現在、日本で開催中の4年に一度のアジア最大のスポーツの祭典『アジア大会 愛知・名古屋』。今大会から正式競技に追加された新競技が、「テックボール」と「パデル」だ。
この2つのスポーツ、正直初めて聞いた。
調べてみると、「テックボール」はサッカーと卓球を組み合わせたようなアクロバティック競技らしく、「パデル」はテニスから発展した競技だという。
大まかには理解できたが、せっかくならこれから流行るかもしれない新スポーツについて学んでおきたい。もしかしたら、近い将来日本のお家芸的な競技になるかもしれない。
そこで今回、それぞれの協会に取材を試みた。
まずは、9月28日から競技が始まった『パデル』。日本パデル協会理事の大島希巳江さんに魅力を伺った。
――そもそもパデルってどんな競技ですか?
「2対2で行われるラケットスポーツなんですが、テニスコートよりも小さなコートの四方を強化ガラスと金網に覆われた場所でテニスのように打ち合うスポーツです」
――強化ガラスと金網で囲まれてるってちょっとスカッシュっぽいですね
「そうですね。サイドとバックにある透明の強化ガラスでできた壁を使ってボールを返すことができるので3D感覚のゲーム形式が魅力です」
「壁で跳ね返ってきたボールを体を回転させて打ち返したりするたりアクロバティックなプレーがとても刺激的で、また、透明なガラスの中でゲームが行われているので間近で迫力ある試合を観戦することができるんです」
――パデルならではの華麗な技もあるとか?
「特徴的なショットとしてはバンデッハですね。相手のロブに対してスライス回転をかけたコントロールショットで、壁に当たった後に低く沈むので相手が返しにくくなるショットです。また、ボルトレス、ボルクアトロという大技のスマッシュも魅力です。フラットで相手のコートに叩きつけ、ボールを横壁や後ろ壁の外へ飛び出させます。ポイント確定の花形スマッシュは見てて楽しいと思います」
そんなパデルはヨーロッパではすでにメジャーなスポーツで、とりわけスペインではサッカーを抜いて国内トップの競技人口を誇るという。
日本などのアジアではまだ発展途上のように思えるが、実は日本代表が結構強いらしい。
「アジア圏で見ると日本女子チームはトップクラスの実力を誇っています。昨年のパデルアジア杯では優勝を果たし、中でも塚本・徳本ペアは長年ダブルスを組んでいる期待の選手です」
「今回のアジア大会でもメダルの獲得が期待されています。一方、男子は強豪国が多く、特にヨーロッパからの助っ人選手を揃えているUAE、イラン、カタール、インドネシアなどが脅威ですね。日本男子がどこまで食らいついていけるかが見どころとなります」
では、今年のアジア大会で優勝しそうな国は?
「ズバリ、女子は日本人ペアが優勝しそうだと思っています。日本からは2ペア出場予定なので、いずれもメダルを目指してほしいと思っています」
「男子は強豪国が多いので、ドローによってはなかなか難しい戦いを強いられることとなります。しかし、世界トップレベルの選手が中近東の国々から来日しますので、その華麗なるプレーを是非間近で体験していただきたいと思います!」
アジア銀メダルのテックボール日本代表を直撃!
もう一つの新競技「テックボール」は先日、日本代表の早稲昭範・坂本唯那ペアが混合ダブルスで銀メダルを獲得。アジア大会初採用で偉業を達成した。
テックボールとは、湾曲したテーブル上でリフティングやヘディングを繰り出し、「サッカーの技術」と「卓球のような戦術性」を組み合わせた、躍動感とスピード感のあるスポーツだ。
今大会も、まるでアクション映画を見てるかのようなプレーが連発していたのだが、そんな新スポーツについて、アジア大会銀メダルに輝き、日本テックボール協会会長も務める早稲昭範選手に魅力を伺った。
――銀メダルおめでとうございます。初採用の競技でメダルを獲得した今の気持ちから教えてください
「正直なところとても悔しいですが、銀メダルを獲れたことはテックボールの未来につながる価値のある結果だと思っています」
「また、超満員の会場で日本コールを全身に浴びることができて、応援してくださった方々には本当に感謝しています。今回のアジア大会を機にテックボールが盛り上がり、多くの人がテックボールに参加してくれることを期待しています」
――早稲選手が思うテックボールの魅力とは?
「とにかく見たことのないようなアクロバティックなラリーですね。選手が身体を大きく動かしながら正確にボールをコントロールする姿はテックボールの真骨頂かと思います」
「さらに、足を使った強烈なスマッシュや相手の意表を突くドロップショット、胸や腿を使ったコントロールなど、華麗で爽快感のある技の数々も見どころです」
そんなテックボールは2010年代にハンガリーで誕生。近年急速に世界へ広がり、現在では100カ国以上に競技が普及している。
身体接触がないため安全性が高く、プレーもわかりやすい。そして非常に華やかであることなどが、今年のアジア大会から正式競技に採用された理由だという。
日本開催の大舞台で銀メダルという偉業は、テックボールの普及に大きく貢献することだろう。早稲さんの今後の目標、夢を聞いた。
「今回優勝したタイとはまだまだ差があると感じています。しかし日本は、2025年のビーチテックボール国際大会で男子ダブルス優勝やミックスダブルスでのメダル獲得など、世界の舞台でも結果を残し始めています」
「日本開催となった今大会は、は選手としてはもちろん、日本テックボール協会としても準備してきた大会でした。これからは、選手が競技だけに100%専念できる環境作りを進めながら後継者を育成し、4年後の金メダルに向け邁進していきたいと思っています」
文/太田ポーシャ




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