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りくりゅうはなぜ相性抜群なのか?研究でわかった「一緒に運動する夫婦」がうまくいく理由

2026.09.29

体育会系カップルの半数は一緒に運動していない

ミラノ・コルティナ冬季五輪での活躍が記憶に新しい“りくりゅう”だが、ご存知のようにその後には婚約発表もニュースになっている。もちろん体育会系カップルは珍しくはなく、学校時代に同じ部活やサークルだった男女がカップルになるケースも少なくないのだろう。

現役引退後も運動を続けるかどうかは人それぞれだが、運動習慣を続けていたとしても意外なことにカップルは必ずしも2人で一緒に運動をしているわけではないことが新たな研究で報告されている。

米ブリガムヤング大学の研究チームが今年8月に「Family Relations」で発表した研究では、約1700組の既婚カップルを対象に調査を行い、運動習慣に関する質問で妻の約58%、夫の約60%が定期的に運動していると回答している。しかしながら意外なことに夫婦で一緒に運動していると回答したのは約3分の1だった。つまり共に運動習慣があっても、約半数は一緒に運動をしていないのである。

カップルの大半は新婚の時点から10年間の追跡調査の対象になっていることから、回答時には約46%のカップルに子どもがいた。したがって小さな子どもがいると夫婦2人きりの時間を持つのが比較的難しいことを反映しているのかもしれない。

とにかく時間にシビアになりがちな子育て世代だが、しかしそうだとしても同研究チームによれば、配偶者と一緒に運動することがより良いコミュニケーション、より効果的な夫婦間葛藤(marital conflict)の解決能力、そして夫婦間のストレスレベルの低下につながっていると報告している。

一緒に運動するカップルは関係良好

前出の対象カップルの調査により、研究チームは個人で行うトレーニングと、カップルで一緒に行う身体活動が、コミュニケーション、対立解決、夫婦間のストレスという3つの関係性の結果に及ぼす影響を比較検証した。

分析の結果、どちらの運動習慣もより健全な結婚生活につながることが明らかになったが、一緒に運動するカップルの方がより良好なパートナーシップを築いていることが分かった。

一緒に行う運動としては、ウォーキング、ランニング、筋力トレーニング、ジムでの運動、スポーツ、水泳、ハイキング、サイクリングなどが挙げられた。

中でもウォーキングは人間関係に最も良い影響を与え、研究者たちはウォーキングが最も多くの会話の機会を生み出していると説明している。

このことはカップルが関係を良好に保つために、高額なジムの会員になったり、ガレージに凝ったトレーニングマシンを設置したりする必要はないことを示唆している。

ブリガムヤング大学のジェレミー・ヨーガソン教授は「私たちの研究結果は、共同運動が、わずかではあるものの、対立を平和的に解決する能力を促進することを示唆しています」と同大学のプレスリリースで述べている。

「人々は、一緒に運動した際に、コミュニケーションと対立解決においてより肯定的な結果を報告しました」(ヨーガソン教授)

絆を深めるウォーキング中の会話

研究チームはまた、一緒に運動するカップルは、配偶者の話をよりよく聞き、配偶者から自分の話を聞いてもらえている、支えられているという感覚がより強いことを突き止めた。

ヨーガソン教授によればこうした相互作用が、一緒に運動することでより健全なコミュニケーションや対立解決につながる理由を説明できる可能性があるという。

重要な話をするのに必ずしも密室や個室が必要なのではなく、屋外で一緒にウォーキングしてみれば好ましい話し合いになりそうでもある。

しかしながら研究チームは、一緒に運動することが人間関係の問題を解決する特効薬ではないと注意を促している。一緒に運動することをむやみに過大評価すべきではないようだ。

研究チームは家族で一緒に運動することは、学校生活や子育てといったさまざまな要求の中で、家族が定期的に絆を深める機会を作ることができる多くの健康的な習慣の一つであると説明する。

ほぼすべての活動は人的交流で幸福度が高まる

生活習慣の見直しから筆者も最近は朝や夕方に公園を走ることもあり、そこで一緒にジョギングしているカップルを見かけることもあるが、やはりウォーキングやジョギングをしている者の大半は単独行動である。

決まった時間に走るというのも仕事をする社会人には現実ではなかなか難しく、多くは時間ができた時に思い立って着替えて外に出ていそうであり、そうなると必然的に単独行動になってしまうだろう。

しかしそれでも我々は本質的に社交的な生き物であり、昨年のブリティッシュコロンビア大学の研究では、ウォーキングやランニングなどのアクティブなレジャー活動を含むほどんどすべての日常的活動は、人との交流と組み合わせることで幸福度を高めることが報告されている。

ちなみに飲食は人的交流と組み合わせた場合に幸福度が最も大きくなる傾向が見られ、逆に他者と一緒に行うとむしろ気分が損なわれる唯一の活動は台所掃除であった。

読書、美術工芸、通勤といった従来は一人で行う活動でさえ、誰かが一緒にいる方がより楽しいと評価されたという。いつも一人で走っていたとしても、時には仲間と走る機会を作ってみてもよいのだろう。

※研究論文(2026年)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/fare.70260

※プレスリリース
https://news.byu.edu/intellect/could-a-walk-strengthen-your-marriage-byu-researchers-say-yes

※研究論文(2025年)
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/19485506251364333

文/仲田しんじ

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北海道生まれ東京育ち。学業ドロップアウト後、小説家を志しつつ広告代理店営業マン、任期制陸上自衛官、家電販売員などを経て経て出版業界へ。アスキーなどで編集者として勤務した後、フリーライターとして活動。科学から心理学まで幅広いテーマを執筆。ネット上の研究論文を読むのが趣味。大型自動二輪免許を持っている。 X: @nakata66shinji

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