ChatGPTをはじめとする生成AIが急速に普及しているが、ゲームを作る現場ではどれくらい使われているのだろうか。
一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の「CESAゲーム産業レポート2026 プレビュー版」では、ゲーム業界におけるAI・生成AIの活用状況について調査している。
その結果を見ると、ゲーム開発者の85.8%が生成AIを業務で利用。さらにCESA会員企業でもAI活用が前年の約5割から約7割へ拡大するなど、AIはゲーム開発の現場へ急速に浸透している。
一方で、生成AIの出力をそのまま使うのではなく、人による確認や修正、監修を行う企業も多い。ゲーム業界ではAIをどのように使い、何を期待しているのだろうか。
ゲーム開発者の85.8%が生成AIを業務で利用
まず驚かされるのが、生成AIの普及率だ。
ゲーム開発者を対象とした調査では、生成AIを「日常的に利用している」が63.0%、「時々利用している」が22.8%だった。
両者を合わせると85.8%。実に8割を超えるゲーム開発者が、何らかの形で生成AIを業務に取り入れていることになる。
さらに「試験的導入・検証している」が8.6%。「一度も利用したことがない」は4.8%、「以前は利用していたが、現在は利用していない」は0.7%にとどまった。
CESAは「生成AIは一部の先進的な利用者だけのものではなく、ゲーム開発の現場に広く定着しつつある」としている。
企業のAI活用も「5割」から「7割」へ
企業単位でもAI活用は拡大している。
CESA会員企業を対象にした調査では、生成AIを除くAI技術について、「本格的に導入・活用している」が18.2%、「実証実験・試験導入段階」が25.0%、「一部プロジェクト・業務で活用している」が25.0%だった。
合計すると68.2%となり、およそ7割の企業が実証段階を含めてAIを導入していることになる。
前年調査では約5割だったことから、わずか1年でAI活用が大きく広がった格好だ。
活用領域も広く、ゲーム開発だけでなく、データ分析・予測、品質管理、マーケティングなど、さまざまな用途でAIが利用されている。
生成AIに最も期待されているのは「業務効率化」
では、ゲーム会社は生成AIに何を期待しているのだろうか。
最も多かったのは「業務効率化・生産性向上」の38社。続いて「開発期間の短縮」が30社、「開発・運営コストの削減」が29社となった。
さらに「多言語対応・グローバル展開の促進」が24社、「新たな表現・アイデアの創出」が22社、「コンテンツ・サービス品質の向上」が21社、「人材不足への対応」が20社となっている。
生成AIというと画像や文章などを「作る」用途が注目されやすいが、ゲーム会社が最も期待しているのは、むしろ仕事を効率化し、開発にかかる時間やコストを抑えることのようだ。
生成AIは「アイデア出し」や「文章作成」に活用
ゲーム開発者個人の使い方を見ると、生成AIの用途は幅広い。
資料では、生成AIを活用する業務として、アイデア出し・企画支援、文章作成・要約・校正、プログラミング支援、翻訳など、さまざまな用途が挙げられている。ゲーム制作そのものだけでなく、開発を取り巻くさまざまな業務に生成AIが入り始めていることが特徴だ。
また、生成AIを利用するメリットとしても、業務効率化や作業時間の短縮などが挙げられており、企業側が期待する効果とも重なる。
AIに「丸投げ」ではない。人による監修を重視
もっとも、ゲーム会社が生成AIに仕事をそのまま任せているわけではない。
生成AI利用における管理・運用上の取り組みでは、「人による確認・修正・監修を行っている」という回答が最も多かった。そのほかにも、利用する生成AIツールの指定・制限や、生成された出力物をそのまま利用しないといった運用が行われている。
CESAも、こうした結果について、人の監修を軸に安全な運用体制を整えながら生産性向上を図っているゲーム産業の姿が表れているとしている。
最大の課題は「著作権・知的財産権」
生成AIの利用が急速に進む一方、課題もはっきりしている。
企業が生成AIを活用するうえで挙げた課題では、「著作権・知的財産権」が最も多かった。
ほかにも、情報漏洩やセキュリティ、生成物の品質・正確性など、さまざまな問題が意識されている。ゲームにはプログラムだけでなく、キャラクター、画像、音楽、シナリオなど多くのコンテンツが含まれる。生成AIをどこまで、どのようなルールで利用するのか。活用が広がるほど、その管理も重要になっていることがうかがえる。
ゲーム開発では生成AIの利用がすでに「8割超」
生成AIを日常的に利用するゲーム開発者は63.0%。「時々利用」まで含めれば85.8%に達する。
さらに企業側でもAI活用は前年の約5割から約7割へと拡大。生成AIには業務効率化や開発期間の短縮、コスト削減などが期待されている。
一方で、人による確認・修正・監修を行い、著作権や知的財産権などの課題にも対応する必要がある。「AIにゲームを作らせる」という単純な話ではなく、人が監修しながらAIを開発ツールとして使う。CESAの調査からは、そんなゲーム開発現場の現在地が見えてくる。
出典:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)「CESAゲーム産業レポート2026 プレビュー版」
文/編集部




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