ペットのウェルネスフード最前線。脳腸相関ドッグフード&新食感キャットムースの秘密
犬や猫に関する研究が進化するにつれて、ペットフード分野も食べやすさや、生活を豊かにしてくれるウエルネスフードの新商品が続々と登場している。今回はそんな新商品の中から特に注目を集めている、「眠り」に注目したドッグフードと、食感重視のキャットフードの2つを取り上げてみた。
休息・睡眠に着目したドッグフード
バイオフィリアが8月に発売した「こもりね」は、愛犬の休息時間に着目して開発されたドッグフード。お留守番中や日中のひとり時間を穏やかに過ごせるよう、最新の動物栄養学に基づき、脳腸相関に着目した栄養設計を採用している。腸内環境ケアに配慮した「フローラ・キープ設計」や、腹持ちのよさを考えた独自の「スローエナジー設計」に加え、リラックスサポートに関わるGABAを配合。毎日の食事から、愛犬の健やかな休息を支えることを目指している。
今春にチキン味を先行発売したところ、愛犬に留守番させる機会の多いビジネスパーソンや一人暮らしの愛犬家に好評で、今回新たに濃厚な味わいのラムと、数種類の魚ならではの風味を楽しめるフィッシュの2つの味が加わった。ラインアップを拡充することで、日々の食事のローテーションに合わせた選択肢が増えている。
「こもりね」は、愛犬と離れて過ごす時間に不安や罪悪感を抱く飼い主の気持ちに寄り添ったドッグフードになっている。バイオフィリアが2,544名のドックペアレントを対象に行った「愛犬の留守番と睡眠」に関する実態調査によると、愛犬を留守番させる際に88.6%の人が「罪悪感」や「申し訳なさ」を感じていることが明らかになった。
回答では「留守番中に愛犬が眠っていると安心できる」と回答した人は91.5%と多く、愛犬が留守中に穏やかに過ごせる時間をもつこと自体が、飼い主の心の平穏になっていた。
ペットカメラの普及で、留守中の画像をチェックする機会が増えたが、すやすや安心して眠っている姿を見ると、安心できる。特に留守番が嫌いで寂しがりで甘えんぼうな性格の子が、眠っていてくれるのは本当に有難い。
富士通やネスレジャパン、大東建託など、最近はペット同伴可能な企業も増えているが、まだ一般的ではない。留守にさせている間、快適にすごしていてくれることは、飼い主の願いでもある。
脳腸相関に着目した新しいドッグフード
今回の開発ポイントは「脳腸相関」に着目した点である。脳と腸は影響を与え合い、互いに情報伝達を行っていることが明らかになっている。学校に行きたくない時にお腹が痛くなったり、大事なプレゼンの前に下痢をするのは脳が感じたストレスが神経を通じて腸の動きに影響を与えてしまうからである。
心を落ち着かせる幸せホルモンのひとつであるセロトニンは、90%以上が腸で作られている。腸内環境を整えれば、セロトニンの分泌が促され、メンタル面が改善されたり、よりよい睡眠が得られるようになる。
「こもりね」は腸内細菌の働きに配慮し毎日の健康維持をサポートするよう設計されている。また、リラックスサポート成分としてGABAを配合し、愛犬の穏やかなひとときを支える。GABAはアミノ酸の一種で、ストレスの軽減や睡眠の質の向上に役立ち、人間では血圧の上昇を抑える効果がある。
こうした機能面だけでなく、「美味しさ」も追及した。バイオフィリアに寄せられた飼い主からの声は、「あっという間に食べた」「夢中で食べた」といった食べつきのよさへの反響が多かったと言う。現在、バイオフィリアのECサイトや、大手ECモール、専門店などで販売しているが売り上げは好調だ。愛犬の健やかな毎日に寄り添うフードに注目が集まっている。
猫には食感が重要 マウスフィールの研究からわかった進化系フード
愛猫にはできるだけ美味しくご飯を食べていつまでも健康でいて欲しいもの。食事は健康管理における最重要課題のひとつである。体に良いフードであることはもちろん、できれば美味しく食べてもらいたい。そんな中、猫の「食感」に注目した進化系フード「ウルトラ ソフト ムース(AIRLIFT技術)」シリーズ4製品が、ロイヤルカナン ジャポン合同会社から8月21日に発売された。猫の“おいしい”の感じ方を科学した結果、誕生した新商品だという。今回、専門家であるロイヤルカナン ジャポン合同会社 ヘルスアフェアーズマネージャー(学術担当)平 瑛美(ひら えみ)さんに猫はどうやって美味しさを感じているのか、猫の「食」について聞いてみた。
猫と人では味わいを感じる器官に差がある
最初に猫の「食」について、人と異なる点について、ロイヤルカナン ジャポン合同会社 ヘルスアフェアーズマネージャー(学術担当) 平 瑛美(ひら えみ)さんによると、人は料理の見た目(特に色彩)や盛り付けなど、視覚から受ける情報によって食欲が左右されることがあるが、猫は、まず匂いで食べ物を認識し、その後に口にくわえて形状や大きさ、食感などを確かめながら受け入れるかどうかを判断すると教えてくれた。
つまり猫にとっては、「色や見栄え」よりも、匂いや口に入れたときの感覚が食事の満足度を左右する重要な要素となる。人と猫では、食事を楽しむプロセスそのものに大きな違いがあることを、飼い主さんは知っておいた方が良いだろう。
