9月は防災月間。日頃の備えを見直したい時期だ。そこで盲点になりがちなのが、電気製品などが原因の 〝電気火災〟 である。
調査によると、防災意識の高い人であっても電気火災への備えが抜け落ちている実態が判明した。見落としがちなリスクや対策を有識者の視点から紐解く。
火災原因の約65%が電気!防災意識が高い人ほど見落とす「感震ブレーカー」の盲点
「Looopでんき」を提供するエネルギー事業者「Looop」が2026年7月、全国の親子558組を対象に「防災に関するアンケート調査」を行なった。結果、親の38.6%が「防災ができている」と回答した。
しかし、具体的な実施内容を尋ねると「非常用の水や長期保存食の買い足し(29.6%)」や「ハザードマップの確認(23.8%)」が中心であった。
一方で、「感震ブレーカーの設置(9.7%)」は最も実施率が低かった。
感震ブレーカーとは、地震の揺れを感知して自動で電気を遮断する機器のことだ。避難時にブレーカーを落とす余裕がない場合、電気火災を防ぐ有効な手段となる。経済産業省も大規模地震への備えとして普及を推進している。
東日本大震災では、本震の地震動に起因する火災のうち、過半数(約65%)が電気を火源とするものだった(※)。電気火災の予防策は必須と言えるだろう。
※出典:内閣府「大規模地震時の電気火災の発生抑制対策の検討と推進について」, 平成27年3月
停電復旧時に発生する「通電火災」の恐怖と有識者が語る予防策
大地震が発生した際、電気火災が起きる原因にはどんなことがあるのか。またその予防策について、Looopの広報担当 福田沙季氏に聞いた。
「大地震発生時の電気火災は、家電の転倒による発火や、落下物による電源コードの損傷などで発生しています。
特に、転倒した電気ストーブなどの暖房器具に可燃物が接触して出火するケースや、損傷したコードが停電復旧時にショートして着火する『通電火災』の危険性が高まります」
●地震への予防策
「予防策としては、一定の揺れを感知し自動的に電気を遮断する 〝感震ブレーカー〟 の設置や、家具の固定が極めて有効です。
また、平時から災害・停電時にすべき行動をリストアップしておくことも重要と考えます。 〝避難時には必ずブレーカーを落とす〟 といった対応を確認しておくことが対策となります」
何気ない配線の扱いがショートを招く?「トラッキング」やプラグの変形から家を守る日常の点検
ところで、電気火災は平時にも十分起き得る。日頃からの意識と予防の強化が欠かせない。どんなリスクと予防策があるか。
「日常的な電気火災のリスクは、何気ない家電や配線の扱いに潜んでいます。
例えば、コードが家具の下に挟まれたり、踏まれたりしている、結束バンドできつく結んでいる、コンセントから電源プラグを抜くときにコードを引っ張る、コードが傷ついた状態で使っている、といった行為は『ショート』や『半断線』による発熱を引き起こす恐れがあります。
またプラグをずっとコンセントに挿したままにしていると埃が溜まり、『トラッキング』による出火の原因となります。
さらに、スマホの充電器や家電のプラグを挿しっぱなしにしている際に、プラグがしっかり挿し込まれていなかったり、変形していたりすると『接触部の過熱』を招き、火災につながる恐れがあります」
●日常の予防策
「コードをつぶさないようにしたり、無理に引っ張らないなどの取り扱いを慎重にして、傷のない状態で使用します。
また使っていないプラグはコンセントから抜いておき、コンセントやプラグ周りに埃をためないようにすることが大切です。
プラグを挿す際には、しっかり挿し込まれているか確認しましょう」
防災意識が高まる今の時期、手薄になりがちな電気火災のリスクを理解し、予防策をとっておくことは有効といえそうだ。また防災グッズに感電ブレーカーを入れていなかった人は、この機会に加えておこう。
取材・文/石原亜香利
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