骨盤底筋群とは、骨盤の最低部でハンモックのように広がっている筋肉の集り。この筋肉の筋力が加齢とともに低下することで、尿漏れのリスクが高くなるとされている。
MTGのトータルウェルネスブランド「シックスパッド」はこのほど、全国の20歳以上の男女2,053名を対象に「骨盤底筋に関する認知やケア状況、尿トラブルに関する実態調査」を実施し、その結果を発表した。
女性は年齢が上がるほど認知度が向上
20代以上の男女に「骨盤底筋」を知っているか尋ねたところ、55.6%が認知していると回答した。
また、認知・理解度は男性より女性のほうが高く、女性では年齢が上がるほど認知率が高まる傾向が見られた。加齢や出産、更年期などライフステージの変化に伴い、骨盤底筋への関心が高まっていることがうかがえる。
認知していてもケア実施率は35.6%
骨盤底筋を認知している人に対してケアの実施状況を尋ねたところ、実際にケアを行っている人は35.6%となった。多くの人が骨盤底筋の存在や重要性を知っている一方で、ケアを実践している人は限定的であり、認知と行動の間にはギャップがあることがわかった。
約3人に1人が「何をすればよいかわからない」
骨盤底筋ケアの必要性を感じている人に対し、現在の対応について尋ねたところ、「何をすればよいかわからない」が34.9%で最多となった。また、女性では年齢が上がるほどその割合が高まる傾向が見られ、特に更年期以降はケア方法に関する情報不足が課題となっていることがうかがえる。
必要性の理解は広がっている一方で、具体的なケア方法の認知や実践には課題が残る結果となった。
「尿もれ・頻尿」が最多、体型や姿勢への悩みにも広がり
骨盤底筋のゆるみによって生じる不調の中で改善したい悩みを尋ねたところ、「尿もれ・頻尿」(35.4%)が最も多い結果となった。一方で、「便秘」(34.9%)や「反り腰・ぽっこりお腹」(34.5%)も同程度に高く、骨盤底筋に関する悩みは排尿トラブルにとどまらず、日常生活やボディラインにも広がっていることがうかがえる。
また、女性では「反り腰・ぽっこりお腹」が42.8%と最も高く、姿勢や体型への関心の高さも見られた。
尿トラブル経験者は6割超
尿トラブルの経験について尋ねたところ、20代以上の男女の64.2%が経験があると回答した。また、経験者のうち75.9%が現在も何らかの悩みを抱えており、多くの人にとって継続的な悩みとなっている実態が明らかになった。
尿トラブルの症状
出産や加齢など、ライフステージの変化が影響
尿もれを経験した女性に対し、そのきっかけを尋ねたところ、39歳以下では「出産後(1年未満)」が最も多い結果となった。一方、40歳以上では「加齢による身体の変化を感じたとき(筋力低下など)」が54.8%と半数を超え、年齢とともに身体機能の変化が尿もれの要因として認識されていることがわかった。
また、「更年期」をきっかけとして挙げる回答も見られ、ライフステージの変化が尿トラブルに影響していることがうかがえる。
尿トラブル対策は「事後ケア」が中心
尿トラブルへの対処法として最も多かったのは「おりものシート・生理用ナプキンの使用」(51.2%)で、以下「早めにトイレに行く」(45.7%)、「吸水シート・吸水パンツの使用」(38.6%)が続いた。
一方で、「骨盤底筋トレーニング」を実施している人は15.6%にとどまり、症状への対処が中心となっている実態が明らかになった。
骨盤底筋ケアへの理解促進が今後の課題
今回の調査では、骨盤底筋の認知は広がりつつある一方で、実際のケア方法が分からず行動に移せていない人が多いことが明らかになった。また、尿トラブルへの対処は症状への対応が中心であり、骨盤底筋トレーニングなど根本的なケアは十分に浸透していない実態も見られた。年齢やライフステージによる身体の変化に備えるためにも、骨盤底筋に関する正しい知識の普及と、継続しやすいケア方法への理解促進が重要であると考えられる。
専門家コメント|伊藤伶奈医師 / 産婦人科専門医・栄養学修士・美容医学修士
女性の身体は、妊娠・出産や加齢、更年期に伴う女性ホルモンの変化などによってさまざまな影響を受けます。なかでも骨盤底筋は、膀胱や子宮、直腸などの骨盤内臓器を支えているため、筋力や機能が低下すると、尿もれや頻尿などの尿トラブルにつながることがあります。
特に更年期以降は、出産による骨盤底筋群へのダメージに加え、加齢による筋力の低下や体重増加など、さまざまな変化が重なります。また、女性ホルモン(エストロゲン)が減少することで、骨盤底を支える靭帯などの結合組織ではコラーゲン代謝などにも変化が生じ、その構造や機能に影響する可能性があります。しかし、こうした変化は複数の要因が絡み合いながら少しずつ進むため、普段は自覚しにくいものです。
そのため、尿トラブルなどの不調を感じてから対処するよりも、日頃から骨盤底筋を意識し、無理なく継続できるケアを取り入れることが大切です。将来の身体の変化に備えるという観点からも、早い段階から骨盤底筋に関心を持つことが、健やかな毎日につながると考えています。
<伊藤伶奈医師>
2018年東京慈恵会医科大学卒業後、東京大学産婦人科にて研修を行い、産婦人科専門医を取得。現在は都内で産婦人科・美容皮膚科医として臨床に携わる。
スウェーデン・Karolinska Institutetにて栄養科学、英国・Queen Mary University of Londonにて美容医学を修め、それぞれ修士号を取得。
昭和大学糖尿病内科での抗糖化・抗酸化研究や、スウェーデン発のスキンケアスタートアップ「SKINOME」にてスキンマイクロバイオームの臨床研究に従事した経験を持つ。
現在は「産帰人科 x 美容皮膚科 x 栄養科学」を融合した女性のアンチエイジングを専門とし、国内・海外企業に対して「欧州式アンチエイジング」セミナーの開催や、広報、アドバイザーとして幅広く活動している。
<調査概要>
実施時期:2025年10月21日~10月28日
調査手法:インターネット調査
調査対象:全国20歳以上の男女2,053名
構成/こじへい




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