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えっ、来年スタート!?GOが2027年までに自動運転タクシーを商用運行へ、裏側にあるタクシー会社の思惑とは

2026.10.28

レベル4の自動運転タクシーが、いよいよ現実の光景になろうとしている。

この記事に目を通している読者の中にも、都内でWaymoの自動運転タクシーを見たという人がいるはずだ。このWaymoの車両を使った実証実験は、去年から既に行われている。問題は、アメリカとは全く条件が異なる日本で自動運転タクシーなるものが適合できるのかという点だ。

が、そうした事情はあるものの国は自動運転タクシーに対して非常に前向きだ。これはライドシェアに対する消極的姿勢とは全く異なる態度とも言える。しかし、後述するがライドシェアに対する姿勢と自動運転タクシーに対する姿勢、よく観察してみるとある共通項で大きくつながっている。

ともあれ、Waymoはレベル4自動運転タクシーの商用運行を2027年までに計画している。

自動運転タクシーに積極的な国交省

今年9月15日、オンラインタクシー配車アプリGOはこのような内容のプレスリリースを配信した。


GO株式会社 (本社:東京都港区、代表取締役社長:中島 宏、以下GO) 、米国Alphabet傘下のWaymo社 (本社:米国カリフォルニア州マウンテンビュー、共同CEO:テキドラ・マワカナ、ドミトリー・ドルゴフ、以下Waymo) と日本交通株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:若林 泰治、以下日本交通) は、東京における自動運転タクシーの商用化に向けた戦略的パートナーシップに合意しました。3社は本合意を通じて、2027年中に東京で国内初となる自動運転レベル4の完全無人走行による商用タクシー運行を目指します。
(GO、Waymo、日本交通 自動運転タクシー商用化の実現に向けて合意 2027年中に国内初の完全無人タクシー運行を目指す GO株式会社 PR TIMES)


GOは今や、全国にシェアを広げるオンラインタクシー配車アプリの重鎮である。が、GOの筆頭株主は日本交通とDeNAであり、日本交通は日本の公共交通業界では「反ライドシェア派の旗手」として知られている。

より厳密に書けば、日本国内で展開されているライドシェアは国際水準のライドシェアとは姿形も構造も全く異なる。日本のライドシェア(日本版・公共ライドシェア問わず)とは「既存の公共交通機関の補完的存在」であり、人手不足に陥っている各地域のタクシー会社の業務を手助けする役割に適合できるよう再設計されているのだ。日本交通の反ライドシェア的姿勢とは、国際水準のライドシェアをそのままの形で日本に導入させないことを意味している。国土交通省が外来のライドシェアを名前だけはそのままにして中身を作り替えたのは、ひとえに日本交通を始めとしたタクシー会社の強い意向があるからと言ってもいいだろう。

ところが、冒頭でも書いた通り国は自動運転タクシーに関しては一転して積極的な姿勢を見せている。

以下はWaymoが去年10月10日に配信したブログだ。


Waymo(ウェイモ)は、米国および世界各国の主要都市への展開とともに、今年4月から東京の公道に合わせた自動運転技術と運営体制の最適化を進めています。日本での取り組みを続ける中、この度、中野洋昌国土交通大臣をはじめとする政府関係者の皆さまをお迎えし、サンフランシスコでWaymoの完全自動運転車のご乗車いただくとともに、オペレーションセンターをご視察いただきました。

「歩行者や自転車も行き交うサンフランシスコの街を円滑に走行するWaymoの技術に感銘を受けました。東京特有の走行環境に適応するためにWaymoが慎重に熟慮を重ねながら取り組んでいることがわかりました。この性能とサービスを東京でも実現していただける日が来るのを楽しみにしています。」
中野洋昌 国土交通大臣
(Waypoint Waymo)


人間のドライバーよりも事故が少ない?

筆者の手元に『自動運転を巡る動きについて』という、国交省が作成した資料がある。これを見ていこう。

車の自動運転が実現した場合、まず見込まれるのは「交通事故の減少」である。

この部分を書くと、「自動運転車のほうが危ないのでは?」と言われてしまうことがある。しかし、メンタルや体調に運転の精緻さが左右される人間よりも、あらゆるデータを学習したAIのほうが交通事故を起こしにくいことは既に明白になっている。国交省の資料を読むと、2024年の法令違反別死亡事故発生件数の約96%は「運転者の違反」。つまり、自動運転車が普及することでこの96%がそのまま減少していく見込みなのだ。

そして、以下の事柄は資料には記載されていないが、少子高齢化に突入して久しい日本では運転者の平均年齢も決して低くはないはずだ。

実はこのあたりに、日本適応型ライドシェアとの共通項が見えてくる。「運転者の高齢化」とは、公共交通機関のドライバーの高齢化をそのまま意味している。今現在言われている「タクシードライバー不足」とは、つまるところ「高齢ドライバーしかいない」という状態を表しているのだ。

自動運転タクシーは、その大問題を解消してくれるかもしれない。というより、タクシードライバー不足の問題を解消するには自動運転タクシーというカードしか使えないのだ。

そうした視点で観察すると、なぜ国際水準型ライドシェアに否定的なGOと日本交通が自動運転タクシーに対しては肯定的・積極的なのか、その理由が見えてくる。

「乗務員不足の補完」に大きな役割

自動運転タクシーを「ドライバー不足解消のためのジョーカー」として利用したいというタクシー会社と国との思惑が一致し、結果としてWaymoの車両が都内に登場する。

ここで、日本交通代表取締役社長の若林泰治のコメントを引用したい。


この1年間、専門の訓練を積んだ当社の乗務員たちは「Waymo Driver」が東京の道路環境に適応できるよう、全力を挙げて尽力してきました。約100年にわたり東京でタクシーを運行してきた中で、大切にしてきた安全・安心・快適な移動体験を提供するという矜持は自動運転時代も変わりません。Waymo、GOと共に進める本取り組みは有人のタクシーとの共存のもと、将来的な乗務員不足を補完し、より安全で質の高い移動インフラを次世代へと引き継ぐための極めて重要な挑戦であると確信しております。
(GO、Waymo、日本交通 自動運転タクシー商用化の実現に向けて合意 2027年中に国内初の完全無人タクシー運行を目指す GO株式会社 PR TIMES 太字は筆者)


若林氏のこのコメントを見ても分かる通り、業界側から見た自動運転タクシーと日本適応型ライドシェアの位置付けはほぼ同じものだ。

こうした明確な位置付けがあると、途端に早く行動するようになるのが日本人の性格である。

ともあれ、自動運転タクシーは日本でも商用運行に向けて急速に整備されている。来年、我々はドライバーのいないタクシーを頻繁に利用し、それがごく普通の日常になっていくだろう。

参考
GO、Waymo、日本交通 自動運転タクシー商用化の実現に向けて合意 2027年中に国内初の完全無人タクシー運行を目指す GO株式会社 PR TIMES
Waypoint Waymo
自動運転を巡る動きについて 国土交通省

文/澤田真一

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1984年生まれ。静岡市生まれ相模原市育ち。グラップリング歴20年超。世界のスタートアップ情報からガジェットレビュー、Apple製品、キャッシュレス決済、その他諸々のジャンルの記事を執筆。

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