大学1年生18歳、未成年でも新入生歓迎コンパをはじめ何かにつけ酒を飲むのは当たり前だった1975年から今日まで50年以上、アルコールはずっと好きだ(昨年、大学教授の高校同級生から教え子とキャンパス内の芝生でビールを飲んだりしたら大変なことになると聞き、我が耳を疑った!)。酒ならなんでもOKだが、近年はビールに焼酎サワー、そしてワインをよく飲む。
ここ5年くらいは、理由もなく週に1回は必ずスパークリングワインを開けることにしている。されどもうすぐ70歳の年金生活者、たまにはセールでほぼ半額を謳う3000円ほどのシャンパンを飲むが、ほとんどはやはりセールでほぼ半額を謳う1000円から2000円のスパークリングワインだ。
週に1回で5年ならおよそ260本を飲んできたことになる。だが自慢にならないが、シャンパン(簡単にいうとフランスの高級品、以下同)、クレマン(フランスの普及品)、フランチャコルタ(イタリアの高級品)、プロセッコ(イタリアの普及品)、カヴァ(スペインの泡)のテイストの違いはわからない。飲む前から高価なスパークリングとわかっていれば美味しいと思うが(これでいいのかな?)、値段がわからないと高いのにイマイチ、安いのにこれは美味しいと思うことが度々ある。僕の舌のレベルはこんなものだ。
スパークリングに限らずワインは大好きなので、エノテカ他インポーターが開催する試飲会に時々参加する。参加費は3000円から8000円くらいで、どの会もコスト的には超お得。家庭ではとても飲めない(レストランなら尚更)、3万円から5万円くらいのワインがラインナップされていることもある。
エノテカ広尾店「スパークリングワイン大試飲会」で発見!
というわけでこの記事のテーマは、シルバーウイークの初日、9月19日にエノテカ広尾店で開催された「スパークリングワイン大試飲会」だ。参加費5500円で24種類のスパークリングワインを試飲できる。中には税込価格57200円の有名シャンパン、2016年の「クリスタル」もある(ちなみに高級シャンパンの代名詞、通称「ドンペリ」のエノテカオンラインでの価格は2015年の箱付きで税込41140円、以下税込は略)。下は2530円から上は57200円まで、幅広い価格帯のスパークリングを試せる。
試飲方法はこうだ。商品名、生産地、税込価格等が印刷されたリスト(上の画像参照)があり、各スパークリングワインには1から24までの番号がついている。また24種類のスパークリングワイン名が印刷されたカードがあり、頼んだものにはスタンプが押される(下の画像参照)。つまり同じものを2杯飲むことはできず、最多で24種類24杯飲める。一人当たりグラス2脚が渡され、カウンターで1杯ずつ、あるいは2杯ずつ注いでもらう。参加者によっては例えば「13と19(ともに7150円のロゼ)を」というようなこだわりのある比較試飲をする人もいたが、初心者に毛が生えた程度と自認する僕は1から順にトライすることにした。
リスト序盤には高級シャンパンが並ぶことは、予め認識していた。1は57200円の「クリスタル」、2、3も「クリスタル」と同じルイ・ロデレールが作る1万円超のシャンパンだ。当日は湿気があり暑く喉も渇いていたので1杯目は美味しい……。はずなのだが、安いスパークリングに慣れた舌のせいか、さほど美味しいとは感じない。僕には酸が強いのだ。とはいえなにしおう「クリスタル」だ。飲む人が飲めば間違いなく美味しいはずなので、5段階評価で“4”と評価した。今回の24種類全てを5段階で評価して、購入の参考にするためだ。
以下、商品名は原則省き数字で呼ぶことにする。17600円の2は「クリスタル」との差を感じず“4”、11000円の3は「クリスタル」ほどは酸が強くなくやや甘みを感じる。「クリスタル」よりこっちが好き。“4+”だ。「57200円より11000円の方が美味しい」、と表現するより「好き」と表現する方が適切だろう。
こういうことが生じるなら、先入観を断つためにここから先は価格を見ないでブラインド試飲しようと思い立った。とはいえ1杯20mlなので24杯で480ml、ボトル1本が750mlだから、ボトルおよそ3分の2を開催時間の2時間以内に飲むことになる。水はあるが、つまみはなし。途中からは酔ってしまい、舌がいよいよ鈍ることは間違いないが……。
以下、それぞれの価格はリストの画像を見ていただくとして、1万円クラスが続く4、5、6は、4こそ“やや苦み”とメモして“4−”ながら、他2種類は甘く感じて“3+”と“3”。僕は日本酒であれ、白ワインであれ、スパークリングであれ、甘い系はあまり好きではない。
