今年の夏も猛暑だったが、ペットの夏バテと熱中症に気を付けていた飼い主も多かったはず。犬や猫は、体高が低く地面からの熱を受けやすいので、人間よりも夏バテや熱中症を起こしやすいとも言われている。大正製薬は、2025年に犬や猫を飼っている全国の男女各400人を対象に『健康に関する意識調査』を実施したが、犬の飼い主の60.0%が「腸活は必要」と回答しており、猫の飼い主も「飼っているねこちゃんで心配なこと、気になること」は「健康状態」がトップで46.0%、腸活も約半数の44.8%が「腸活は必要」と回答している。CHICOどうぶつ診療所所長の林美彩先生も次のようにコメントしている。
「昨年が酷暑だったこともあって、今年はみなさん暑さ対策をされていると思います。それでも夏バテやエアコンの使用による寒暖差などによって起きている体調不良かな…という症状は多いように感じます。都内の非常勤先でも明らかに熱中症症状で来院されるという子は少ないのですが、やはり暑さが影響して起こる体の不調を訴えているケースは何例か見受けられました。短時間外出にもかかわらず、お部屋と外の寒暖差で熱中症になってしまったという子のお話は増えたように感じています」
すでに猛暑のピークは過ぎているが、今後も猛暑は訪れるはずなので、知識として犬や猫の夏バテや熱中症に関する情報を知っておきたい。
夏バテで多い症状は「消化器症状」
暑さで体力を消耗して、体のさまざまな部位に不調が現れる状態である夏バテ。高温多湿や外気温と室内温度の差が大きい夏場の生活環境は、犬や猫にも自律神経に負担をかけて胃腸の働きを低下させやすいと言われている。下痢・軟便・便秘や食欲不振など胃腸(消化器)のコンディション低下と関連するものが多く、夏バテの中心に“腸のコンディションの変化”がある。夏の健康管理では、暑さ対策に加えて“腸を守るケア”も重要だ。
高温多湿の季節に備える腸活が大切!
夏バテ対策で注目されている、腸内環境を整えて全身の健康をサポートする「腸活」。腸内フローラ(腸内細菌叢)は、消化、免疫、栄養吸収に関わり、バランスが崩れると下痢や便秘、肥満、アレルギーなどの原因にもなりやすい。腸内の状態が良好なら消化器の健康を維持して、便通や便臭の改善などが期待できる。「腸活」は消化吸収だけでなく、免疫機能や皮膚・被毛の健康など多方面に影響を与えるという。一般的に夏バテは徐々に悪化して、熱中症は短時間で重症化する危険性があるので、日頃から様子を観察して、いち早く不調のサインに気づいてあげることが大切だ。ちなみに夏バテや熱中症の症状は次のリストを参考にしよう。
■犬や猫の症状チェック
・ぐったりして元気がない
・食欲がない
・落ち着きがない
・口を開けてハアハアと息をしている(パンティング)
・心拍数が増えている
・耳や肉球などが熱くなっている
・ふらついている
・高体温(40度前後まで上昇)
・嘔吐や下痢がある
・けいれんや震えがある
・意識がもうろうとしている
CHICOどうぶつ診療所所長の林美彩先生は、次のようなアドバイスをしている。
「夏の健康管理は「腸」を中心にわんちゃん・ねこちゃんの夏バテは、単なる“暑さ疲れ”ではなく、腸のコンディション低下が全身の不調につながる季節性の問題です。夏は体調不良が増える季節ですが、その多くは“腸のコンディションの乱れ”が起点となっています。腸は食べ物を消化するだけでなく、免疫やホルモン、自律神経とも深く関わる重要な臓器です。腸の動きが弱まると、食欲不振や下痢・軟便が起こりやすくなり、結果として夏バテにつながります。特に小型のわんちゃんやシニアの子は冷房の影響を受けやすく、腸が冷えることで体調を崩すケースも少なくありません。夏バテを防ぐためには、“暑さ対策”と同じくらい“腸を守るケア”が重要です。水分補給、適切な室温管理、腸内環境を整える食事など、日々の小さな積み重ねが大きな差になります。便の状態は腸の健康を映す鏡ですので、毎日チェックし、コロコロと固いうんちや臭いがきついうんち・尿など、いつもと違うと感じたら早めに獣医師に相談していただくことをおすすめします」
ちなみに犬や猫を夏バテや熱中症などから守るためには、次のようなポイントを押さえておこう。
(1)水分補給:複数の場所に水を設置して、飲む量が増えるような工夫をしよう。氷水やかき氷状の氷は、熱中症の状態で体温が高ければ有効だが、胃腸を冷やしてしまい予防としては逆効果になる可能性もあるので、できるだけ常温のお水をこまめに飲ませるようにしよう。それぞれに好みや体質が違うので調整は必要だが、ウェットフードも水分補給には効果的だ。
(2)食事に乳酸菌・食物繊維を取り入れて腸内環境を改善:腸内フローラを整えることで消化吸収をサポートして、夏バテ予防をすることも有効だ。腸内フローラをサポートする乳酸菌やビフィズス菌(プロバイオティクス)、食物繊維(プレバイオティクス)などを含んだフードも増えているので、取り入れれば腸内の働きを最適化するのに役立つはずだ。
(3)室温に関しては、それぞれの年齢・犬種猫種・体格・持病によって調整が必要だ。目安としては、冷やしすぎない室温・湿度を保って冷房の風が直接体に当たり続けないように気をつけよう。多頭飼育の場合は、暑がりな方に合わせて温度設定をしよう。寒がりな犬や猫には温まれる場所やブランケットを用意するようにしよう。
(4)便の形・色・においは、腸の健康を示す重要なサインだ。腸の健康を便でチェックすることは、毎日できる健康診断として習慣化が推奨されている。
■熱中症の応急処置のステップ
(1)エアコンの効いた室内など涼しい環境に移動させる。
(2)常温の水道水を全身にかけたり、水道水で濡らしたタオルなどで包んで風を送ったりして体を冷やす。
(3)ハンカチで包んだ保冷剤などで、首や脇や鼠径部など太い血管が皮膚の近くにある場所を冷やすようにする。
(4)水を飲むことができれば、少量ずつ飲ませる。意識がもうろうとしていたり、嘔吐やぐったりしている場合に飲ませると誤嚥のリスクがあるので、無理に飲ませる必要はないという。
(5)症状が改善しない、ぐったりとしている、嘔吐や下痢が続く、水も飲めない場合は早めに動物病院へ相談する。
家族の一員として犬や猫と過ごしている人は多いはずだが、元気に暑い夏を乗り切るためには、人間と同様に猛暑対策をすることが大切だ。
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構成/KUMU




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