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見た目は同じでも中身は別モノ!第5世代「AirPods」の劇的に進化したノイキャン性能をレビュー

2026.10.18

 iPhone 18 Proシリーズと同時に発表された新製品が、第5世代になった「AirPods」だ。見た目が大きく変わっていないこともあり、やや地味に見えてしまうAirPodsだが、第4世代で対応したノイズキャンセリング機能に大きく磨きをかけているのがうたい文句。操作に関しては、このシリーズでははじめてステム(棒状に伸びたパーツ)に音量コントロールを搭載している。

 耳にギュッと押し込めるインイヤー型の「AirPods Pro」とは違い、軽いかけ心地でサッと使えるのがAirPodsの魅力だ。ただ、裏を返すと、耳と本体の間がスカスカなため、ノイズキャンセリングにはかなりの工夫が必要になってくる。第4世代でノーマル版もノイズキャンセリングに対応したものの、やはりその効きはProと比べると弱かった。では、第5世代はどうか。音質や操作性、機能などをトータルで評価した。

見た目はそのままに、機能を一新したAirPods 5。その実力をテストした

見た目はほぼ同じで装着感のよさは健在だが、相性もありそう

 2年ぶりに登場したAirPods 5だが、その見た目はほとんどAirPods 4から変わっていない。真っ白なボディで、バッテリーを兼ねたケースもほぼ同じ。背面に「AirPods」と刻印されている点が、わずかな差分になる。実際、スペック上の寸法も変わっておらず、デザインや装着感などといったベースの部分は同じだ。

本体、ケースともに見た目はAirPods 4からほぼ変わっていない

 AirPodsは、耳の穴に差し込むタイプのイヤホンだが、カナル型とは異なり、耳を樹脂などでできたパーツで密閉しないのが特徴。軽く耳に置くだけで装着でき、付け外しが簡単だ。好みは人によって分かれるところだが、筆者はこのインナーイヤー型を愛用している。

 特に、長時間使っていると、耳を密閉するカナル型との差が出やすい。耳にピタッとはまるぶん、やはり長い時間音楽を聞き続けたり、ビデオ会議が続いたりすると、どうしても痛みが出てくる。イヤーピースのサイズを小さくすると、今度は抜けやすくなってしまうため、カナル型のAirPods Proは1時間以内のビデオ会議の時だけに限定して使っている。

 対するインナーイヤー型のAirPodsは、より長時間の利用に向いた形状だ。耳がまったく痛くならないわけではないが、カナル型のイヤホンと比べると、それが少ない印象だ。すき間があるぶん、周囲の音を拾ってしまいやすいのが難点だが、長時間フライトなどで無理せず装着していたいというのであれば、AirPodsのようなインナーイヤー型を選ぶ。

耳に押し込むというよりも、耳の穴に引っ掛ける感じで、Proモデルと比べて圧迫感が少ない

 AirPods 5も、この軽い着け心地は変わっていない。ただし、カナル型とは異なり、イヤーピースでサイズを変更できない。筆者にはちょうどいいAirPods 5だが、より耳の穴が小さいと密閉されてしまい、耳が痛くなってしまう可能性がある。逆に緩すぎるという人もいるはず。その意味では、万人向けではない印象もある。また、体を激しく動かすと抜けやすいので、スポーツなどにも最適とは言えない。

抜群に効きがよくなったノイズキャンセリング、クセのない音質もいい

 形状は同じ、しかも内蔵しているチップも「H2」と変わっていないが、装着してまず驚くのは、そのノイズキャンセリングの効きのよさだ。リリースなどでは1.5倍とうたっているが、インナーイヤー型とは思えないほど、周りが静かになる。静音モードのエアコンなら、ほぼ聞こえないレベル。電車の走行音も、かなり抑えられて静かになる。

