2026年7月に熊本県で最大震度7を観測する「令和8年熊本地震」が発生して、改めて地震災害はいつどこで起きてもおかしくないことを実感させられた。今年7月には防災庁設置法が公布されて、11月の発足に向けて国全体で防災・減災への取り組みが強化されている。日頃からの備えを見直して、もしもの時に大切なモノを守るための防災対策への関心が高まっているが、マスターロック・セントリー(MLSJ)は、内閣府か浸透を図る「フェーズフリー」についての考え方を紹介している。
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防災アイテムを日常と非日常で活用
「フェーズフリー」は、日常と非常時を明確に分けて備えるのではなく、普段の暮らしの中に防災につながる機能や仕組みを取り入れる考え方だ。防災用品を収納したスツールは、普段は玄関で靴を履くための椅子として使えるが、災害時にそのまま持ち出す防災バッグとしても活用できる。そういった日常と非常時の両方で活用できるアイテムの利用などが主な例だ。MLSJが実施した『2026年防災にまつわる調査』では、「フェーズフリー」を「知っていた」(17.5%・全体)と「ある程度内容を知っていた」(19.4%・全体)と合わせた36.9%が知っていたと回答。被災経験者に限定すれば61.4%で、より「フェーズフリー」の考え方を知っていた。ほかにも調査では、防災意識などについても質問している。
約9割が防災意識と備えの必要性を感じている
あなたは現在、地震などの災害に備える必要性をどの程度感じていますか。(n=340名:SA)
あなたの家庭では、現在、地震などの災害に対して何らかの備えをしていますか。(n=340名:SA)
あなたは災害への備えとして、どの方法が無理なく続けやすいと思いますか。(n=340名:SA)
災害に対する備えの必要性は、「非常に感じている」と「ある程度感じている」を合わせると約9割が感じていると回答した。被災経験者は「非常に感じている」が55.8%と半数以上だったが、被災経験のない人と33%も差があった。実際に備えているかについては、「十分に備えている」と「ある程度備えている」を合わせた62.1%(全体)という結果になった。被災経験者は「十分に備えている」が22.7%、被災経験がない人は3.9%で、「十分に備えている」と回答した人は意外と少なかった。無理なく備えを準備する方法としては、被災経験者も被災経験がない人も「普段使っているものに防災機能を持たせ、日常的に使いながら災害にも備える」が半数以上で「フェーズフリー」を指示する声は多かった。
実際に備えているものは食料がトップ
現在、家庭で行っている災害への備えを教えてください。(n=211名:MA)
あなたが災害への備えとして特別に購入、準備したアイテムはどれですか?(n=211名:MA)
防災用品や備蓄品をどの程度の頻度で見直していますか。(n=211名:SA)
防災への備えを継続するうえで、負担や難しさを感じることを教えてください。(n=211名:SA)
家庭の備えでは、「食料」(76.5%・全体)と「飲料水」(67.9%・全体)が高ポイントだった。特別に購入したり準備したものでは、「飲料水」(46.4%・全体)や「食料」(45.9%・全体)など消費期限があるものが多かった。備蓄品の見直しでは「半年に1回程度」が45.9%(全体)でトップだった。防災の準備で負担や難しさを感じることでは、上位は「費用がかかる」(43.4%・全体)、「定期的に見直すのを忘れてしまう」(32.7%・全体)、「保管する場所がない」(31.1%・全体)、「食品や電池などの使用期限の管理が難しい」(31.1%・全体)という回答だった。被災経験がない人より被災経験者のほうが「何を用意すればよいか分からない」のポイントが高く、19.9%も差があった。
12%は避難した後で自宅や建物に戻っていた
地震が発生した際、身の安全を確保した後、すぐに避難することができましたか。(被災経験者n=156:SA)
地震が発生した際、避難する前に持ち出そうとしたもの(持ち出したいもの)、または確認しようとした(確認するのではないかと思う)ものはありますか。(n=340名:MA)
地震発生時の避難の状況は、「少し迷ったが、比較的すぐに避難できた」が45.3%で高かったが、「迷いや準備に時間がかかり、避難が遅れた」(16.7%)や「一度避難した後、自宅や建物に戻った」(12.0%)と避難しつつも迷いがあった人もいた。避難前に持ち出そうとしたり確認しようとするものでは、「携帯電話・スマートフォン」(69.1%・全体)と「財布・現金」(58.9%・全体)が上位だった、被災経験がない人は「財布・現金」を重視していたが、被災経験者の実際に持ち出そうとした人は49.3%という結果だった。
避難で大切なものをどう考えるか?
