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家族による介護を希望する割合が高いのは「介護を受ける側の親世代」と「介護をする側の子世代」どっち?

2026.09.27

いつかは向き合わなければいけない介護の問題。親世代は自分自身、子供世代は親が要介護になった場合、何割程度が「家族・親族による介護」を希望しているのだろうか?

ダスキンはこのほど、60代~80代の親世代1,000人、および20代~50代の子世代1,000人を対象にした介護に関する実態調査を行い、その結果を発表した。

介護に対するイメージに変化はないが、「家族だけで担うもの」という意識は変化している

■介護の「イメージ」自体は、この4年で大きくは変わっていない

親または子と離れて暮らす2,000人(親世代1,000人、子世代1,000人)に介護に関する調査を行い、過去の調査結果と比較した。介護のイメージを聞くと、「精神的な負担が大きい」(67.9%)、「肉体的な負担が大きい」(62.8%)など、負担に関する項目が引き続き上位を占めた。

2023年調査(それぞれ70.8%、64.3%)と比べるとやや低下しているものの、その差は大きくない。介護を「親孝行」と捉える人も29.8%(23年32.1%)で、前回調査を下回ったものの、明確な変化があったとまではいえない。これらの結果から、介護に対する基本的なイメージは、この4年間で大きく変化していないことがうかがえる。

■「家族だけで担う」という介護の前提に変化

上記の介護の「イメージ」では大きな変化は見られなかった一方、「家族の役割」に対する考え方には変化が認められた。「自身や両親に介護が必要になった場合の生活」について尋ねたところ、「介護での家族の役割」に関わる4つの質問項目で、2023年から2026年にかけて、同じ方向への変化が見られた。

減少した項目は「家族は一緒に暮らすべき」(23年49.1%、26年42.3%、6.8pt減)、「家族の問題は家庭内で解決すべき」(23年46.4%、26年40.0%、6.4pt減)、「家族に介護してもらえるほうが嬉しい」(23年48.6%、26年44.0%、4.6pt減)となった。一方、増加したのは「早いうちに施設入所が良い」(23年62.6%、26年67.5%、4.9pt増)となった。

これらの4項目はいずれも統計的に有意な変化が確認されており、介護を家族だけで担うのではなく、社会的な支援やサービスを活用しながら支えていくものとしてとらえる介護観への変化がうかがえる。

■介護を受ける側の親世代より、介護をする子世代の方が「家族による介護」を希望

介護が必要になった時の方法で「家族・親族による介護」を希望した親世代は27.5%、子世代は56.8%で29.3ptの差が生じた。介護を受ける側である親世代よりも介護をする側の子世代のほうが、家族が担うものだと考えており、担い手についての考えの相違が表れる結果になった。

2023年の調査結果でも同様で、親世代が26.0%、子世代が56.7%と、30.7ptの差が生じている。この差の数値は、2023年と2026年(30.7pt→29.3pt)で大きく変化はしていない。

外部の介護サービスやプロへの「頼る意識・安心意識」が定着、社会と連携した介護へ

■外部の介護サービスを「積極的に頼るべき」は、23年から26年まで連続9割強

外部の介護サービスに頼るべきかを聞くと、全体の92.1%が「頼るべき」と答えている。同質問の回答は、2023年の92.9%以降、2024年92.5%、2025年93.3%と継続して9割を超えていることから、外部の介護サービスを活用する意識が広く定着していることがうかがえる。

■介護経験の前後で、外部サービス利用への意識が異なる。また、23年から26年の間で「家族で介護」は減少し、「介護のプロは安心」が増加

次に、調査対象者の中から介護経験のある人1,000人(親世代500人、子世代500人)を対象に、介護を経験する前と後での考えの変化を尋ねた。「家族は自分の手で介護すべきだ」という考えを持つ人は、介護経験前の17.3%に対し、介護経験後は7.6%となり9.7pt低下した。

2023年調査でも、介護経験前の21.2%に対し、介護経験後は10.0%と、11.2ptの差が見られた。また、2023年と2026年を比較すると、「家族は自分の手で介護すべきだ」と考える人は、介護経験前(23年21.2%→26年17.3%)と介護経験後(23年10.0%→26年7.6%)のいずれでも、減少している。