 電車に乗ったままノイズキャンセルを有効にして音楽をかけると、ほぼ周りの音は気にならないほどになる。もちろん、インナーイヤー型のため、AirPods Proと比べるとどうしても耳に入ってくる音はあるが、この形状であることを忘れさせるほどのノイズキャンセリング性能と言える。

ノイズキャンセリングと外音取り込みを切り替えられるほか、適用型オーディオにして自動で切り替えることも可能だ

 このノイズキャンセリングのために、4から買い替える価値はある。外音取り込みも優秀で、マイクから拾った音を、しっかりミックスして耳に届けてくれるため、装着したまま移動するような時にも安心だ。すき間から入ってくる音と、マイクで取り込んだ音がピタッと合っているため、違和感なく使うことができる。

 一点気になったのは、外で装着していた際に、高い異音が鳴ったこと。音量が大きく、やや耳が痛くなった。音が鳴ったのは渋谷の商業施設の前だったので、ネズミよけの高周波音を拾い、ノイズキャンセリング処理をする際に間違って増幅してしまったのかもしれない。

 音質はボーカルの音がしっかりと立った印象で、この形状としては低音もしっかり鳴っている印象だ。さすがに最高品質とまでは言わないが、無理なく聞けてクセがない。3万円を下回るスタンダードなBluetoothイヤホンとしては、十分なクオリティと言える。電車やタクシーなどで移動しながら音楽を聞くのには、ピッタリなイヤホンと言える。

ボーカルの音がしっかり立ちつつ、低音も聞き取れる。クセのないフラットな音作りをしているため、万人受けしそうだ

操作性アップ、ワイヤレス充電ケース付きがオススメ

 もう1つ大きいのが、ステム部分に搭載されたセンサーで、音量調整ができるようになったことだ。前世代の「AirPods 4」では、これができなかった。そのため、音量を調整する際にはiPhone本体を取り出したり、Apple Watchを操作したりする必要があった。AirPods単体でできるようになり、わずらわしさがなくなった印象だ。

ステム部分を上下にスワイプして音量を調整できるようになった

 ステム部分が短いため、やや慣れは必要になるが、意外とスワイプ操作をきちんと拾ってくれる。本体をカバンにしまったまま音楽を聞きたいときに、重宝する機能だ。操作性が向上したことで、旧世代のAirPodsから買い替えるのもありと言えるだろう。

 注意したいのが、この操作に対応しているのが「ワイヤレス充電ケース付きAirPods 5」のみということだ。一見すると、ケースがワイヤレス充電に対応しているか否かの違いしかないように思えるが、実は音量調整のスワイプ操作に対応しているかどうかの差もある。快適に使いたいのであれば、ワイヤレス充電ケース付きがオススメだ。

レビューしたのはワイヤレス充電ケース付き。Qi対応の充電だけでなく、音量調整やバッテリー駆動時間にも差がある点には注意したい

 その方が充電も簡単にでき、しかもアクティブノイズキャンセリングを有効にした場合のバッテリーの持ちも1時間よくなる。4000円の価格差にしては、意外と機能に違いがあるため、モデル選びには気をつけたい。ただし、ノイズキャンセリングの効果など、バッテリー以外の基本性能は共通している。

 Apple Intelligenceと連携した機能には、ライブ翻訳がある。これは、イヤホンを装着したまま、相手の声が設定した言語に翻訳されるという機能。オンデバイスAIを使っており、翻訳が速く、自然に聞こえるのが特徴だ。この機能も、AirPods 4は非対応。Proモデルから導入された機能になる。

 一見、前世代から変わっていないように見えるAirPods 5だが、それは見た目だけ。中身や機能はフルモデルチェンジしたと言っても過言ではない。4からの買い替えもオススメできる性能の向上で、しかもノイズキャンセリング対応モデル同士の比較だと、ワイヤレス充電ケース付きでも2000円、価格は下がっている。値下げにより、今まで以上に手に取りやすくなった点は高く評価できる。

文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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