避難時または避難後に、「自宅にある大切なものを取りに戻りたい」と思ったことはありますか。(被災経験者n=156:SA)
地震発生時、すぐに避難できなかった、または避難をためらった理由を教えてください。(被災経験者n=156:MA)
自宅にある大切なものについては、「取りに戻ろうとしたが、やめた」が34.7%で「実際に取りに戻った」が33.1%という結果になった。避難できなかったり、避難をためらった理由では、「通帳や印鑑、重要書類を持ち出そうとした」が34.2%でトップだった。やはり家に置いておくことに不安を感じるようだ。
36.9%がフェーズフリーの考え方を知っていた
あなたは「フェーズフリー」という言葉を知っていましたか。(n=340名:SA)
「フェーズフリー」とは、普段使っている商品やサービスを、災害時にも役立てる考え方です。この考え方について、どの程度共感しますか。(n=340名:SA)
「フェーズフリー」を「知っていた」のは17.5%(全体)で、「ある程度内容を知っていた」は19.4%(全体)だったが、被災経験者は6割以上が知っていると回答している。その考え方には、「非常に共感する」(24.5%・全体)と「ある程度共感する」(54.8%)を合わせた約8割が共感していた。被災経験者は、88.7%とさらに高かった。
金庫を活用して「フェーズフリー」保管
地震による津波、台風や大雨、火災は、早めの避難や逃げ遅れないことが命を守ることにつながる。だが「通帳や現金を持って逃げなければ」や「避難した後に火災や盗難が起きたらどうしよう」といった不安から避難行動の遅れや避難後に自宅へ戻ってしまうこともありそうだ。この調査でも「迷いや準備に時間がかかり、避難が遅れた」(16.7%)や「一度避難した後、自宅や建物に戻った」(12.0%)など避難しつつも迷いがあった人は一定数いた。今回の調査を行ったMLSJは、“逃げ一択防災”という考え方を提案しており、日常的に使っている耐火・耐水金庫を活用して、防災袋やリュック(”持ってく防災”)にプラスする新しい備えの形を提案している。MLSJの代表取締役である安藤亮平氏は次のようにコメントしている。
「災害時、「通帳を持っていかなければ」「思い出の品を取りに戻りたい」と考えることは自然なことです。しかし、その迷いが避難の遅れにつながる可能性があります。 大切なものを守る場所を日頃から決めておくことで、いざという時には命を守る行動を最優先にできる。その考え方を私たちは「置いてく防災」と呼んでいます。防災の日をきっかけに、ご家庭で「何を持って逃げるか」だけでなく、「どうすれば迷わず逃げられるか」を一度考えていただければと思います」
金庫は、通帳や印鑑などの貴重品だけでなく、日常でも使用して災害後の生活再建にも必要となる物をまとめて保管することができる。定期的に中身を確認して、普段の暮らしの中で更新することがフェーズフリーな保管のポイントになる。
「フェーズフリー保管」で金庫に備えておきたい物の一例
・少額の現金:災害時は停電や通信障害で、電子決済やATMが利用できなくなる可能性がある。紙幣だけでなく、公衆電話や自動販売機などで使用できる硬貨も一緒に保管しておくと安心だ。
・重要書類:保険証券、契約書、資産に関する情報、家族の連絡先、保険会社や金融機関の問い合わせ先、年金手帳などをまとめて入れる。原本だけでなく、身分証明書やお薬手帳、各種証書のコピーを保管する方法も考えられるが、災害後に各種手続きや保険請求を行う時にも役立つ。
・印鑑/通帳
・予備の鍵:自宅や車、親族宅などの予備の鍵をまとめておくことで、紛失時や緊急時にも役立つ。
・家族にとって大切なモノ:母子手帳、家族写真、手紙、子どもの成長記録、記念品など金銭的な価値だけでは測れない物も災害後の生活を立て直すうえで大切な存在になるはずだ。
・家族の情報をまとめた「わが家の情報カード」:家族の氏名・生年月日・連絡先、勤務先や学校、かかりつけ医、持病やアレルギー、緊急連絡先などを一枚にまとめておけば、日常の各種手続きや旅行時にも確認できて、災害時にスマートフォンが使えない場合の情報源としても使える。
・モバイルバッテリー・充電ケーブル
・予備のメガネやコンタクトレンズ:メガネやコンタクトレンズなどの予備は、災害時にすぐ代わりを用意することが難しいので、普段から予備を持つ習慣を持とう。
・デジタルデータのバックアップ:家族写真、契約書類、資産情報、緊急連絡先などのデータを保存したUSBメモリーや外付けストレージを保管して、クラウド上のバックアップと併用すれば通信環境がない場合も情報へアクセスしやすい。
・高価なアクセサリー / 時計
日常的に使いつつ、何かあれば避難用として活用できれば、たしかに便利だ。さらに非常時だけに使用する特別な防災用品ではなく、普段から使用しながら災害時には命や暮らしを守る役割を果たすようなアイテムを金庫で保管しておけば、いざという時に役立つことも多そうだ。これからの災害対策は、日常と非日常の両方に対応できることが大切になりそうだ。
『2026年防災にまつわる調査』概要
調査対象:全国の20~70歳の男女
調査期間:2026年8月19日~2026年8月21日
母数:合計340名
地震による被災・生活への影響経験者:156名
被災・生活への影響のない人:184名
調査方法:インターネット調査
https://masterlocksentry.jp/news/【ニュースリリース】9月1日は「防災の日」防災庁/
構成/KUMU
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