バイクを選ぶとき、デザインや走行性能、価格に目が行きがちだが、「手放すときにいくらで売れるか」も気になるところ。では、売却時に高値が付くバイクとは、どのようなモデルなのだろうか。
バイク未来総研は、2026年6月~2026年8月の期間を対象に、「売却時に高値が付くバイク」=「“リセール・プライス”の高いバイク」の上位10車種を、バイク王が運営するバイク情報サイト『Bike Life Lab』で発表したので、詳細をお伝えしよう。
総合ランキングではホンダ「X-ADV」が7期連続で首位
X-ADVは、第55回113.2Pt、第56回127.0Pt、第57回139.5Pt、第58回171.7Ptと上昇。前回から32.2Pt伸長し、7期連続で首位を維持した。前回からの上昇幅も大きく、今回も市場評価の高さがうかがえる結果となっている。
国内だけでなく欧州市場でも高い人気を集めており、メーカーの発表によると2025年には欧州で16,100台以上を販売し、オン/オフロードモデルで販売台数トップとなった。
海外市場でも継続的な人気を誇るX-ADV。今後も高いリセール・プライスを維持するか注目される。
2位にはヤマハ・YZF-R9が122.7Ptでランクイン。前回はランキング対象外であったが、今回は初のトップ10入りで総合2位となった。
YZF-R9は、MT-09にも採用される888cm³の直列3気筒「CP3」エンジンをベースに、スーパースポーツとして専用開発されたモデルだ。専用アルミフレームはヤマハの歴代スーパースポーツで最軽量となる9.7kgを実現している。
また、フロントのウイングレットは、公道走行時の横風などによる影響を抑え、旋回時の接地感を高めることも目的として設計されている。
近年のリセール・プライスランキングではアドベンチャー/クロスオーバー系モデルが上位を占める傾向が見られたが、第57回ではCBR1000RR-R FIREBLADE SPが初めてトップ10入りし、今回はYZF-R9が2位となった。
異なるタイプのスーパースポーツモデルが2回続けて上位に入っており、スポーツモデルの動向も注目される。
メーカー別リセール・プライスランキング
第58回から、総合ランキングに加えて国内主要4メーカーごとのTOP5を紹介しよう。
■ホンダ TOP5
ホンダはX-ADVを筆頭に、CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES DCT、NC750X DCT、Gold Wing Tour、NC750XがTOP5を占めた。5車種すべてが総合ランキングでもTOP10に入る結果となっている。
中でもNC750X DCTとNC750Xがそろってランクインし、NC750Xは前回25位から7位へ大きく順位を上げた。クロスオーバー、アドベンチャー、ツアラー系のモデルが上位に並び、ホンダ勢の強さがうかがえる結果に。
■ヤマハ TOP5
ヤマハはYZF-R9が122.7Ptで首位となり、MT-09 SP ABS、TRACER9 GT、MT-07 ABS、MT-09 Y-AMTが続いた。
1位のYZF-R9は2位のMT-09 SP ABSを30.0Pt上回り、メーカー内でも際立つ結果となっている。
一方、MTシリーズから3車種がTOP5に入り、スポーツネイキッドを中心としたモデルが上位に並んだ。スーパースポーツのYZF-R9を含め、スポーツ志向のモデルが目立つランキングとなっている。
■スズキ TOP5
スズキは、Vストローム800DE、Vストローム800が1位・2位となり、Hayabusa、DR-Z4SM、GSX-S1000GXが続いた。
上位2車種をVストローム800シリーズが占めた一方、1位の74.8Ptから5位の70.2Ptまでの差は4.6Ptと小さく、TOP5は僅差となった。アドベンチャー、スポーツ、モタードなど、異なるカテゴリーのモデルが上位に並ぶ結果となっている。
■カワサキ TOP5
カワサキはZ900RS SEが78.7Ptで首位となり、ELIMINATOR、Ninja ZX-25R SE、ZX-6R、ELIMINATOR SEが続いた。
