「ジェネリックAirTag」は、しばしば注目される。
AppleのAirTag、普通名詞を使えばスマートタグだが、これは今や我々の生活に欠かせないガジェットとなった。電池残量が続く限り、トラッカーは常に現在地を発信し続ける。この仕組みはたとえば、旅行の際のキャリーバッグや自動車、バイク、財布などに装着して紛失・盗難防止に活用することができる。後述するが、利用者のAirTagをロストバゲージの回収に活用しようという航空会社の取り組みも活発になっている。
筆者は愛車にAirTagを忍ばせているが、正直このAirTagをもっと欲している。2、3個では足りない。が、筆者は静岡市在住の貧乏人であるため、可処分所得に限界がある。
そこで頼りになるのが、より安価なジェネリックAirTagだ。
大事な愛車を守るため
「筆者は貧乏人」と書いてしまったが、それでも現時点で自動車1台、バイク2台を所有している。
特に自動車は、今でも高い人気を誇るダイハツ・初代コペン。37万円で購入し、さらに40万円ほどかけて少しずつ修理したのだが、そうなると怖いのは盗難。仮に夜中に誰かが筆者のコペンを盗んでいったとしても、車内のどこかに忍ばせたスマートタグが発信し続けてくれるのなら、筆者はそれを警察に持っていくことができる。
というわけで、今回購入したのはエレコムの『amine』シリーズの一つ、『LGT-ELBETG2BKA』。型番で呼ぶのはさすがに長くて無機質なので、ここは『amine』と呼ぶことにしたい。なお、この製品のメーカーは厳密にはロジテックINAソリューションズ株式会社だが、同社はエレコムの100%子会社であり、プレスリリースはエレコム名義で配信しているので、記事では同製品のメーカーはエレコムとする。
この『amine』はiOS用で、「探す」ネットワークに適合する。ボタン電池で稼働し、電池切れの時はドライバーを使って蓋を開け、交換する。あとはある一つの点を除き、一般的なスマートタグと全く同じ機能の製品である。
ただ、この『amine』はとにかく軽い。重量は僅か5.8g。仮に財布の中に入れたとしても、重みではその存在に気づかないだろう。それくらい軽い!
箱出し状態からすぐに使えるが…
AirTagは、それ自体にストラップはついていない。紐を通す穴すらない。このあたり、AirTagの欠点とも言える。
が、『amine』には当初からストラップがついている。これを利用し、キーホルダーのように活用する手も考えられる。バッグにも簡単に装着できるはずだ。
『amine』は箱出し状態から、電池収納部につながるフィルムを抜くだけですぐさま利用することができる。BluetoothでiPhone と接続し、Apple純正の「探す」アプリでタグを追加登録。あとは『amine』を大事なものに装着するだけ……なのだが、ここで筆者は気になる点を見つけてしまう。
どうも、箱出し直後では電池残量が少ない……。
このあたりは個体差があるものと思われるが、少なくとも筆者の『amine』はそろそろ交換時期。そして、この『amine』はドライバーがないと蓋を開けられないようになっている。ちょっと面倒くさいな……。
もっとも、この製品の税込1,782円という価格はそんな小さな欠点を払拭する。貧乏のくせに道楽に可処分所得を費やしている筆者でも、まとまった数の『amine』を揃えられそうだ。
悪用を阻止する物理ボタン
『amine』は「ある一つの点を除き、一般的なスマートタグと全く同じ機能の製品」と先述した。
それは2025年11月11日に閣議決定され、12月30日に施行された改正ストーカー規制法が関係する。「紛失防止タグを用いた位置情報の無承諾取得等」が規制されるようになったのだ。
エレコムはそれを見越していたようで、同社のスマートタグには全て電源ボタンが搭載されている。
万が一、身に覚えのない当社グループ製の紛失防止タグ(スマートタグ)が見つかった場合、下記の「紛失防止タグ(スマートタグ)の電源の切り方」を参考に電源をお切りいただき、最寄りの警察署へご相談ください。電源を切ることによって、紛失防止タグ(スマートタグ)の機能がすべて停止し、追跡される心配がなくなります。
(当社グループ製の紛失防止タグ(スマートタグ)における悪用防止策に関して エレコム株式会社 PR TIMES)
要は、機能を停止できるボタンが装着されているということだ。こうした設計は、地味ではあるが極めて大きな意義を持つ部分ではないか。
ロストバゲージは「過去の出来事」に
ここで、話をAppleの「探す」機能全体に向けよう。
2024年から、世界の航空会社はAppleと連携してロストバゲージを防止・回収するサービスの充実を計画するようになった。AirTag(サードパーティーのジェネリックAirTagも含む)の位置情報を航空会社と共有することにより、極力迅速に荷物を発見しようという仕組みだ。
今年1月に発表された第2世代AirTagのプレスリリースには、こう書かれている。
新しいAirTagは「持ち物の位置情報を共有」とスムーズに連係します。この機能は、位置情報を航空会社などの信頼できる他社と一時的かつ安全に共有することで、ユーザーが置き忘れた持ち物を取り戻せるようお手伝いするためのiOSの機能です。
(中略)
「持ち物の位置情報を共有」により、ユーザーは置き忘れた持ち物の位置情報を、提携している航空会社のカスタマーサービスチームと共有できます。航空会社向けの主要ITプロバイダであるSITAによると、「持ち物の位置情報を共有」を利用することで、手荷物の遅延が26パーセント減少し、「完全な紛失」や回収できない荷物の発生件数が90パーセント減少したという航空会社の報告があります。
(Apple、通信範囲が広がり、見つけやすさが向上した新しいAirTagを発表 Apple)
Appleのこの主張を全面的に肯定した場合、回収不可能のロストバゲージを9割も減らせるという意味につながる。
かつて、航空会社には「ダブルブッキング」という問題があった。これは、旅客機の座席数以上の乗客を集めてしまう現象で、予約受付事務を紙とペンで行っていた時代はどうしても避けられなかった。乗客は旅客機に乗れない事態を回避するため、出発の3日前までに「リコンファーム」という電話での確認をしなければならなかった。が、システムのIT化によりダブルブッキング自体が稀な現象になった。
それと同じことは、ロストバゲージにも起こり得ないだろうか。
誰しもがスマートタグを所持することにより、ロストバゲージが「過去の出来事」になっていく。そうした光景は、どんなに長くともあと数年で訪れるだろう。
参考
LGT-ELBETG2BKA エレコム
当社グループ製の紛失防止タグ(スマートタグ)における悪用防止策に関して エレコム株式会社 PR TIMES
Apple、通信範囲が広がり、見つけやすさが向上した新しいAirTagを発表 Apple
文/澤田真一
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