今、話題のスズキの軽電気自動車、e SKYがいよいよ11月6日に発売される。ここでは10月6日に行われたスズキe SKYの発表会の会場から、その詳細をお伝えしたい。
スズキの軽電気自動車e SKYいよいよ発進!!
e SKYの原点となるのは2023年、2025年のJMS(ジャパンモビリティショー)でお披露目された参考出品車、eWX、そしてVision e SKYである。今では軽規格の電気自動車も登場しているが、そこはスズキ。EV(電気自動車)である前に軽自動車である・・・という理念のもと、Easy to SwitchをテーマにチームSUZUKIが総力をあげて開発したのがe SKY。軽自動車からの乗り換えを念頭に置き、「ちょうど良さ」と、「少ない電気でたくさん走れる」を実現している。
EVパワートレインは新開発のモーター、インバーター、ギヤ(減速機)を3 in 1とするeAxle。駆動用バッテリーは総電力量26kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー。プラットフォームもまた新開発のEV専用となるHEARTECT-e。駆動方式は2WDのみとなる。
エクステリアデザインはアイコニックなヘッドライトや往年のスズキライトを彷彿させるゆるい孤を描くショルダーライン、ボディ同色のクォーターガーニッシュなどが特徴だ。
インテリアはガソリン車の軽自動車から乗り換えても違和感のない安心感とリサイクル樹脂を使ったインパネトレー、そして10.1インチのディスプレイオーディオ(センターディスプレイ)、4.2インチの液晶メーターで勝負する。いわゆるハイトワゴン的パッケージであり、軽自動車メーカーの知見を生かした十分な余裕が前後席ともにある。
電子パーキングブレーキ、オートブレーキホールド機能は全グレードに備わり、Xにはイージードライブペダル(ワンペダル機能)も備わる。
肝心の一充電走行距離は310km(WLTCモード)。交流電力量消費率=電費は軽EVトップレベルの97Wh/kmとなる。満充電までの時間は自宅でも行える普通充電3Kwで満充電まで約8時間、6Kwで約4.5時間。50Kwの急速充電では約25分とされている。開発当初は230kmの一充電走行距離が設定されていたものの、「日常使いで200kmは走らせたい」「軽自動車ユーザーの1日20~30kmとされる走行距離で1週間は充電せずに済ませたい」という目標から、1アイテム1kmの走行距離延長を、100アイテムまで攻めた結果、80kmの延長となる一充電走行距離310kmを地道な努力で実現したというわけだ。
グレードは受注生産のA(装備簡略、急速充電ポートなし)、中間グレードのG、上級グレードのXがあり、Xには電動車ならではのAC100V/1500Wコンセント、14インチアルミホイール、高速走行で威力を発揮するアダプティブクルーズコントロール、車線維持支援機能を装備。全方位モニター付き10.1インチディスプレイオーディオ、全方位モニター用カメラ、スズキコネクト対応通信機、SOSボタンなどはXとGの全方位モニター付ディスプレイオーディオ+スズキコネクト対応通信機装着車に装備されている。
価格も頑張っている。軽自動車ユーザーの乗り換えで主力となりうるGが239万円。最上級グレードのXが279万円(受注生産のAは212万円)。国からの補助金は今のところ56万8000円で、Gであれば200万円を切る182万2000円が実質車両本体価格となり(コネクティッドナビを付けると200万円ちょっと)、Xでも222万2000円の実質車両本体価格となる。両側スライドドアを持つスーパーハイト系ワゴンながら、同等の最高出力(e SKY47kW=スペーシアのターボモデル64ps)のスペーシアカスタムのHYBRID XS TURBOの2WDが207.35万円だから、補助金だよりではあるものの、軽自動車ユーザーが乗り換えやすい価格が実現されていると言っていいだろう(補助金を利用すると4年間の保有義務あり)。
最後に、電気自動車導入のハードルとなる3つの要素を考えてみると、(1)の価格は上記のようにクリア。(2)が充電時間だが、これも6kWの普通充電で約4.5時間。50kWの急速充電で約25分と大きなハードルにはならないだろう(ガソリンを入れるよりは時間がかかるが)。そして(3)が、ガソリン車の燃費に相当する電費と一充電走行距離になるのだが、電費は国産電気自動車トップレベルの97h/Kw。一充電走行距離はWLTCモードで310km、エアコンなどを使った実航続距距離で200kmは上回るだろうから、一般的な軽自動車ユーザーなら一週間に一度の充電機会にもなったりするから心配なしだ。
軽自動車、軽電気自動車でも高速走行の機会が多い、というならアダプティブクルーズコントロールなどが備わるXグレードを推奨するが、街乗りメインというなら中間グレードのGで十分。それの全方位モニター付ディスプレイオーディオ+スズキコネクト対応通信機装着車でも国からの補助金を利用すれば200万円ちょっとの実質購入価格になるのだから、繰り返すが、かなり頑張った価格設定と言えるのではないだろうか。なお、すでにスズキのすべてのディーラーに普通充電器が設置されているのだが、急速充電器は2026年年内に250拠点の展開を目標とし、2030年には全拠点の半分に急速充電器が設置されるというから、スズキディーラーだけのインフラについても頼りになりそうだ。
もちろん、自宅での普通充電ができれば使い勝手、充電コストとともにベターではあるのだが。加えて、スズキコネクトに加入すると使える「つながるナビ」を装備すれば、リアルタイム交通情報によるルート案内、スマートフォンでの目的地設定はもちろん、目的地までの充電サポート(到着時のバッテリー残量を予測してルート沿いの充電スポットを提案)、航続可能範囲表示(バッテリー残量に応じた航続可能な範囲を地図で表示し、エアコン使用の有無の表示もしてくれる)、バッテリー残量低下案内、駐車場と充電スタンドの満空情報の把握まで行えるのだから心強い。
一般的な軽自動車から初めて電気自動車に乗り換えた人でも、これなら安心であり、それこそがe SKYの開発にあたったチームSUZUKIの狙い、目標であり、それを実現したのがe SKYということになるのではないだろうか。集合住宅住まいで自宅に充電設備が持てなくても、全国津々浦々にあるスズキのディーラーが近くにあれば充電(普通充電または急速充電)の不安も解消されるはずである。
文/青山尚暉
写真/青山尚暉 スズキ
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