1位から5位までの差は2.8Ptと、国内4メーカーの中で最も小さく、上位5車種が僅差で並ぶ結果となっている。
ELIMINATORとELIMINATOR SEの2車種が入る一方、レトロスポーツやスーパースポーツも上位に入り、カテゴリーに偏りの少ない構成となった。
リセール市場にも表れ始めた、バイクの価値観の多様化!バイク未来総研所長 宮城光氏のコメント
今回の「リセール・プライスランキング」でまず目を引くのは、ホンダX-ADVが1位を守ったことだ。171.7Ptという数字は前回から32.2Ptも上昇しており、安定した人気に加えて、リセール市場での評価そのものが一段高まった印象を受ける。
そして今回、初登場となったヤマハYZF-R9が122.7Ptでいきなり2位に入った。スーパースポーツカテゴリーから新たなモデルが上位に登場したことは、このランキングを見るうえで非常に興味深いポイントだ。
特にスーパースポーツモデルはスタイリッシュなデザインが次世代のライダーにも受け入れられており、絶対性能だけではなくヴィジュアル面での成功も感じられる。
さらに3位には、ホンダCRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES DCTが104.1Ptでランクイン。前回2位から1ランク下がったものの、今回もこの位置に入ってきたことは、アドベンチャーモデルに対する中古市場の評価を考えるうえでも注目したい。
4位のNC750X DCT、5位のGold Wing Tourまでを見ると、さらに面白い傾向が見えてくる。
特にGold Wing Tourは前回9位から5位へ大きく順位を上げており、ここ最近のランキングでも上位を安定して維持している。ツーリングモデルとしての価値が、リセール市場でも継続的に評価されているように見える。
一方、6位にはMT-09 SP、7位にはNC750X、8位にはADV160、9位にはCBR1000RR-R SP、10位にはミドルクラスアドベンチャーとも言えるCRF250Lが入った。
今回のTop10を俯瞰すると、スーパースポーツ、アドベンチャー、ツーリング、マルチパーパス、そしてスクーターまで、異なるカテゴリーのモデルがバランス良く並んでいる。
これは、現在の中古バイク市場において「どんなカテゴリーだからリセールが高い」という単純な構図ではなく、それぞれのカテゴリーで商品としての魅力や市場での需要が評価される時代になってきたことを感じさせるランキングだ。
X-ADVの強さを軸にしながら、R9、CRF1100L、Gold Wing Tourなどが存在感を示す今回の結果は、バイクを「所有する価値」だけでなく、「手放すときの価値」まで含めて選ぶユーザーが増えていることを考えるうえでも、興味を持ってこのデータを見ることが出来る。
算定基準
・国内主要4メーカーが、国内で販売しているバイク(2026年9月末現在・逆輸入車を除く)
・新車販売価格は2026年9月末現在の価格を基準。カラー等により価格が複数ある場合は、最安値を基準に算定
・モデルチェンジが実施された場合は、最新モデルのみを対象とする
・期間内に、バイク未来総研独自の規定台数に達する流通があるバイクを対象とする
※「バイク未来総研調べ 」
『リセール・プライス』とは
バイクを売却(=リセール)する際の価格(=プライス)を指す。2026年9月末現在、新車で購入が可能なバイクを対象とし、業者間オークションで売却した際の落札金額の平均値と新車販売価格を基に『リセール・プライス』をポイント化。ポイント数が高いほど、『リセール・プライス』が高いと想定できる。
本指標は、年間約10万台の中古バイクを取り扱うバイク王の取引データを基に、各調査対象期間の流通実績についてバイク未来総研が独自に集計したものであり、バイクユーザーが新車あるいは中古バイクを購入する際の参考情報として活用されることを目的としている。
関連情報
https://www.8190.jp/bikelifelab/bikefuture/
構成/Ara




DIME MAGAZINE





















