2026年11月3日(米時間)に実施されるアメリカの中間選挙まで、残すところあと1か月を切った。この中間選挙とは、4年任期の大統領の任期が2年経過、つまり半分が過ぎた時点で行なわれる連邦議会選挙のこと。上下両院同時選挙であり、定数435の下院は全議席、定数100の上院は約3分の1が改選となる。ちなみに下院の任期は2年、上院の任期は6年だ。
この選挙が持つ意味としては、2年間の政権運営に対する有権者の中間評価が示されるほか、政府側にとっては予算審議や重要法案の成立など、今後の政局に大きな影響を及ぼすと言われている。
なおニューヨーク州やカリフォルニア州など36州の知事選挙も同時に行なわれるだけに、市場の動きも気になるところだが、三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏から分析リポートが届いているので、概要をお伝えする。
1982年以降、過去11回実施された米中間選挙とS&P500指数のアノマリーについて検証する
米国では11月3日に中間選挙が行なわれる。そこで、今回のレポートでは、中間選挙と米国株の「アノマリー」について検証したい。
アノマリーとは、理論的には説明のつかない経験則のことだが、実際に過去のデータを用いて、中間選挙と株価に経験則的な動きがみられたのかを確認していきたい。検証対象は、1982年から2022年までの期間で実施された過去11回の中間選挙とし、米国株はS&P500種株価指数を使うことにする。
具体的には、中間選挙の3カ月前のS&P500指数の値を100とし、「中間選挙前の3か月」と、「中間選挙後の3か月」で、S&P500指数がどのように推移したのか、過去11回の中間選挙それぞれについて検証していく。
また、過去11回の平均的なS&P500指数の動きと、今年のS&P500指数の動き(中間選挙の3カ月前となる8月上旬から直近までの動き)も比較してみたい。

■S&P500指数は平均的に選挙前3カ月で底堅く推移、選挙後3か月でより大きく上昇する傾向
まず、中間選挙前の3か月におけるS&P500指数の動きをみると、平均騰落率は+3.8%となり、過去11回のうち7回上昇、上昇確率は63.6%だった(図表1)。

次に、中間選挙後の3か月をみると、平均騰落率は+5.9%で、過去11回のうち9回上昇、上昇確率は81.8%となっている。つまり、S&P500指数は平均的に、中間選挙前の3か月で底堅く推移して、中間選挙後の3か月でより大きく上昇する傾向があるように見受けられる。
過去11回の平均的なS&P500指数の推移をグラフで示したものが図表2だ。改めて中間選挙前の3か月におけるS&P500指数の動きを確認すると、選挙の27日前までは軟調な推移が続き、選挙日に向けて持ち直す様子が見られる。

そして、選挙後の3か月で、より明確な上昇基調が確認されることを踏まえると、政局の不透明感は、選挙実施の約1か月前から、ある程度市場で消化され始め、選挙後に一段と解消されていくと推測できる。
■中間選挙とS&P500指数のアノマリーはサンプル数の制約などから参考程度に
図表2では、今年のS&P500指数の推移も示している。期間は中間選挙の3か月前にあたる8月3日から10月2日(中間選挙の32日前)までで、騰落率は+1.6%となっている。
同期間における過去11回の平均騰落率は-1.1%なので、今年は過去平均を2.7%ポイント上回っていることになる。仮に、今年もアノマリーどおりとなれば、11月3日の選挙に向けて持ち直し、選挙後、来年2月初旬にかけて上昇基調が続く展開が想定される。
ただ、今回検証したアノマリーは、あくまで過去11回の中間選挙を対象としたものであり、サンプル数が非常に限られている点には注意が必要だ。
また、図表1で示したとおり、2002年や2018年のように、中間選挙後の3か月でS&P500指数の騰落率がマイナスになるケースもあった。そのため、中間選挙とS&P500指数のアノマリーについては、参考程度にとどめておく方がよいと思われる。
構成/清水眞希




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