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不用品の買取がスタート!ファミマの全国約1万6000店舗が「ブックオフ」の窓口になった理由

2026.10.21

家庭から手放される衣類のうち、リユースやリサイクルに回るのは約38%にとどまる。1年に1回も着ていない服は、1人あたり約24枚ある(※)。

着なくなった服は家にたまるが、忙しい日々を過ごす中、リユースショップへ持ち込む機会はなかなか作れない。

2026年、不用品の受け皿がコンビニエンスストアにできた。ファミリーマートはブックオフと組み、8月25日に全国約16,000店で、ブックオフの宅配買取に出す品物の発送受付を始めた。 今年4月13日には、すでに東京の約30店に、値を付けずに引き取る回収ボックスも置いている。

買取をなぜ最初から全国で始められたのか、回収ボックスの実証で何が確かめられたのかを、ファミリーマートとブックオフグループホールディングス双方に聞いた。

初日から、全国約16,000店で買取開始

「ファミマでかんたん!ブックオフ買取」を受け付けるのは、マルチコピー機のある全国約16,000店である。ファミリーマートの発表によると、利用者はブックオフのサイトから申し込み、品物を箱に詰めて店へ持ち込む。マルチコピー機で申込券を発行し、レジで伝票を受け取って荷物を預ける。荷物はヤマト運輸の宅配便で運ばれ、発送から1~2週間程度で買取金額が指定の口座に入る。

対象は本やCD、ゲーム、衣類、バッグ、ブランド品、家電、スマートフォンなど幅広い。ブックオフの発表によると、初回に必要な本人確認はスマートフォンで完結する。

全国一斉での買取開始が実現できた理由を、ファミリーマートはこう説明する。

「店舗に専用ボックスを新設するのではなく、すでに全国16,000店舗に導入されているマルチコピー機を使ったヤマト運輸の宅配サービスを、そのまま活用できたためです。店頭の手順も既存の発送荷物の受付とまったく同じで、スタッフに新たなオペレーションや負担が発生しません」

また加盟店の利点として、来店動機の創出とついで買いが見込めるとのことだ。

変わったのは届く品物ではなく、利用する人

以前から宅配買取を手がけるブックオフは、受付開始から1か月がたった時点の品物と利用者の傾向を、こう振り返る。

「現時点では、お送りいただく品物の構成は従来の宅配買取と大きく変わっていません。初めてブックオフの宅配買取を使われた方が多くいらっしゃいます。日常的に立ち寄るコンビニがリユースの入口になることで、これまでブックオフとの接点がなかった方にもご利用いただける機会が広がっていると考えています」

荷物を受け取るブックオフの側には、準備が必要だった。全国から集まる品物に対応するため、既存の仕組みをもとに体制とシステムを整えたという。

開始直後は想定を上回る申し込みがあり、利用者を待たせない運用に取り組んだとブックオフは説明する。査定や本人確認、問い合わせの対応は従来どおりブックオフが担い、ファミリーマートは発送受付のみを行う。

回収量が多かったのは、売上の高い店ではなく住宅街の店

回収ボックス「R-LOOP(アールループ)」の実証は、ファミリーマートとブックオフが共同で進めている。世田谷区と杉並区を中心とした、住宅街に近い30店で始まった。ファミリーマートの発表によると、入れられるのは衣料品全般、ファッション雑貨、生活雑貨、おもちゃやぬいぐるみ、スポーツ用品などである。下着や著しく汚れた衣類、電源コード付きの家電、刃物などは受け付けない。

集まった品物のうちリユースできるものは、ブックオフが海外で展開するリユースショップ「Jalan Jalan Japan」へ送られ、マレーシアやカザフスタンなどで販売される。リユースが難しい衣類は、国内のパートナー企業を通じて繊維として再資源化され、ウエスと呼ばれる工業用の布やフェルトになる。手放す人に対価はなく、リユースした量に応じて1kgあたり1円が、環境保護や社会課題に取り組むNPO法人などへ寄付される。

ファミリーマートによると、実証開始から3か月で4.5トン以上を回収した。回収量は店によって違い、その理由を同社はこう整理する。

「店舗の売上や客数よりも、住宅街に位置し、ファミリー層やシニア層が利用するといった立地や客層のほうが、回収量に大きく影響することがわかりました。想定外だったのは使われ方です。当初は衣類中心を想定していましたが、回収が多い店舗ほどおもちゃや生活雑貨の割合が高くなっています」

衣類が中心である点は変わらないが、ファミリーマートはこの結果を、コンビニが地域の多様な不用品の回収に使われている傾向が確認できたものとしている。

買取店には持ち込まれない服を、ブックオフが無料で集める理由

回収量の多い店で雑貨が増える傾向はブックオフも見ているが、全体では衣類が中心で、9月16日時点で回収品の約7割を占めるという。その衣類の中身から見えた利用者の姿を、ブックオフはこう読み解く。

「子ども服や女性用衣類、シニア向け衣類など、家族それぞれの日常着が幅広く集まっています。子どもの成長やライフステージの変化をきっかけに使わなくなった、まだ着られる衣類を手放したいご家庭に多く利用いただいていると考えています」

買取を手がけるブックオフは、回収ボックスに関わる理由をこう答えた。

「生活者の中には、売るための準備や手続きにかかる時間や手間が面倒だと感じる方や、売るほどではないが捨てるのはもったいないと感じる方もいらっしゃいます。R-LOOPは、買取では対応しきれないこうしたニーズに応える取り組みです」

ブックオフが掲げるのは、多様な手放し方を用意することで、より多くのモノが循環する「すてない社会」の実現だ。設置拠点を広げ、ブックオフの店舗が近くにない人にも、捨てずに手放す選択肢を届けたいという。

同じ服でも寄付にするか現金にするかは手放す人が決める

回収ボックスと買取、2つの手放し方をどう分けるのかを、ファミリーマートはこう答えた。

「回収ボックスは事前の手続きや梱包が不要で、箱に入れるだけという手軽さが特徴です。値段がつきにくい日常着やおもちゃなどを、寄付という社会貢献の目的で手放したい場合の利用を想定しています。一方、買取サービスはWEB申込や梱包が必要ですが、本や家電、ブランド品などを手軽に売却できます。寄付として貢献したいか、資産として現金化したいかで使い分けていただく想定です」

回収ボックスについて、ファミリーマートは実証で得た知見をもとに、既存店での回収量の増加と実施店の順次拡大を目指すという。将来的には全国展開と、年間約4,000トンの衣料品廃棄削減を目標に置き、「すてない社会」の実現に貢献するとしている。

コンビニと連携した宅配買取の今後を、ブックオフはこう語った。

「今後は売るためにお店へ行くサービスから、生活の中で自然に利用できるサービスへ広がっていくと考えています。コンビニという身近な接点が加わることで、買取サービスを含めたリユースの裾野がさらに広がっていくと見ています」

全国一斉の展開を可能にしたのは既存の設備と手順で、回収量を左右したのは売上や客数ではなく立地と客層だった。買取には初めての利用者が目立ち、回収ボックスには家族の日常着が集まった。両社が同じ言葉で語る「すてない社会」に向けて、不用品を手放す場所は、リユースショップから日常的に立ち寄る店へも広がった。

※ 環境省『サステナブルファッション』(リユース・リサイクルの割合は2024年時点)より

画像提供/株式会社ファミリーマート、ブックオフグループホールディングス株式会社

取材・文/宮﨑駿

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