スマホによる発車指示対応など、新技術搭載車両を27年より商用運行に導入
株式会社T2(以下「T2」)は、レベル4(※1)自動運転トラックによる幹線輸送サービスの実現に向けて、関東・関西の各インターチェンジの近くに設置した無人/有人運転を切り替える拠点(以下「切替拠点」)における自動運転トラックの自動発着に初めて成功した。
さらに、無人トラックの将来的な運用を見据えて、スマートフォンからのトラックの発車指示も可能とした。
※1 特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。
今回の成果について
高速道路の「外」に位置する切替拠点に出入りすべく、「高速道路」だけでなく「一般道」をも自動で走行できる技術を開発・実装した事例は今回が国内で初めてとなる(※2)。
※2 自動運転トラックを用いた運送事業者が切替拠点における自動運転トラックの自動発着技術を開発・実装した国内の事例として。2026年10月21日時点のWEB調査。T2調べ。
これにより、レベル4の幹線輸送サービスで前提となる、切替拠点から別の切替拠点までの一連の行程における自動走行が技術的に可能となる。
T2では、これらの新たな技術を実装した自動運転トラックを、大手運送会社など約30社を対象にすでに提供している商用運行車両に2027年1月より導入する。
■レベル4自動運転トラックによる幹線輸送の開始を目指して
T2は「自動運転技術を活用し、日本の物流を共に支える」というビジョンを掲げ、将来的なトラックドライバー不足に対応すべく、2027年度以降にレベル4自動運転トラックによる幹線輸送の開始を目指している。
これに向けて2024年以来、自社で開発したレベル2(※4)自動運転トラックを用いて大手運送会社やメーカーなどの荷物を輸送する実証を推進。2025年夏からは、実証を経た企業に定期輸送を提供する「商用運行」も関東ー関西間の高速道路で始め、ユーザーは約30社まで拡大中だ。
※4 ドライバーの監視のもとに行われる特定条件下での高機能自動運転。
こうした「運送事業の構築」と両輪で進めているのが「自動運転技術の開発」だ。2026年3月には、関東ー関西を結ぶおよそ500kmの高速道路本線で、ドライバーによる一時的なハンドル操作を一度も発生させず完走した。
さらに5月には、高速道路の料金所を自動で通行する実験に国内で初めて成功するなど、自動走行区間を着実に拡大している。

次なるステップとして取り組んできた「切替拠点における自動発着」
T2では、レベル4を見据えて、高速道路を中心とする無人運転と、一般道における有人運転を切り替えるためにドライバーが自動運転トラックに乗り降りする切替拠点「トランスゲート」を今春、関東・関西の各インターチェンジの付近に設置。
レベル4では、こうした切替拠点から出発して一般道を通じて料金所を通行、高速道路を経て別の拠点に到着するまでの一連の行程において自動走行が前提となるため、まずレベル2でこれをクリアできるよう、9月中旬から公道で実験を開始した。


■高速道路上の走行とは別の次元で高い技術力が求められる
前述の行程のうち「切替拠点における自動発着」にあたっては、10mほどの幅しかない拠点の出入り口に対して、全長およそ12mの大型トラックが複数台出入りする運用も想定しなければならない上、切替拠点と料金所を結ぶ一般道の走行においては歩行者や自転車と遭遇する可能性があるため、これまでT2が開発に取り組んできた高速道路上の走行とは別の次元で高い技術力が必要となる。
このため本実験に向けて、拠点の出入りにあたり、大型トラック特有の内輪差やハンドル操作の限界などを踏まえて、車体が道路の端や構造物から必ず1m以上距離を取ることができるよう、あらかじめ数cm単位で走行軌道を設計した。
さらに、一般道で歩行者や自転車に遭遇した場合に十分な距離を確保すべく、車両に搭載したセンサーを用いて前方60mの範囲で対象を幅広く認識。認識後に当該の対象に車両を追従・停止させる対応を取ることができるようにした。
この結果、同月、東名高速道路・綾瀬スマートIC(神奈川県)近くの切替拠点「トランスゲート綾瀬」から出発して、一般道を通じて同ICの料金所を通行。高速道路に合流する行程と、高速道路から中国自動車道・西宮北IC(兵庫県)の料金所を通行し、一般道を経て同IC近くの切替拠点「トランスゲート西宮北」まで到着する行程を、それぞれ自動走行することに初めて成功した。


さらに本実験では、拠点からの出発にあたって、T2で独自に開発したWEBアプリケーションを用いてスマートフォンから自動運転トラックに発車を指示するデモもあわせて実施して、これに成功した。
レベル4においては、ドライバーがトラックから降車した後、切替拠点の作業員がこのWEBアプリケーションで無人のトラックを出発させるオペレーションを想定しており、本実験では、トラックを拠点から出発させるまでの作業員の一連の動作を確認した。
■実験の模様をまとめた動画はこちらから。
今後の展開
今回の実験の成功は、これまで成し遂げてきた「高速道路本線の完走」や「料金所の通行」とともに、レベル4に向けた自動運転技術の開発における重要なマイルストーンの達成となった。
T2では、これらの新技術を実装した自動運転トラックを2027年1月から商用運行に順次導入する予定で、これに先立つ10月19・20日、福山通運株式会社の便で車両を試験使用して、実際に荷物を運んだ。
今後、レベル4に向けては、車両故障や急激な悪天候の発生といった緊急事態に遭遇した際に、無人のトラックを安全な場所へ退避させる技術を開発・実装するなど、いかなる状況でも安全を担保できる仕組みを構築していく。
同社では今回の発表に際して、次のようにコメントしている。
「レベル4の幹線輸送サービスを実現させるため、切替拠点の作業員がスマートフォンで他の自動運転トラックの運行状況を確認できるようWEBアプリケーションに機能を追加するなど、オペレーションの具体化も加速させていきます」
関連情報
https://t2.auto/
構成/清水眞希




DIME MAGAZINE