そして8、ほとんど飲んだことのない赤のスパークリング、「マニフェスト・ブルゴーニュ・ムスー」に驚く。“バランスよく、ワインとしてよし”とメモして、「クリスタル」に勝る“4+”だ。これで価格は5940円とは! これだからワインは面白い。
以降、“4”とした11(7700円)を除いて20まで、ほとんどが甘く感じて“3”か“3+”。 17600円と高額な17でも“香りよくも甘い”とメモして “3”だ。23、24も甘くて“3”だが、21、22のスパインのスパークリング(カヴァかな)はともに“4”。注目すべきは“ドライでほっとする”とメモした22の「プロジェクト・クアトロ カヴァ・プレミアム・レゼルヴァ」で、24種類中最安値の2530円だ。これだからワインは面白い、その2である。
こうしておよそ90分で24種類を試飲して改めて思うのは、“ワインは価格ではない”という側面もあること。側面もあるという曖昧な表現を使ったのは、約2年前の同じエノテカ広尾店でのイタリアワイン、ブルネロモンタルチーノの試飲会で5000円クラスから50000円クラスまで確か12種類を試飲し、見事に高いほど美味しいと感じた経験があるからだ。
また1杯あたりを飲む時間が短いからかもしれないが、ワインの味わいを表現する常套語、イチゴ、桃、梨、バラ、スミレ、ナッツ、バニラなどは全く頭に浮かばず、メモにも記していない。もっともテイスティングノートにこうした言葉が記されていながら、飲んでみても全くピンとこないことがほとんどなので当然か。
今回のスパークリングワインは、すべてエノテカで購入できる。そこで特に印象の強い「クリスタル」(52700円)の“4”より上の“4+”とした赤のスパークリング、「マニフェスト・ブルゴーニュ・ムスー」(5940円)と、「クリスタル」と同じ“4”とした最安値の「プロジェクト・クアトロ カヴァ・プレミアム・レゼルヴァ」(2530 円)を、自宅で飲んでみようとエノテカ・オンラインで注文した。20mlを4分弱で飲むのと、750mlをゆっくり飲み干すまで飲むのでは印象が変わるかもしれない(とはいえ妻と二人で1本です)。
まずは「プロジェクト・クアトロ カヴァ・プレミアム・レゼルヴァ」だ。ドライな飲み口、口の中で甘さは広がるが長続きはせず、アフターはスッキリ。泡は強い。試飲会と違い、自宅で飲むと“3+”か“4−”、“4”とはしない。試飲会での“4”は「ほっとする」とメモしたように、甘系スパークリングが続いた後だからだろうか。ただし家では室温20度の部屋で飲んだので、真夏のアウトドアなどで飲んだらもっと高く評価する気がする。いずれにせこれで2530円はお買い得、来年夏はケース買いかな?
では飲む日を改めて、“4+”と24種類中最高の評価をした「マニフェスト・ブルゴーニュ・ムスー」だ。試飲会唯一の赤のスパークリング、というよりそもそも珍しい赤のスパークリング。30年ほど前に少し流行った赤のスパークリング、イタリアのランブルスコを何度か飲んだことがあるが、価格は安くて味は甘めと記憶している。
だがこちらは5940円と僕としては間違いなく高額、生産国もフランスなのでランブルスコとは明らかに違う。よく冷やして口に含む。まごうことなく美味しい。ほどよい甘さにほどよい酸、バランスが素晴らしい。酸が強いと感じた「クリスタル」を思い出して改めて比べても、こちらは価格がその10分の1だから “4”対“4+”は揺るがない。
そして恥ずかしながら、文字通りのブラインドで飲めばこれが赤とは気づかないかもしれない。ということは、試飲会では白が7種類続いた後に赤となり、ニュアンスが変わったから高評価としたのではとも思っていたが、そうではなく味そのものが僕にピタリとハマったようだ。
「マニフェスト・ブルゴーニュ・ムスー」は、夏でも冬でも美味しいオール・シーズン・赤スパークリングだと僕は思う。おめでたい席や誕生日などで、同クラスの白のスパークリングとともに“紅白泡祝い”なんて洒落てるぞ。今より40歳くらい若かったら、カノジョ(またはワイフ)の誕生日の演出にしたいな……!?
今週末は他のインポーターが開催する、ピッツァ・コンテンポラーネアなる伝統的ナポリピザとは生地や食感が異なるピザと8種類のスプマンテを楽しむイベントに参加する。費用は3800円とお手頃だ。ネットで探すとこうしたワインのイベントは数多い。まもなく70歳、いつまで忙しい日々が続くやら。
文/斎藤好一
ボルドーワインといえば、フルボディの赤、高級ブランドの赤のイメージが強いかもしれない。その一方で、ごく普通にカジュアルに楽しめるワインも増えてきた。ブランドイメ…




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