欧州を代表するアレルギー・臨床免疫学の専門家チェッキ博士と共同で研究
パナソニックは、欧州を代表するアレルギー・臨床免疫学の専門家であるロレンツォ・チェッキ博士との共同研究を実施。欧州で主要とされる花粉アレルゲン6種(※1)に対して、ナノイー(帯電微粒子水)技術による抑制効果を実証した。
さらに、ナノイー(帯電微粒子水)技術を照射した花粉アレルゲンを用いたIgE抗体反応検査において、アレルギー反応の抑制(※2)確認も併せて発表した。
※1 ナガハグサ、カベイラクサ、西洋ハシバミ、モミジバスズカケノキ、ホソムギ、イトスギ
※2 IgE抗体の反応
共同研究実施の背景
近年、欧州では花粉アレルギーが社会課題となっており、欧州環境庁(EEA)は、欧州人の約30%が花粉アレルギーの影響を受けていると報告している。
また、気候変動の影響により花粉シーズンの早期化・長期化や飛散量の増加が指摘されているほか、花粉は衣類への付着や換気などによって室内に持ち込まれることが知られており、花粉対策の重要性が高まっている。
花粉アレルギーは生活者のQOLに影響を及ぼすだけでなく、医療費の増大や労働生産性の低下にもつながるなど、社会・経済活動への影響も報告されている。
■選定した全12種の花粉アレルゲンにおいて抑制効果を確認
今回、パナソニックはチェッキ博士の知見をもとに、欧州の花粉症患者の多くがアレルギーを有する主要な花粉アレルゲン12種を整理・選定した。
そのうち、これまで検証していなかった6種(※1)を新たに評価した結果、すべてにおいてナノイー(帯電微粒子水)技術による抑制効果を確認した。これにより、過去の検証結果と合わせて、選定した全12種の花粉アレルゲンにおいて、抑制効果が確認されたことになる。
さらに、この12種の中から、飛散期間が長いアレルギー性花粉の代表的な種類4種を対象に、ナノイー(帯電微粒子水)技術を照射した後、イムノブロット法によりIgE抗体反応を評価したところ、反応の減少が確認された。
同社では今回の発表に際して、「パナソニックは、安全で安心な空間の提供を通じた社会への貢献を目指し、今後もナノイー(帯電微粒子水)技術を進化させるとともに、その可能性を追求し続けていきます」とコメントしている。
■本検証のポイント
・欧州で課題となっている主要花粉アレルゲン6種を対象に、ナノイー(帯電微粒子水)技術の抑制効果を実証(これまでの検証結果と合わせ、欧州の主要花粉アレルゲンとして選定した12種で抑制効果を確認)。
・ナノイー(帯電微粒子水)を照射した花粉アレルゲンについて、イムノブロット法でIgE抗体検査を実施し、IgE抗体反応が減少することを確認。
・なお、本検証は後述の試験条件で試験機を用いて行なった結果であり、実使用空間での効果を保証するものではない。また、本検証は症状の原因となる花粉アレルゲンに対する効果を検証したものであり、花粉症やその他のアレルギー症状に対する効果を示すものではない。
試験概要について
■試験条件
<検証1>
・検証機関:パナソニックホールディングス株式会社プロダクト解析センター
・検証対象:ナガハグサ、カベイラクサ、西洋ハシバミ、モミジバスズカケノキ、ホソムギ、イトスギ
・検証装置:ナノイー(帯電微粒子水)発生装置を組み込んだ送風機
・検証方法:6畳空間(2.73×3.64×2.4m)においてガラスシャーレ(直径35mm)に花粉アレルゲン溶液1mLを滴下し、送風機器から1.5m、高さ1.2mに設置。ナノイー(帯電微粒子水)照射と自然減衰の2水準を24時間後に回収し、電気泳動法により花粉アレルゲンの変化を評価。

<検証2>
・検証機関: Anallergo社
・検証対象:カベイラクサ、オオアワガエリ、シラカンバ、ヨモギ ※対象花粉はロレンツォ・チェッキ博士の知見をもとに選定
・検証装置:ナノイー(帯電微粒子水)発生装置
・検証方法:45L ボックス空間において、ガラスシャーレ(直径90mm)にアレル物質溶液3mLを滴下し、ナノイー(帯電微粒子水)を10㎝の高さから照射
ナノイー(帯電微粒子水)照射と自然減衰の2水準を24時間後に回収し、回収したサンプルをイムノブロット法により抗体反応を評価。ナノイー(帯電微粒子水)照射後のサンプルと自然減衰サンプルの抗体反応量を測定。

■検証結果
<検証1>
ナノイー(帯電微粒子水)照射、非照射の自然減衰と比較するとバンド色強度の低下が見られた。この結果から、ナガハグサ、カベイラクサ、西洋ハシバミ、モミジバスズカケノキ、ホソムギ、イトスギの花粉アレルゲンのタンパク量が低減したことを確認。

※ 各花粉において。左:自然放置、右:ナノイー(帯電微粒子水)照射
<検証2>
ナノイー(帯電微粒子水)照射、非照射の自然減衰と比較するとバンド色強度の低下が見られた。この結果から、カベイラクサ、オオアワガエリ、シラカンバ、ヨモギのアレルギー反応の抑制を確認。

※ 各花粉において。左:自然放置、右:ナノイー(帯電微粒子水)照射
■ナノイー(帯電微粒子水)の発生原理
霧化電極をペルチェ素子で冷却し、空気中の水分を結露させて水をつくり、霧化電極と向き合う対向電極の間に高電圧を印加することで、OHラジカルを含んだ、約5~20nmの大きさのナノイー(帯電微粒子水)が発生する。

共同研究者コメント
ロレンツォ・チェッキ博士(欧州を代表するアレルギー学・臨床免疫学専門家)
近年、 欧州では気候変動や環境変化に伴い、花粉への曝露パターンが大きく変化しています。これまで特定の地域に限られていた花粉が広範囲で確認されるようになり、花粉シーズンの長期化も報告されています。
花粉アレルギーへの対策は、屋外での曝露を避けることに加え、室内環境に存在する花粉アレルゲンへの対応に関する研究が重要です。今回の検証は、欧州で課題となる主要花粉を対象に、ナノイー(帯電微粒子水)技術の作用を評価したものであり、IgE抗体反応検査ではアレルギー反応の抑制が確認されました。
今後、さらなる検証を通じて、花粉アレルゲンに対する本技術の生活空間での適用可能性について、より詳細な知見が得られることを期待しています。
関連情報
https://news.panasonic.com/jp/press/jn261014-2
構成/清水眞希




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