奇抜なデザインと安定したパフォーマンス、コスト面などで注目を集め、若者を中心に日本市場に浸透してきたNothingは、新たにミドルレンジモデル「Nothing Phone (4b)」を10月27日に発売する。
Nothing直販サイトでの販売価格は、5万9800円。部材高騰、円安といった要因から、各社が大幅に値上げをしている中で、比較的手に取りやすい価格設定が特徴だ。
Notthingとしては、今年に入ってPhone (4a)シリーズや昨年夏のPhone (3)、1月のPhone (3a) Liteなど複数モデルが並行販売される中、今回のPhone (4b)は3a Liteの単純な後継ではなく、4シリーズの中でアクセスしやすい価格帯を狙う製品として位置づけられている。
Nothing Phone (4a) Proをベースとしたデザイン
デザインはPhone (4a) Proをベースとしている。Phone (4a) Proがメタルのユニボディを採用したのに対し、Phone (4b)はプラスチック製のユニボディとなるが、触った際のソリッド感や持ち心地は両立させたという。
Nothingらしいシースルー表現はカメラ周辺に集約され、ガラスではなくポリウレタン樹脂を採用。内部の色を精度よく見せるため、樹脂の精度向上にこだわったと語られている。アンテナの存在を想像させる表現や内部部品を感じさせるアルミ素材も取り入れており、カメラリングは隠さず露出させて強度とクラフト感を持たせた。全面スケルトンのデザインが好みだったNothingファンからすると、Nothingらしさはやや薄れていると感じるかもしれないが、手触りはいい印象だ。
カメラ横に配置されるGlyph Barは、Phone (4a)から採用された 、段階的に点灯する方式を継続する。
カメラはセンサーが小さくなるも解像感を維持
背面カメラは3眼ではなく、メインカメラと超広角カメラの2眼構成となった。黒住氏は「メモリだけではなく部材全体的に上がっていて、部品によっては半年前と比べて3倍ぐらいのコスト」と明かし、限られたコストの中で適切な価格と品質を両立する選択だったと説明されている。
メインカメラは50MPで光学式手ぶれ補正に対応し、4K動画撮影が可能。ただしセンサーサイズは従来よりやや小さくなっている。超広角カメラは従来と同じ8MP、画角約120度。3つ目のカメラの代わりに、フリッカーを検知する360度環境センサーを搭載する。
作例は黒住氏自身が撮影した実写だという。赤坂での屋外撮影や、暗めの環境で撮った写真が紹介され、設定をいじらない2倍撮影でも曇天の雲や反射、暗所の色を十分に表現できるとのこと。一眼レフと比べれば色の情報量に差があることは認めつつも、日常用途では「必要以上」の画質だと強調している。
画像処理エンジンのTrueLens Engineは、12枚のRAW画像を分割・処理して1枚にまとめ、セグメンテーションも行う。当初8枚だった処理枚数が12枚に進み、Qualcommとの処理分担で実現しているとのこと。補正は自然さを重視し、空の色が急に変わるような過剰処理を避ける方針だ。
新機能のデュアルビュービデオ撮影機能は、メインカメラとフロントカメラの映像を1つの画面に同時記録できるもので、踊りながら解説するシーンやVlogが想定されている。フロントカメラは16メガピクセルでTrueLens Engine 4.0を活用、補正の強さを選択でき、肌のトーン調整や髪の根元など影になりやすい箇所の補正、肌色の違いに応じたビューティファイザー機能も備える。
ミドルレンジ端末としては十分な能力を搭載
ディスプレイは6.77インチのSUPER AMOLED、アダプティブリフレッシュレートは最大120Hz。(4a) Proと比べるとベゼルがやや厚く、筐体も一回り大きいが、画面サイズは維持した。ピーク輝度は従来の3000~3500ニトから2000ニトに抑え、HDR再生時に極端に輝度を上げない設計で、バッテリー消費との釣り合いを取ったという。
プロセッサーはSnapdragon 6 Gen 4、8コア構成。ベンチマークスコア単独での比較は難しいとしつつ、GPU性能やAIタスク処理の向上を含めて評価すべきとの見解が示されている。
バッテリーは5200mAhで、Nothingの既存ラインナップで最大容量となる。高速充電は30分で50%充電可能だ。熱処理領域も広く取っており、長時間の通話・動画・ゲーム利用を想定した構造とした。
Essential AIと日本向け仕様
Phone (3a)以降と同様、Essential Key、Essential Space、Essential Search、Essential AppといったEssential AIツールを搭載する。言葉で指示するだけでアプリケーションを作れる機能も含まれており、黒住氏は「AIを遠い場所の技術ではなく、スマートフォン上で日常的に使える道具として提供したい」という思想を強調した。
日本向け仕様としてはeSIMとFeliCa・おサイフケータイに対応。防塵・防水はIP64で、IP67やIP68ではない。なお黒住氏は、高耐水性は認証プログラムが厳しく費用面の負担も大きいことから、等級の数字やメーカーの水没説明を単独で受け止めるべきではないとの見解を示している。
発売は10月27日で、自社オンラインサイトの標準価格は5万9800円。カラーはホワイト、ブラック、ブルーの3色だが、ブルーはPhone (3a)の流れを汲む楽天モバイル限定カラーとなる。ただし、楽天向けの専用仕様は色のみで、端末性能は同一となる。
取材・文/佐藤文彦
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