損なわれることもあるので、災害時のトイレ対策はしっかりとしておきたい。
一方、自宅のトイレが損傷し、便器にかぶせる非常用トイレが使えない状況も考えられる。そのときに役立つのが、組み立て式の便器、便器収納袋、10回分の排泄物用袋、凝固剤がセットになったセイワの「IMP309ポータブルトイレ+簡易トイレ」や凝固剤、汚物袋が10回分セットになったサンコーの「ポータブルコーナートイレ」だ。どちらも普段はコンパクトに畳んで収納できるのだが、サンコーの「ポータブルコーナートイレ」は家具調でコーナーに置く腰掛としても使用できるため、あらかじめ組み立てて、災害時に即、非常用トイレとして使えるメリットがある。内部にセットの固剤、汚物袋だけでなく、トイレットペーパーやウェットティッシュなどを入れて置くこともできるから便利だ。どちらも凝固剤、汚物袋は10回分でしかないので、必要回数分、補充しておく必要がある。もちろん、トイレットペーパーのストックも不可欠だ。
備蓄しておく水は2Lのペットボトルより500mlのペットボトルを優先すべき理由とは
水の用意も欠かせない。飲料水としては1日1人3Lが最低限、必要とされている。つまり、4人家族なら1日12L×1週間分で84Lだ。ここで、2Lの6本入りペットボトル(12L)の箱を7ケース用意しておけばいい・・・ではない。断水で食器洗いができないことを想定すれば、つまりコップを使う事は衛生上、避けたい。そこで、主に水分補給のために飲む水は、個人用として500mlのペットボトルが好ましく、飲料の500mlペットボトルと調理用などで使う2Lペットボトルの両方を用意すべきなのである。例えば4人家族の場合、500mlのペットボトルの水を1ケース24本入り (12L) を5ケース(120本=60L)、2Lのペットボトル1ケース6本入り(12L)を2ケース(24L)用意するなどすれば(合計84L)、飲料と調理用の使い分けもできることになる。なお、ペットと暮らしているのであれば、1日500ml~1Lの追加が必要だ。それ以外に、クルマを持っていれば、車内避難を余儀なくされた時を想定し、車内にも飲料水の備蓄をしておくといい。3人家族+愛犬1頭の筆者の場合は緊急用として(普段のドライブでも)500mlのペットボトルを7本積んでいる。
備蓄しておく食品は災害時に調理しやすくお湯切りの必要がないものがいい
防災庁の「1週間分の食べ物・トイレ・水の用意を」の、順番は逆になるが、最後が1週間分の食べ物である。ここは各家族の家族構成、好みによるので一概にこれを用意すべき・・・とは言えないものの、調理しやすく、栄養があり、なおかつ喉が渇きにくいものがよいとされる。お皿に盛るものであれば、お皿にラップを敷いておけば、お皿洗いの必要がなくなる。また、上下水道が使えない場合、排水もできなくなることから、食後、排水が必要な食べ物(湯切りが必要なカップ焼きそばなど)も避けるべきだろう。カップ麺の残り汁は、100均で手に入る凝固剤で固めてゴミとして保管する方法もある。1週間分のローリングストック前提の食料の備蓄とともに、食器洗いができないことを想定し、使い捨ての割りばし、プラスチックスプーン、ペーパータオル、紙コップなども大量に用意しておきたい。
食べ物と言えば、火を使う調理が必要なものもある。そこでカセットコンロ(とカセットボンベ)の用意も欠かせない。屋内だけでなく、屋外も使える風防つきのカセットコンロが万能だ。
やむなく避難所を利用する場合に役立つ椅子にもなるキャリーワゴン
ところで、自宅が損傷し、避難所に身を寄せなくてはならない状況では、身の回り品などを避難所に持ち込まなくてはならない。クルマが使えれば問題なしだが、クルマが使えない、ない場合は、持って出られる物量が限られる。しかし、アウトドアでも活躍するキャリーワゴンを用意しておくと便利だ。しかも、荷物を取り出したあと、キャリーワゴンがベンチ、ソファになるタイプ(3万円前後)だと、避難所で床に座ることなく、快適に過ごすことも可能になるのである。給水所で水をわけてもらって運ぶときのためのポリタンクとキャリーカートも準備しておくといい。
11月2日の防災庁発足を機に基本的な防災用品を今一度見直してみよう
もちろん、「1週間分の食べ物・トイレ・水の用意」のほかに、停電に備えたスマホ充電用のモバイルバッテリー(常時、フル充電しておくこと。またはポータブル電源)、各部屋用のLEDランタン(電池+USB充電式を推奨。モバイルバッテリー、クルマでの充電も可能ゆえ)、予備電池、携帯ラジオ、そして防災リュック、防災ヘルメットなどもお忘れなく!!
防災庁の発足は心強いが、自身の災害に対する心構え、備蓄が最重要であることは言うまでもない。これからの季節には防寒用品も備えておきたい。
文/青山尚暉(防災研究家)
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