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AIや英会話アプリを使った英語学習でも9割の人が「実際に人と英語で話す場面で役立つ」

2026.11.02

生成AIや英会話アプリの普及により、英語学習は格段に身近なものになった。一方で、こうしたデジタルツールによって身に付けた英語力は、実際に外国人と会話する場面においてどれほど役に立つのだろうか?

イーオンはこのほど、全国の18歳から50歳までの男女1,000名を対象に「AI・デジタル時代の英語学習」に関する実態調査を実施し、その結果を発表した。

1-1. AI・アプリ学習が実際の会話で「役立つ」と感じる人は88.9%

AI・アプリでの学習が、実際に人と英語で話す場面で役立つと感じるか尋ねたところ、「とても感じる(33.5%)」「やや感じる(55.4%)」と回答した人の割合は合計で88.9%に上った。生成AIや英会話アプリを使った学習は、学習者自身に確かな手応えをもたらしていることがうかがえる。

1-2. 「スムーズに話せる」相手は、AI・アプリ62.8%に対し実際の外国人19.2%

英語で「言いたいことをスムーズに話せる」と感じる相手を尋ねたところ、「AI・アプリ」が62.8%で最も高く、次いで「日本人の講師(49.2%)」「外国人の講師(40.2%)」となり、「仕事や旅行など実際の場面で出会う外国人」は19.2%にとどまった。AI・アプリが相手であれば話せると感じていても、相手が「実際の人間」になると、その実感は大きく下がることがうかがえる。

2. 約9割が「AI・アプリでの練習時より、人を相手にするほうが言葉に詰まって黙ってしまう」と回答

AI・アプリでの練習時と比べて、人を相手に英語を話すときのほうが言葉に詰まって黙ってしまうことが多いと感じるか尋ねたところ、「とても感じる(41.2%)」「やや感じる(47.9%)」と回答した人の割合は合計で89.1%となった。1-1の通り、実際の会話で役立つという手応えを得ていることと、実際に人を前にして話せることは、必ずしも一致していないことがうかがえる。

3-1. 力を入れてきたのは「学習(68.8%」」、「訓練(62.4%」」に対し「実践(実際に人と英語で話すこと)」は全体で45.3%。AI・アプリのみ層では27.2%

英会話スキルの習得にあたり、これまで力を入れてきたものを尋ねたところ、「学習(単語や文法の知識吸収)」が68.8%、「訓練(読みあげやAI・アプリでの反復練習)」が62.4%であるのに対し、「実践(実際に人と英語で話すこと)」は45.3%と、23.5ポイント低い結果となった。

学習方法別に見ると、AI・アプリのみで学習している層(n=500)の「実践」はわずか27.2%で、対人学習も併用している層(n=500)の63.4%とは2倍以上の開きがあった。

一方で「学習」については65.0%と72.6%で7.6ポイント差にとどまる。知識のインプットには同程度に取り組んでいるにもかかわらず、実際に人と英語で話す経験そのものが不足している実態が浮かび上がった。

3-2. 実践に力を入れてきたかどうかで、「実際の外国人と話せる」は3.7倍の差

「実践(実際に人と英語で話すこと)」に力を入れてきたと回答した人(n=453)のうち、実際に出会う外国人と英語でスムーズに話せると感じる人は32.0%となった。一方、実践に力を入れてこなかった人(n=547)では8.6%と、3.7倍の差が開いている。また「いずれの相手ともスムーズに話せると感じない」と回答した人は、実践に力を入れてきた層で2.4%、入れてこなかった層で11.2%となった。

4-1. 人が相手だからこその良さ1位は「相づちや表情など、リアルタイムの反応が返ってくる」53.0%

対人学習(英会話スクールへの通学、人の講師によるオンライン英会話など、人が相手の学習)だからこそ良いと感じる点を尋ねたところ、1位「相づちや表情など、リアルタイムの反応が返ってくる(53.0%)」、2位「発音や言い回しをその場で細かく直してもらえる(45.2%)」、3位「自分に合わせて話す速さや内容を調整してもらえる(44.7%)」という結果になった。いずれも、あらかじめ想定された流れの中では再現しにくい、その場のやりとりに関わる要素が上位を占めている。

