2027年1月から、0歳~17歳を対象とした非課税の資産形成制度「こどもNISA」が始まる。この制度開始に先駆けて、金融各社では2026年10月1日から口座開設申し込みをスタート。PayPay証券も同様で、9月26日には「親子ではじめるこどもNISAワークショップ」を開催した。
ワークショップには15組34名が参加。投資の基本を学ぶ講座や「PayPayポイント運用」を使った疑似運用体験などを行なった。親子で投資について学び、話し、体験することで、「お金の使い方について親子でじっくり話したり、考える機会になった」と好評。「こどもNISA」に関して、「お金・投資を学ぶ機会」として期待しているという声も多かった。
2027年1月から「こどもNISA」がスタート
そもそも「こどもNISA」では、対象となる投資信託等を年間60万円、総額600万円まで非課税で運用できる。こどもが12歳以降になれば一定の事由で引き出しが可能。18歳以降は現行のNISAのつみたて投資枠に自動的に移行するため、こどもの教育資金や将来の資産づくりに活用できる。
そんな「こどもNISA」の投資のメリットについて、ファイナンシャルプランナーの高山一恵氏が解説。現金の価値や投資信託がどのような商品なのかを、わかりやすく説明した。
講座の中では、「貯金箱に入れた1000円が1年後にいくらになっている?」という質問が興味深かった。回答は「2000円に増えている」「1000円のまま」「減っちゃう」の3択で、「1000円のまま」に挙手するこどもが多かっただけに、「減っちゃう」という回答を聞いて、多くのこどもたちが「えー」という驚きの反応を示していた。
物価高のインフレ時代では、貯金で得られる金利よりも物価上昇率の方が上回る。現在の物価上昇率は約2%。今は100円で買えるモノも、1年後には102円になってしまう。このように現金の価値が低くなってしまうことから、お金を「貯める」に加えて、お金自身に働いてもらう「投資」が大切ということを解説していた。
ワークショップに参加した小学5年生の男の子に話を聞いたところ、「お小遣いやお年玉を将来のために運用してみたい」と、投資に前向きな発言が得られた。PayPay証券では、12歳になればこども自身がスマホで「こどもNISA」に申し込めることから(親のアプリで同意が必要)、母親の方も「自分で運用することで、お金を稼ぐということやお金の価値を知ってもらう良い手段になると思う」と、金融教育としても「こどもNISA」に期待している様子がうかがえた。
PayPayのこどもへの取り組み
「PayPay」アプリの10代利用者は増加傾向にあり、お小遣いの送金など、日常的な決済手段として活用されているそう。そのため、PayPayでは10代の利用者増加に伴って、若年層向けの金融教育と投資体験の提供を強化。その1つが、12歳~17歳をターゲットとした、親の証券口座保有を必須とせずに、「こどもNISA」を申し込めること。100円から投資を始められたり、PayPayポイントで投資できることも、投資にチャレンジするハードルを引き下げている。
「PayPay銀行では12歳以上であれば本人による口座開設が可能です。投資についても全部一人でというのは無理だと思うので、親御さんが承認するというプロセスを通して、安全性を担保しながら、お子様自身で投資の第一歩を踏み出せる環境を作っていきたいと考えています」と、PayPay証券 執行役員の佐藤康介氏。
「PayPay」アプリの使い勝手の良さと100円から投資可能という手軽さを強みに、ポイントでも運用できるという提案などを通じて、「こどもNISA」の口座獲得を推進するのが狙いだ。
12歳から14歳の取引については、親による都度の承認プロセスが必要になる。一方、15歳以上については、本人の判断能力を考慮して、親の承認プロセスを不要とすることを決定したという。なお、子どもNISA口座は投資信託のみが対象であり、18歳以降は一般NISAに自動的に移行される。
なお、2023年末で新規の買付が終了した「ジュニアNISA」との大きな違いは、「ジュニアNISA」では非課税保有期間が最長5年なのに対して、「こどもNISA」では無制限であること。また、引き出しについても、「ジュニアNISA」は18歳になるまで引き出し不可だが、「こどもNISA」では一定の要件はあるものの12歳以降であれば引き出しが可能だ。
実際に「こどもNISA」が始まるのはまだ2~3か月先のことだが、すでに口座開設の申し込みは始まっている。「こどもNISA」を始めるのかどうか。始める場合は毎月いくらくらいを、どのように運用するのかなど、親子で話し合いながら決めてほしい。
文/綿谷禎子
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