共働き夫婦が増えている中で、前向きな家計を築くためには、結婚という人生の節目に向けてお金に対する価値観や使い方に関して「最初のすり合わせ」を行うことは大切だ。スマートバンクが運営する家計管理アプリ『ワンバンク』の広報事務局は、25歳から49歳までの子どもがいる共働きの既婚男女に「共働き夫婦の『お金のホンネ』調査」を実施して、結婚前の「お金の話し合い」の有無や生活費の負担割合の納得感などについての結果を「共働き夫婦の「お金のホンネ」調査:解決編』として情報を公開した。ここでは、その情報とスマートバンクの瀧本はろかさんの解説を紹介していこう。
共働き夫婦の4割が「結婚前のお金の話し合い」をしていないと回答
結婚前または結婚当初にパートナーと今後の家計管理や生活費の分担などのお金に関してどの程度話し合いをしたかでは、「あまり話し合わず、なんとなく決まった」(30.9%)と「まったく話し合わなかった」(9.1%)を合わせた4割が「お金の話し合いをしなかった」と回答した。結婚歴別では、結婚5年未満の夫婦は「十分に話し合い、明確なルールを決めた」(50.0%)と「ある程度話し合い、大まかなルールを決めた」(25.6%)を合わせた75.6%が結婚前・結婚当初にお金の話し合いをしていた。結婚歴が長い夫婦ほど事前に話し合った割合は低くなる傾向で、若い世代の夫婦ほど結婚前に家計の話し合いをしている割合が高かった。
事前のお金の話し合いは対等な夫婦関係に直結
お金の面に限らず夫婦関係で、パートナーとお互いに「対等である」と感じるかについては、結婚前・結婚当初に「お金の話し合い」をした夫婦では、「対等だと感じる」(33.3%)と「やや対等だと感じる」(49.1%)を合わせた82.4%が「対等な夫婦関係」を実感していた。事前に話し合いをしない夫婦は、「対等だと感じる」(18.7%)と「やや対等だと感じる」(33.2%)を合わせた回答は約半数で、事前に話し合った夫婦と比較すると「対等な夫婦関係」の実感が30.5ポイントも低かった。
事前のお金の話し合いで生活費の負担バランスの納得感の差が約2倍
パートナーとの「生活費の負担バランス(家計の分担)」の納得感では、結婚前・結婚当初に「お金の話し合い」をしなかった夫婦は、「負担のバランスは公平であり、十分に納得している」(19.4%)と「多少の金額的な偏りはどちらかにあるが、お互いに納得しており不公平感はない」26.6%)を合わせた46.0%が納得していた。事前に話し合いをした夫婦は、「負担のバランスは公平であり、十分に納得している」(50.0%)と「多少の金額的な偏りはどちらかにあるが、お互いに納得しており不公平感はない」(39.6%)を合わせた89.6%が納得していた。事前のお金の話し合いを実施した夫婦は、話し合いをしなかった夫婦と比較して、生活費の負担割合に納得している割合が約2倍も高く、43.6ポイントも差があった。
事前のお金の話し合いで毎月の貯蓄額に約2.8万円の差
夫婦の「貯蓄額(月平均)」では、結婚前・結婚当初に「お金の話し合い」をしなかった夫婦は平均5万1355円だったが、事前に話し合いをした夫婦は平均7万9722円だった。事前に話し合った夫婦は、毎月の夫婦の貯蓄額が約2.8万円多かった。「貯蓄0円(できていない)」と回答した割合は、話し合いをしなかった夫婦では16.4%で、話し合った夫婦はわずか2.3%だった。
自分がお小遣いなど月々で自由に使えるお金の平均額は、結婚前・結婚当初に「お金の話し合い」をしなかった夫婦は平均2万3574円だったが、事前に話し合いをした夫婦は平均2万8738円だった。事前に話し合った夫婦は、お小遣いなど自由に使えるお金が月々約5000円高かった。
この調査結果に関して、『ワンバンク』のリサーチャーの瀧本はろかさんは次のようにコメントしている。
「今回の調査では、結婚5年未満の若い世代の夫婦の実に75.6%が、結婚前・結婚当初にお金についての話し合いを行っているという実態が明らかになりました。事前にお金に向き合った夫婦は、お互いに「対等である」と感じる割合が82.4%にのぼり、生活費の負担への納得感も89.6%に達しています。お金のルールを曖昧にせず、対等な立場で合意形成を行うプロセスそのものが、お互いへの信頼感やともに家庭を運営していくという共同経営者としての当事者意識を強く育むと考えられます。
さらに興味深いのは、「事前のお金の話し合い」が毎月の貯蓄額(約2.8万円差)や個人の自由に使えるお金(約5000円差)という具体的な金額の差にも結びついている点です。事前に家計の目標や分担をクリアにしておくことで、不透明な支出が自然と防がれ、世帯全体での着実な貯蓄へと繋がります。ルールが明確だからこそ、お互いに納得して気持ちよく「自分のためのお金」を使えます。その結果、満足度の高い自由に使える金額を維持できる好循環が生まれているのでしょう。日々の生活の中で無理なく自然に家計を「見える化」し、ふたりで支出や家計の共同管理ができるカップルPayのような「共同口座」などのデジタルツールを賢く取り入れることが、ふたりの持続可能なパートナーシップを支える鍵となるでしょう」
価値観の一致を結婚の条件に挙げる人も多いが、お互いのお金の使い方をリスペクトしつつ、結婚前にきちんとお金の話をして情報共有することが結婚後の夫婦円満にもつながりそうだ。
「共働き夫婦の「お金のホンネ」調査:解決編」概要
調査対象:25歳から49歳までの子どものいる共働きの既婚男女
調査期間:2026年7月10日~2026年7月19日
有効回答数:スクリーニング調査:3335名、本調査:430名
調査方法 :インターネット調査
調査主体 :スマートバンク
小数点第二位以下四捨五入。結婚前の話し合いの実態はスクリーニング調査(n=3335)のデータ、それ以外は本調査(n=430)のデータを引用。
スマートバンク UXリサーチャー
瀧本はろか
2022年4月よりスマートバンクにUXリサーチャーとして入社。年間100件を超える生活者へのインタビューを担当して、累計約500世帯を超える家庭の暮らしについてインタビュー。著書に『UXリサーチの活かし方 ユーザー視点を意思決定につなげるためにできること』(翔泳社)。プライベートでは2児のママ。
構成/KUMU




DIME MAGAZINE





