4-2. 理想の学習方法は、AIと対人の「組み合わせ」が約7割。最多は「AI・アプリ学習で基礎を練習し、人が相手の学習で実践する」が5割強

今後、英語学習に取り組むとしたらどのような組み合わせが理想だと思うか尋ねたところ、「AI・アプリ学習で基礎を練習し、人が相手の学習で実践する(54.7%)」が最も多く、「人が相手の学習で学び、AI・アプリ学習で復習・反復する(11.2%)」と合わせると、65.9%が両者の組み合わせを理想として選んだ。

上智大学の藤田保氏からのコメント

今回の調査で注目したいのは、AI・アプリなどのデジタル学習が「役立つ」と約9割の方が実感している点です。生成AIや英会話アプリは、自分のペースで、間違いを恐れずに、何度でも練習できる環境を提供してくれます。これは英語学習において大きな進歩であり、その有用性を疑う理由はどこにもありません。

一方で、回答者の約9割が、AI・アプリで練習しているときと比べて、人を相手にするときのほうが言葉に詰まって黙ってしまうと回答しています。ここで言う「詰まる」は、英語力そのものが足りないという意味ではありません。本調査は一人ひとりに、AI・アプリが相手の場合と人が相手の場合を比べて尋ねています。語彙や文法が足りないのであれば、どちらの場面でも同じように言葉に詰まるはずです。にもかかわらず人を相手にしたときにだけ沈黙が生まれるとすれば、それは相手を待たせてはいけないという焦りや、間違えたら伝わらないのではないかという緊張が、言葉を出にくくしているということです。母語で話していても言い淀むことはありますが、それとは性質が異なります。

この差は、知識の量ではなく人を相手に英語を使った経験の量によって生まれます。実際、AI・アプリなどのデジタルツールのみで学習している方の「実践」に力を入れてきた割合は27.2%で、対人学習も併用している方の63.4%とは2倍以上の開きがありました。一方で「学習」に力を入れてきた割合は65.0%と72.6%で大きな差がありません。知識は同じように蓄えているのに、人とやりとりする経験そのものが不足しているのです。

両者は役割が異なります。AI・アプリなどのデジタル学習は、言いたいことを英語にする作業を、失敗を恐れずに何度も繰り返せる点に価値があります。この反復がなければ、対人の場面で使える引き出しは増えません。一方、人とのやりとりでは、相手の表情や相づちを見て話し方を調整する、想定外の話題に対応する、伝わらなかったときに言い直すといった、あらかじめ筋書きを用意できない対応が求められます。第二言語習得においては、この即興的なやりとりそのものが学習の機会になります。

AI・アプリで引き出しを増やし、人との実践でそれを使えるようにしていく。どちらか一方では、この循環は完成しません。

藤田 保氏
上智大学言語教育研究センター教授、センター長
東京生まれ。高校3年のときに1年間米国の高校に交換留学。上智大学外国語学部比較文化学科(現、国際教養学部)卒業。同大学院外国語学研究科言語学専攻博士前期課程修了。専門は応用言語学(バイリンガリズム)と外国語教育。高崎経済大学助教授、立教大学異文化コミュニケーション学部教授等を経て、現職。2023年9月より1年間カンボジア王国シェムリアップ州で在外研究。文部科学省や東京都教育庁で各種委員を歴任。

<調査概要>
調査名:「AI・デジタル時代の英語学習」に関する実態調査
調査対象:全国18歳~50歳の男女1,000名
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年9月4日~9月8日

出典元:株式会社イーオン

構成/こじへい

Author
1986年、神奈川県生まれ。ライター歴は15年目で、現在は主にPR、芸能、YouTube関連の記事を執筆しています。

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