台湾を旅行中、街を歩けば至るところで目にする「セブン-イレブン」。
台湾のコンビニは、イートイン用の座席があることが一般的で、旅行者にとってもすごく便利だ。
ちなみに台湾で、コンビニを意味する言葉は「便利商店」である。その名の通り、便利な台湾のコンビニの中でも、セブン-イレブンが、旅行者向けの〝観光案内所〟になったという。一体どういうこと!?
ちょうど台湾滞在中だった筆者が、実際に台北市内のセブン-イレブンへ行って調査してみた。
台湾の旅行者向けの新サービス「旅人便利店」
台湾で2026年1月からスタートした新しいサービス「旅人便利店」は、台湾の交通部観光署(観光庁にあたる機関)が展開するサービスで、台湾全土に張り巡らされたコンビニ網を〝デジタル観光案内への入口〟として利用する官民連携プロジェクトである。
具体的には、セブン-イレブンに設置されているマルチメディア端末に、台湾政府が提供する観光案内サービスへアクセスできる「QRコード」が設置されていて、旅行者がスマホで読み取る仕組みだ。
…でも、これって、わざわざセブン-イレブンでQRコードを読み込む意味が本当にあるのか?色々疑問は出てきたが、とにかく実際に使ってみよう!
店内に入り、マルチメディア端末を探す。その周辺をよく見てみると、あった!
端末の脇に「Taiwan E-tour Guide」と書かれた、小さなオレンジ色の案内が掲示されている。そこにはQRコードも付いていた。
QRコードを読み込むと、台湾観光署のWebサービスが立ち上がり、位置情報の利用許可を求められた。もちろんOK。
「Language」で日本語表示に切り替える。その後、台湾観光のマスコットキャラクター「オーベア」というAI旅行アシスタントに質問開始。
例えば、日本語で「ルーローハン」とだけ入力したら「市内全域の魯肉飯(ルーローハン)のおすすめ店」が表示され、「今いる場所から徒歩10分以内で、おすすめのルーローハンを教えて」と入力すれば、近場のお店だけを案内してくれる。
そして店の説明だけでなく、評価、レビュー数、価格帯、営業状況、住所、GoogleマップのURLも出てくる。日本語だけでここまで一気に情報を得られるなら、外国語が苦手な旅行者にはかなり有難い。
何より、情報が一覧で表示されるので比較検討しやすい。では、オーベアが教えてくれたお店に行ってみよう!
AIのオーベアだけを頼りに店へ行ってみた
せっかくなので、筆者にはこれまで少々ハードルが高かった、ガチョウ肉の専門店に行ってみた。
「オーベア、この近所でガチョウ肉が食べたい!」
出てきた一覧から、徒歩8分の「南平鵝肉」というお店を選び、無事にお店に到着。到着はしたが、店内に入ったあと、どう振る舞えばいいのか正解が分からず、やはり不安に……。
「オーベア、注文の仕方を教えて」
すると、写真のように、ガチョウ専門店の「基本的な注文の流れ」や「注文方法の定番パターン」が表示された。おおっ!オーベア、なんて使える熊なの!!
AI旅行アシスタント「オーベア」への信頼度が一気に高まり、台湾を旅しながら色々と聞いてみた。
トイレの場所、飲み物のオススメ店、電車の乗り方、その日にあるイベント情報などの他にも、こんな質問にまで丁寧に答えてくれた。
私:「実は一人旅なんだけど、ちょっと寂しくなってきた」
オーベア:「そんな時もありますよね。でも大丈夫、台湾は一人旅にも優しい場所がたくさんありますよ!例えば~~」
こんな感じで、旅の間、気づけばすっかりハマってしまっていた。
台湾観光署によると、オーベアは一般的な生成AIとは異なり、公的な観光オープンデータを中心に回答する仕組みで、最新かつ正確な観光情報を提供することを目的としている。もちろんAIである以上、全てをうのみにするのは禁物だが、観光情報に特化している点は旅行者にとっても心強い。
台湾のAI旅行、使ってわかったメリットと課題
実際に使ってみた結果、「わざわざQRコードを読み込む意味はある?」という当初の疑問は、ほとんど解消された。
アプリをインストールする必要がないので短期滞在の旅行者には有難く、通常の〝日本語だけでのネット検索〟ではなかなか出てこないような、現地ならではの情報が〝日本語で〟出てくるのも良い。筆者もすっかりお世話になってしまった。
ただ、だからこそ、その「入口」となるQRコードを、旅行者が見つけられなければもったいないと感じた。
実際、筆者も「ここにある」と知ったうえで探して、ようやく発見したほど。このようなデジタルサービスは、「どうやって旅行者に存在を知ってもらうか」まで設計して初めて使われる。
とはいえ、言葉のわからない土地で、AIに教えてもらった店へそのまま向かえるのは、なかなか楽しかった。
もし台湾のセブン-イレブンへ入ったら、マルチメディア端末をちょっと注意して見てほしい。小さなオレンジ色のQRコードが、思いがけない台湾散歩の入口になるかもしれない。
取材・文/大仲マリア
エコノミークラスの機内食で世界一に輝いたエバー航空のサービス向上にかける思い
海外旅行に出かけるとき、旅の始まりと終わりに味わう機内食に旅情を感じる人は少なくないだろう。 近年では、各航空会社が一流シェフや有名レストランとのコラボレーショ…




DIME MAGAZINE


















