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FF、ドラクエ、軌跡シリーズ、〝時代遅れ〟のJRPGがいま再び盛り上がっている理由

2026.10.10

『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』に代表されるJRPG(国産RPG)の新作・リメイクが、2026年に入って相次いでいる。一時は勢いを失ったとも言われたジャンルが、なぜいま再び支持を集めているのか。JRPGを手掛ける会社の担当者に聞いた。

続編・リメイク相次ぐ2026年のJRPG

26年2月にスクウェア・エニックスから発売された『ドラゴンクエストⅦ Reimagined』は、国内のパッケージ版だけで50万本を超えるヒットとなった。同社は今後も『ファイナルファンタジーⅦ リベレーション』や『キングダムハーツⅣ』といった人気シリーズの新作を2027年に控えている。任天堂も『ゼノブレイド』シリーズの最新作『ゼノブレイド ジェネシス』を27年に発売予定だ。

ひときわ勢いを見せているのが日本ファルコムだ。20年以上続く『軌跡』シリーズの原点をフルリメイクした『空の軌跡 the 1st』(25年発売)は、米ニュースメディアCrunchyrollが選ぶ「2025年に遊ぶべきJRPG Top10」で1位に輝いた。また同社の26年9月期中間決算では、営業利益が前年同期の約13倍となる9億6900万円に達している。9月には続編となる『空の軌跡 the 2nd』を発売、国内Steam売上ランキングで首位を獲得し、勢いは加速中だ。

日本ファルコムは東京ゲームショウ2026に出展。未公開イラストや開発資料の展示、原寸大の武器を手に取れるフォトスポットを展開した。

遊び方の多様化に合わせた〝正当進化〟

JRPGといえば、ターン制のコマンドバトルを思い浮かべる人が多いだろう。2000年代まではゲーム業界において圧倒的地位を確立していたが、オープンワールド型のゲームや対戦型ゲーム、スマホ向けゲームなどジャンルが多様化し、可処分時間の奪い合いも激しくなるなかで、徐々に存在感を薄めていった。

そうした中、近年高い評価を得ているJRPGの多くは、コマンドバトルという伝統を土台にしながら、現代のプレイヤーに合わせた工夫を加えている。日本ファルコム ビジネスユニット シニアマネージャーの稲垣貴士さんも、作り手としてプレイヤーの遊び方の変化に向き合ってきたという。

「忙しい時間の合間にちょこっと遊びたいとか、面倒なところはスキップしたいとか。そういったところもあって、時代に合わせてどういう楽しみ方を提供できるかを考えてきました」

その答えの1つが、21年発売の『黎の軌跡』だ。

「アクションで戦いながら、途中でコマンドバトルに切り替えられるシステムを導入しました。コマンドバトルの戦略性と、アクションならではの爽快感やテンポのよさを両立させています」

倍速モードも搭載し、面倒なところは手早く進めたいというニーズにも応えている。最新作の『空の軌跡 the 2nd』では、難易度も6段階と幅広い。快適さを高める一方で、手応えを削りすぎないことも意識しているという。

「ベリーイージーやイージーであれば、どんな方でもクリアできるように意識しています。ただノーマル以上では一定の難しさを持たせ、ちゃんと戦略を練って敵を倒したり、キャラクターを強くしたりする必要があります。そこはRPGの根源的な面白さだと思うので、なくさないようにしたいですね」

『空の軌跡 the 2nd』には新たな難易度「Advanced」を追加。相応の戦略が要求される中級者以上向けで、通常難易度に物足りなさを感じる人にちょうどいい難しさに。

こうした工夫は、ほかのタイトルにも共通する。『ファイナルファンタジーⅦ』のリメイクシリーズは、リアルタイムでコマンドを選ぶアクションベースのバトルシステムを採用。『ドラゴンクエストVII Reimagined』も、重厚さで知られた原作のシナリオを再構成してテンポを高めている。伝統を残しつつ、現代に合わせて形を変える——この〝正当進化〟こそが、いまのJRPGが支持される要因だろう。

海外にも広がるJRPGファン

市場の面でも、JRPGを求める声は広がっている。象徴的なのが、フランス発のJRPG風タイトル『Clair Obscur: Expedition 33』だ。25年に発売され、全世界累計販売本数800万本を超える世界的なヒットとなった。海外市場の変化は、稲垣さんも実感しているそうだ。

「10年前は日本市場が中心で、海外は他社を通じての展開でした。それが最近は、アジア圏や北米、欧州の売り上げ比率がすごく上がってきています。そこで去年の『空の軌跡 the 1st』からは、全世界同時リリースという形で展開するようになりました」

実際、同社のライセンス部門の売上高は、海外展開を中心に26年9月期中間決算で前年同期の約3倍に伸びている。遊び方の変化や海外市場の広がりといった環境の変化に、作り手が応えてきたことでJRPGは再び脚光を浴びている。ただ、ものづくりの軸はこれからも変わらないと稲垣さんは話す。

「弊社は創業からずっとRPGばかり作っていて、それは結局、我々作っている側がRPGのことが好きだからなんです。自分たちが面白いと思うものを作って、それを皆さんに評価していただく。面白いと思えないものは出さない、という心構えは大切にすべきだと思っています」

遊び方は時代に合わせて広げつつも、面白さの芯は作り手として守り抜く。JRPGが再び熱を帯びているのは、そのバランスが国内外のプレイヤーに受け入れられた結果といえるだろう。

取材・文/桑元康平(すいのこ)

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