ハハハでもなく、フフフでもなく、ムフッ。そんな笑い声が聞こえてきそうなモノづくりを発信するプロダクト開発チーム・専業ムフが、「月刊ムフ」と題して“ありそうでなかった変な商品”を月に1回、妄想してお届け。
企業によるコラボや、実際の商品化の検討も大歓迎。「これは!」というプロダクトを見つけたら、専業ムフまでお問い合わせを。
【月刊ムフ9月号】貝議室
オフィスで仕事をしている時、ちょっと自分の殻にこもりたくなることはありませんか。
企画書を仕上げたい。オンライン会議に集中したい。あるいは、特に理由はないけれど、今日はあまり誰とも話したくない。
働いていると、そういう日もあります。
しかし会社という場所は、だいたい人と話すようにできています。なぜなら会社だから。
そこで専業ムフは、物理的にも精神的にも殻にこもれるワークブースを開発しました。
その名も「貝議室」。
貝の模様を壁に描いたり、曲線的な家具を置いたりする柔なものではありません。
人が入れるサイズまで、貝そのものを巨大化したデザインです。
中へ入る。殻を閉じる。すると、オフィスから社員がひとり消えます。もちろん、帰ったわけではありません。ちゃんと出社しています。
まずは、ハマグリにこもってみましょう。
基本となるのは、一人用のハマグリ型です。
二枚の殻を縦向きに設置し、片側を大きく開閉できる構造にしました。中にはデスクと椅子、照明、電源、換気設備。普通に仕事ができます。貝なのは外側だけ。
外観は、茶色い模様や細かな成長線まで、できるだけ本物のハマグリを再現することにこだわりました。
席に着いたら、殻を閉じます。これで、外からは中の様子がほとんど見えません。
電話もオンライン会議も資料作成も、すべてハマグリの中で完結します。画面の向こうの相手は、あなたが貝の中から参加しているとはまさか思いません。
二人でこもるなら、ホタテです。
一人でこもるだけでは、仕事にならないこともあります。誰かと相談したい。でも、周囲には聞かれたくない。
そんな時には、二人用のホタテ型です。
下側の殻に二人分の座席と小さなテーブルを設置。二人が座ったら、背後に大きく立ち上がっていた上側の殻が、ゆっくり閉じます。会議開始です。
外から見えるのは、巨大なホタテが一枚。中では二人の会社員が、最近よく通っているおいしいスパイスカレー屋の話をしています。
話の重要度と、外観の立派さは必ずしも一致しません。
会議が終了すると、殻が再び開きます。中から二人が出てきます。意見がまとまっているかどうかまでは、機械では確認できません。閉じる前と、特に何も変わっていない可能性もあります。
もっと深くこもりたい人はサザエ。
ハマグリでは、まだ外界との距離が近すぎる。より深い集中状態になりたい。そんな人のために、超プライベートタイプのサザエ型も用意しました。
サザエには、二枚貝のような大きな開閉式の殻がありません。その代わり、螺旋状の奥行きがあります。
丸い入口から中へ入り、殻のカーブに沿って少し回り込み、そのさらに奥にデスクを配置しました。入口から仕事中の人は見えません。声も少し遠くなります。
さらに、入口にはサザエのフタを模した丸い扉を取り付けました。
「田中さんはどこ?」
「またサザエにこもっているんじゃないですか?」
会社に長く勤めていると、こういう会話にもそのうち慣れるでしょう。人間はだいたい慣れます。
社員が増えたら、カキを増設しましょう
一人用ブースを大量に設置したい場合は、カキ型が向いています。
細長く、不揃いな殻を、オフィスの壁際に少しずつ向きを変えて並べます。十を超えるカキ型がオフィスに並ぶ光景は圧巻です。
朝は、すべてのカキが開いています。出社した社員は、空いている殻をひとつ選び、中へ入ります。
9時を過ぎる頃には、壁一面のカキが次々と閉じていきます。人は見えません。しかし全員ちゃんと働いています。たぶん。
夕方になると、閉じていた殻が一枚ずつ開き、中から社員が出てきます。貝の中での作業効率はひとそれぞれですが、みんな一日分の仕事を終えた清々しい顔をしています。
【今月のNGカット】
巻貝型もつくってみました。トリックアートのような異空間が広がる貝議室です。
専業ムフとは?
ハハハでもなく、フフフでもなく、ムフッ。専業ムフは、思わずムフッと笑っちゃうモノづくりを行うプロダクト開発チーム。暮らしにムフッがあると、毎日がもっと楽しく、ドキドキするものに変わるはず。“なくてもいいけど、あると楽しい”をお届けします。
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