国内のゲーム人口は5475万人(2024年、『CESA』調べ)と世代を超えた多くの人の余暇として定着しているが、一方でゲームプレーに関する体の負担については、あまり注目されていない。
ゲーム中も使える高周波治療器『コリコランループ』を発売したパナソニックは、全国の18歳から59歳に対するスクリーニング調査と週1回以上ゲームをする1000名に『肩こりとゲームに関する実態調査』を実施して結果を公開した。
スクリーニング調査では、週1回以上ゲームをする層に肩こりの自覚を質問すると、66.1%が「いつも感じている」か「時々感じている」と回答しており、約3人にふたりは肩こりを抱えながらゲームをプレーしていることがわかった。さらにこの層を「肩こりゲーマー」として、その実態について紹介している。
肩こりを感じてゲームをすぐにやめる人は17.4%
肩こりを「いつも感じている」もしくは「時々感じている」と回答した「肩こりゲーマー」の631名を対象に調査すると、「肩こりゲーマー」の78.9%は「プレー中に肩こりを感じ始める」と回答しており、肩こりを感じた後にどのくらいゲームをプレーし続けるかについては、「肩こりを感じたらすぐやめる」は17.4%だった。感じてから続けるプレー時間は平均49分で、27.7%は1時間以上プレーを継続していた。
約8割が肩こりによるゲームの中断・短縮を経験
「肩こりゲーマー」の休日のプレー時間の平均は2時間26分で平日は1時間35分だった。「ゲームを始めてからどれぐらいまでは、肩こりを気にせずゲームを快適に楽しめていますか」という質問では、49.1%が1時間未満で快適さが失われると感じていた。休日のプレー時間の平均が2時間26 分なので、遊んでいる時間の多くを肩こりのままプレーしていることになる。「肩こりゲーマー」の60.7%が「肩こりさえなければ、もっとゲームに集中できるのに」と答えており、80.5%は肩こりが理由でゲームを中断・短縮した経験があった。
約6割超が「体の不調で子どもの頃よりゲームに集中できる時間が減った」と回答
「肩こりゲーマー」に体の不調で子どもの頃よりゲームに集中できる時間が減ったと感じるか質問すると、62.3%が「感じる」と答えた。PCでゲームをする層(229名)では76.4%とさらに高い数字になった。肩こりは、ゲーマーにとって「好きなものと向き合える時間」に関わる問題とも言えそうだ。
64.5%がゲームに熱中している間は肩こりに気づきにくい
「肩こりゲーマー」にゲームに熱中している間の肩こりについて質問すると、「熱中している間は気づきにくい」と回答した人は64.5%(「ゲーム後に感じることが多い」26.0%、「しばらくプレーすると感じ始める」38.5%)だった。84.6%は「プレー中、自分でも気づかないうちに首を回す・肩をもむ・背伸びをするなどの動きをする」などの行動をしており、35.2%は「ゲームをするたびに近い頻度」でその動きをしていた。それに対して肩こりの自覚がないゲーマーは、70.0%が「ゲーム中に人に見られる機会がない(ひとりでプレーしている)」と回答しており、姿勢の崩れや体の変化を指摘してくれる相手がいない環境だった。肩こりのサインは、本人の自覚よりも先に体の動きに出ているようだ。
PCゲーマーは我慢が長く、スマホゲーマーは快適な時間が短い
使用しているゲーム機器別でもそれぞれに特徴があるようだ。PCでゲームをする層(229名)は、休日のプレー時間が3時間22分で、肩こりを感じてもすぐにはやめない人が93.9%もいた。肩こりを感じてから続けるプレー時間も平均69分で我慢しながら続ける傾向が強かった。スマートフォンのみでゲームをする層(210名)は、休日のプレー時間が1時間36分で、「快適に楽しめるのは1時間未満」が62.4%と快適に過ごせる時間が短かった。長く我慢するPCゲーマーと短時間で快適さを失うスマホゲーマーという、それぞれの困り方は違ったが、どちらも肩こりがゲーム体験の制約になっていた。
「肩こりゲーマー」の58.8%は肩こり対策せず
「肩こりゲーマー」の肩こり対策・ケアでは、「している」と回答した人は約4割で58.8%がケアをしていなかった。ケアをしていない・過去にやめた人の理由では、1位は「治し方がわからないから」(41.8%)だった。もっとも我慢の長かったPCゲーマーでは、ケア実施率が54.6%と全体を上回る結果になったが、ケア経験のある154名に絞ると約9割が「手軽にできるものは、続かない・効果を感じない」と回答した。ケアをしていない人は「方法がわからない」、ケアをしている人は「続かない」という、対策をしない理由はそれぞれのようだ。
ゲーマーの肩こりについて、元eスポーツプレーヤーだったというパーソナルトレーナー/姿勢改善・ボディメイク専門家の鈴木大也さんは次のようにコメントしている。
「ゲームに熱中していると長時間同じ姿勢が続き、画面に集中するほど前かがみになり、肩も内側へ入りやすくなります。特にPCでは、キーボードやマウスを操作するために腕を前へ出した姿勢が続くため、首や肩まわりの筋肉が緊張し、血流が滞って肩こりにつながります。
熱中している間は、注意の多くが画面や操作へ向くため、肩の重さや違和感への気づきが遅れます。今回の調査で64.5%の方が「熱中している間は気づきにくい」と回答する一方、84.6%が無意識に首を回したり肩をもんだりしていたことは、本人が肩こりと認識する前に体が反応しているサインといえます。
こうしたサインを見過ごし、負担のかかる姿勢を繰り返すと、プレー後も筋肉の緊張が残り、肩こりが長引くことがあります。違和感が強くなれば、肩が気になって集中が途切れ、快適に楽しめる時間そのものが短くなることもあります。大切なのは前かがみを一律に避けることではなく、負担をため込まないこと。一試合が終わったときやロード時間に、肩を回す、立ち上がるといった小さなケアを習慣にしていただきたいと思います。ただ、ゲームを中断しなければできないケアは、熱中するほど後回しになりがちです。ゲームを楽しみながらも、無理なく続けられるケアを取り入れることも大切だと思います」
ゲームに熱中すると、どうしても画面の情報や操作に集中するために肩の重さや違和感への気づきが遅れてしまう。それが肩こりを自覚するよりも先に体の動きとして現れることもあるようだ。肩こりのストレスでゲームに集中できなかったり、プレーを中断することもあるので、負担を放置せずに早い段階からケアすることが大切だ。
『肩こりとゲームに関する実態調査』概要
・スクリーニング調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年7月31日~2026年8月3日
調査地域:全国
調査対象:18歳~59歳の男女
有効回答:4388名
・本調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年7月31日2026年8月3日
調査地域:全国
調査対象:18歳~59歳の現役ゲーマー(週1回以上ゲームをする男女)
有効回答:1000 名
・内訳:肩こり自覚あり層800名(18歳~29歳/30代/40代/50代の各200名)、肩こり自覚なし層200名
主な分析対象:肩こりを「いつも感じている」「時々感じている」と回答した631名
・算出方法
肩こり自覚率(66.1%)は、スクリーニング回答者4388名を母集団構成にあわせてウェイトバック集計した上で週1回以上ゲームをする層(n=1890)を対象に算出。以降の設問は631名(および各図表に記載の該当者)の単純集計。構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合および内訳の合計が表示値と一致しない場合がある。
※出典:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会『CESA ゲーム産業レポート2025』
構成/KUMU




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