ウーブン・バイ・トヨタ(WbyT)がトヨタとともに開発する「Toyota Woven City」は、2026年9月25日、オフィシャルローンチから1年を迎えた。人が生活するテストコースとして、実証は一歩一歩、着実に前に進んでいる。
Woven Cityは、産業を超えて多様な強みや専門性を掛け合わせる「カケザン」によって、いまは存在しない価値をつくりだす「実証実験の街」。2026年9月時点で、主に住民を対象とした実証は、累計で30程度にのぼる。実証に参加するWeavers(ウィーバーズ)と呼ばれる住民は、Woven Cityが位置する静岡県裾野市や周辺市町の方を含む約80世帯160人程度が居住している。
Inventors(インベンターズ/発明家)は実証を行い、Weaversからのフィードバックを得て、カイゼンするサイクルを繰り返している。新しいプロダクトやサービスの開発に向けて、発明のサイクルは回り始めている。
そのひとつであるWoven City Integrated ANZEN Systemは、WbyTが開発し、Woven City内で実証実験を行ってきた。2026年9月3日に締結した静岡県とWbyTの連携協定のもと、2026年度内には静岡県の公用車にWbyTのデバイスを取り付け、WbyTがデータを収集するなど、Integrated ANZEN Systemの実証の場をWoven City域外に広げていく。
Inventorである一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)は、Woven Cityの住居内で、住民が依頼した片付けや運搬などの生活支援を行う家庭用ロボットの運用を実証している。9月24日時点で11世帯に導入し、1,000件以上の実行タスクを実証して、フィードバックを得ている。
Woven City内で「上島珈琲店」を運営するUCCジャパン(以下、UCC)は、300件以上の実証参加者の行動データを解析し、グラフで可視化する方法を構築した。次のステップとして、コーヒーの種類が集中度合いにどのように影響するかを調べている。
また、WbyTが開発するWoven City AI Vision Engineは、Integrated ANZEN SystemやUCCの実証で活用されており、現在のバージョンを大幅にアップデートした「Woven City AI Vision Engine 2.0」を2026年年内にリリース予定。実世界で起きている事象の言語化に加えて、なぜその事象が起こったのかを推理する機能や、視覚情報の中で人・モビリティなどの特定の挙動を検知する機能などが追加される。Vision Language Model (VLM)として、これまでは、MVBenchというひとつのベンチマーク(機能ごとの性能評価指標)で世界トップレベルのスコアを記録していたが、AI Vision Engine 2.0は、MVBenchに加えて、推理などの10以上のベンチマークで世界トップレベルのスコアを記録した。
新たに7社がWoven City Inventorsに参画し計31に
「カケザン」の担い手であるInventorsの輪も広がり続けている。アクセラレータープログラム「Toyota Woven City Challenge – Hack the Mobility – 」の受賞者であるAerial Base、アイリス株式会社、株式会社JOYCLE、および株式会社NationXの4社、そして、新たに中部電力ミライズ株式会社、ダイハツ工業株式会社、日立建機株式会社が加わり、Inventorの数は31になった。
■Toyota Woven City Challengeの受賞者
■新たに参画するInventors
Phase 2の建築やビジターの受付を開始
実証実験を加速させるための取り組みとして、昨年実証を開始したPhase 1に加えて、Phase 2では造成工事を終え、建築工事を2026年9月から開始した。建物の竣工は2028年11月末を予定している。Phase 2には、約600人の住民が居住する予定。段階的にエリアを拡張し、エリア全体で2,000人程度が居住予定となっている。
10月1日から一般の方のWoven Cityへの訪問受付も開始。これまで、9月より静岡県民にビジターとして訪問してもらっていたが、この取り組みを全国にも広げ、2026年9月25日からビジターサイトで予約の受付を開始。なお、今年の8月に静岡県民を対象に住民募集を行い、1000件を超える応募があった。この住民募集を通じて2027年3月頃から25世帯程度が居住予定。
オフィシャルローンチから1年を経て、WbyTが掲げる「誰かのために」という想いに共感し、Woven Cityでモビリティの未来にともに挑戦する仲間が増えている。InventorsとWeaversの方とともに実証をさらに加速させ、Woven Cityで発明されたプロダクトやサービスが未来で当たり前に使われ、世界中の人々の幸せに寄与することを目指していく。
■Woven City Phase 1、およびPhase 2の基本情報
構成/土屋嘉久




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