さらに、人と猫では、味わいを感じるための身体的器官の差がある。平 瑛美さんによると、「味を感じる舌にある器官である味蕾(みらい)の数は、猫は人と比べて大幅に少ない(約1/20)といわれています。猫は人のように甘味を感じることができない一方で、苦味には比較的敏感とされています。また、猫は優れた嗅覚を持っており、食べ物の選択において匂いが重要な役割を果たします」と教えてくれた。
また興味深いことに猫は、好みの匂いであっても、栄養バランスが整っていない食事だと長期的に好むことはしないという研究報告があるらしい。猫にとっての「おいしさ」は味だけでなく、匂いや食感、栄養バランスなど複数の要素によって形成されていた。
さらに、猫は味だけでなく、匂いや食感、粒の大きさや硬さ、口の中での感触などを含めた「マウスフィール(食感)」にも敏感だった。食感は、フードを口に含みやすいか、噛みやすいかといった食べやすさに関わるだけでなく、その食事を好んで食べるかどうかにも影響するもの。特に猫は食事に対する好みが繊細な動物であるため、必要な栄養をしっかり摂ってもらうためには、栄養設計だけでなく、猫が自然に受け入れやすい食感を追求することも重要だと、平 瑛美さんは言う。
ロイヤルカナンの食感に着目したキャットフード
「ロイヤルカナンでは、“ペットのためのより良い世界”の実現を目指し、栄養学に基づいて犬と猫一頭一頭に目に見える、実感できる健康効果をもたらす製品開発を行っています。犬と猫の健康を第一に考え、その原点である“科学と観察”に基づき、一頭一頭のニーズに応えるフード開発に取り組んでいます。
そうした点をふまえ、私たちは猫の行動や嗜好を継続的に観察しながら研究を重ねています。たとえば、猫には少量ずつ複数回に分けて食事をする習性があり、新しいものに興味を示す一方で、慣れたものを好むという特徴がある。おいしく食べてもらうことと、健康維持に必要な栄養バランスを両立させること。その両方を実現するために、科学的知見に基づいた製品開発を続けています」としている。
こうした科学的知見に基づき、ロイヤルカナンでは食感に注目した商品開発を続けてきた。特に近年は猫の高齢化が進んでおり、年齢を重ねることで口腔内の違和感や咀嚼のしづらさを抱える猫も多い。必要な栄養を摂りたいにもかかわらず、食事が進まなくなってしまうと悩む飼い主さんもいる。ロイヤルカナンでは、こうした猫たちにも配慮し、「食べやすさ」という観点から食感に着目。猫が心地よく食事を続けられるよう、栄養設計だけでなく、口に入れたときの感触や食べやすさまで考慮してくれた。
独自の特許技術「AIRLIFT技術」でおいしく健康に
こうした食感をアップさせた新商品は、AIRLIFT技術により実現できた。これは独自の「マイクロバブル製法」により、ムースに気泡を含ませ、軽やかさとくちどけを実現させた特許技術である。
「ロイヤルカナンは、今回この革新的なAIRLIFT技術の開発に成功し、この技術を駆使した猫にとって最適な製品が誕生しました。マイクロバブル製法により、ムースに窒素を注入させることで、じゅわっとした食感を実現しています。泡がはじけることで舌ざわりの良いくちどけの良さを感じられるムースです」と平 瑛美さん。
今夏に発売された「ライト ウェイト ケア」と「アペタイト コントロール」はどちらも体重管理に配慮した製品となっている。ふわふわの気泡を含むことで食べ応えがあり、食欲旺盛な猫にも満足してもらえるという。「エイジング11+」と「エイジング15+」は100gあたり100kcalを超える高カロリー密度で、痩せがちな高齢期の猫に適している。なめらかな食感で口が敏感な性質の猫でも、食べやすい製品となっている。
特にキャットフードでは「食べ飽き」が飼い主さんを悩ませるもの。新商品はそんな「食べ飽き」に対してどんなアプローチをしているのか、聞いてみた。
「はい。食べ飽きはペットオーナーの悩みのひとつですね。猫が食事を選ぶ際には匂い、食感、栄養バランスなど複数の要素が関係します。新製品は総合栄養食で猫に最適な栄養バランスを満たしつつ、従来のウェットフードとは異なるふわふわの食感で新しい食体験を提供します。健康的な体重管理や年齢のケアをしながら毎日の食事の新しい選択肢として、フードのご提案をしています。
猫は少量ずつ頻回に食べる習性があり、フードの好みも非常に繊細です。そのため、新しいフードを試したいと思っていても、購入を迷われるペットオーナーの方もいらっしゃいます。まずは気軽に試していただけるサイズをご用意することで、愛猫に合ったフード選びのサポートにつながればと考えています」と、一部商品には50gの少量タイプも取りそろえた。
こまめに食事を見直すことが健康で長生きの秘訣
最後に愛猫に健康で長生きしてもらいたいと考える飼い主さんへ、平 瑛美さんから、専門家の知見から「食」のアドバイスを聞いてみよう。
「愛猫に健康でいてほしいという思いから、食事選びに悩まれるキャットオーナーも多いかと思います。猫は人とは違う動物であり、必要な栄養バランスやおいしさの感じ方が異なります。
ロイヤルカナン ジャポンではそれぞれの猫に最適な栄養バランスを届けるために約60種を超える猫用製品を用意しています。猫は人の4倍のスピードで歳をとるため、品種・年齢・お悩みにあわせて“定期的に食事を見直すこと”をおすすめします。私たちの科学的知見が一頭でも多くの猫の健康に繋がるならこれほど嬉しいことはありません」と答えてくれた。
文/東京都動物愛護推進員
柿川鮎子




DIME MAGAZINE






















