ラーメン店のスープを活用したスパイス香るカレー、その名も「ラーカレ」が、全国の店主たちの心をザワつかせている。日本人が愛してやまない「ラーメン」と「カレー」は二大国民食。これはその2つが手を取り合った、新しい食のムーブメントなのである。
その定義は、丹精込めて炊き上げた極上のスープだしに本格スパイスを融合させた〝ラーメン店が本気で作るカレー〟。白湯、とんこつ、魚介など、スープの個性がそのまま活きるため、2つとして同じ味のない唯一無二の一皿が生まれる。
仕掛けたのは、ラーメンデータバンクなど、長年ラーメン業界に身を置いてきたハウスギャバンの田中隆暁さん。原材料費の高騰や競争激化に悩むラーメン店の現状に心を痛め、「売り上げを底上げする別軸のサイドメニューが必要」と立ち上がった。
とはいえ、忙しいラーメン店主がイチからカレーを作るのは至難の業だ。その背中を押したのが、ハウス食品グループの技術力であった。
「スープに溶かすだけでカレーになるものはできないか」と開発部門に相談したところ、完成度の高い試作品がすぐにできあがり、〝ラーメン店のためのカレー製品〟が完成。「その技術力には本当に驚きました(笑)」と田中さん。さらにグルメアプリ「SARAH」と連携した集客支援システムも整えた。
賛同する『麺屋宗 高田馬場本店』の創業者・柳宗紀さんは、「無駄になるスープだしを利用できる点もいい」という。使い切れなかったスープだしは、これまで産業廃棄物として処分するしかなかった。だが「ラーカレ」ならカレーへ転用できる。フードロス削減などSDGsの観点でも理にかなっているという。
本格始動からの反響は大きく、実施決定は27社、前向きな検討も136社にのぼり全国拡大中。ご当地ラーメンとの掛け合わせなど、アイデアは無限大だ。「そば屋のカレー」ならぬ「ラーメン屋のカレー」が、新たな定番文化になる日は近い!?
私が試食しました !

グルメライター 岡本ジュン
レストランから怪しい酒場まで、食にまつわる文化を幅広く取材・執筆。原動力は、作るのも食べるのも好きなスパイス料理とカレー。
カレーのプロと手を組んだ本格派
麺屋宗 高田馬場本店

『スパイス香る鶏油ラーカレ』1200円+味玉180円
塩だれ×鶏白湯×ココナッツミルクのカレー。クミン香る、低温調理の鶏肉も存在感が抜群。カレーのプロがスパイス設計を手がけたとあって、スリランカ定番のポルサンボルやニラペーストを混ぜて味の変化が楽しめる。

【スープ】鶏白湯
鶏ガラを8時間ほど煮込んだ濃厚な2番だし。手羽や鶏の首ガラなど異なる部位を加えることで複雑さとコクを増し、まろやかな味に。
DATA
[住]東京都新宿区高田馬場1-4-21 サンパークマンション高田馬場B102 [電]03・5876・7640 [営]11:00〜15:00(L.O.14:45)、17:00〜21:00(L.O.20:45) [休]無
〈岡本’s Review〉スパイス香るカレーに個性豊かなトッピングを混ぜながら食べると、どんどん表情が変わる。スパイスカレー好きにぜひ♪
こってり!?と思いきや意外にペロリ
恵比寿 らぁ麺屋 つなぎ(繋)

『肉塊悪魔ラーカレ』1200円
スパイシーな濃厚スープは自慢の角切りチャーシュー入り。存在感のある背脂とアボカドが背徳感をあおるラーメン店らしい一皿。ニンニクチップと甘酢生姜が最高の合いの手だ。

【スープ】豚&魚介
動物系と植物系素材のバランスが絶妙。鶏・豚・魚介・昆布・野菜の旨味が凝縮されたぜい沢で濃厚な旨味だし。
DATA
[住]東京都渋谷区恵比寿1-4-1 アーバンハウス1F [電]03・6450・2776 [営]7:00〜10:00、11:00〜23:00 [休]不定休
〈岡本’s Review〉背脂とアボカドの未体験の組み合わせが発見! 甘酢生姜が口中をリセットして無限にループできそう。
鶏にこだわる店が目指したチキンカレー
中華そば 葵本店

『極みチキンラーカレ』900円
鶏にこだわるこちらは「チキン一択」を掲げ、スペシャルなチキンカレーを目指す。ラーメンのタレ、フルーツソースやニンニクパウダーを加え、ここだけの味わいに昇華させている。

【スープ】鶏白湯
贅沢に名古屋コーチンの丸鶏を使ったこだわりの鶏白湯。豊かな旨味の中にもほんのりと丸い甘味がある。
DATA
[住]埼玉県川口市芝新町2-19 [電]048・458・0481 [営]11:00〜15:00、18:00〜22:00(日曜〜21:00) [休]無
〈岡本’s Review〉ほんのり甘い極上鶏白湯と、ギャバンの鮮烈なスパイスが見事にマッチ。濃厚半熟卵を崩して混ぜてもうまい。
取材・文/岡本ジュン 撮影/松永直子 編集/原口りう子
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2026年8月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。




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