このほか、「家族の介護を他人に任せるのは罪悪感がある」という項目でも、介護経験前の15.6%に対し、介護経験後は6.3%となり9.3pt低下した。2023年の調査でも、介護経験前の17.7%に対し、介護経験後は7.3%と、10.4ptの差が見られた。

続いて、「介護のプロに頼ると安心」という考えについて、介護経験の前後でそれぞれ回答してもらうと、介護経験前は46.4%が「安心だと思う」と答えたのに対し、介護経験後は64.0%になった。

以上の結果から、介護の経験が、外部の介護サービス利用に対する心理的障壁を取り除いていると推測できる。しかし、これらは介護経験前の気持ちを回顧して回答した結果であるため、「経験すると変わる」という因果はなく、「介護経験したことで、回答者自身が変わったと“感じている”」ことを表わしている。

■介護で求められるサポートは「短期サービス」「行政の支援」「長期的な介護サービス」が上位。外部介護サービスや公的支援が「家族・親族の協力」を上回る

親世代に対して、自分自身の介護に必要なサポートを聞くと、「デイケアなど短時間でも依頼できるサービス」が60.8%(23年57.9%から2.9pt増)、「行政の支援」が59.4%(23年54.7%から4.7pt増)、「老人ホームなど長期的に介護を依頼できるサービス」が59.2%(23年58.8%から0.4pt増)、「介護職や専門家のアドバイス・サポート」が54.0%(23年51.8%から2.2pt増)など、外部からの支援や専門的なサポートが上位に挙がった。

子世代に対して、両親の介護に必要なサポートを聞くと、「デイケアなど短時間でも依頼できるサービス」が58.2%(23年64.8%から6.6pt減)最多で、以下「行政の支援」が58.1%(23年62.5%から4.4pt減)、「老人ホームなど長期的に介護を依頼できるサービス」が55.8%(23年56.5%から0.7pt減)と続いた。

これら上位に挙げられたサポートは、「家族・親族の協力」(親世代:23年43.9%、26年43.4%、子世代:23年56.5%、26年54.7%)を上回っており、家族・親族の協力よりも、専門職や行政による支援がより求められていることがわかった。

これらの調査結果から、介護は家族が担うものという意識が薄れている傾向がうかがわれる。中でも介護経験を経た人ほどその傾向が強く、外部の介護サービスや公的支援を活用した連携型の介護へと変化していると推察できる。

介護についての親子の話し合いは難しい

■話し合いをしている人は、親世代13.8%、子世代22.5%と少数派。その割合は、親世代で減少傾向が見られる

介護の準備では、親世代の希望を尋ねるなど話し合いが大切だ。「老後の世話(介護)」について話し合ったことがある人は、親世代で13.8%(22年18.4%)、子世代で22.5%(22年25.0%)となった。2022年と比較して、親世代は4.6pt減と有意に減少が見られた。

■「将来の介護について家族で話し合うのは難しい」と思う人は全体の約6割。親世代より子世代の方が遠慮がち

介護について話し合う人が少ないのが現状だが、その背景にどんな意識があるのだろうか。将来の介護のことを事前に「家族で話し合うのは難しい」と思う人は全体の約6割(58.7%)となった。親世代は54.1%、子世代は63.3%と9.2pt差があり、親世代よりも子世代のほうが、話し合いに遠慮をしている様子がうかがわれる。

介護の備えが必要と思うも、介護経験のない人は準備が進んでいない

■介護の備えが必要だと思う人は95.1%と大多数

次に、備えの必要性について尋ねた。「自分に介護が必要になった場合に備えて、自分で金銭面などの準備をしておくべき」という考えに、「そう思う」(50.1%)と「ややそう思う」(45.0%)と回答した人の合計は95.1%に上り、大多数の人が準備の必要性を感じていることがわかった。

■介護経験のない人のうち「準備をしていない人」は約7割。具体的な準備の行動のTOPは「金銭」17.3%、「公的制度や相談先の把握」は7.5%とわずか

介護経験のない人1,000人(親世代500人、子世代500人)に準備の状況を聞くと、「特に何も準備していない/いなかった」が67.8%と約7割を占める。事前に準備できているものとしては「金銭的な準備」が17.3%、「公的制度や行政窓口、相談先を把握」が7.5%、「情報収集(介護施設の資料を取り寄せ、比較検討・外部サポートの費用や利用条件の検索など)」が6.8%で、実際に行動を起こしている人はあまり多くない。

要介護になった時、不安や心配事がある人は約9割と大多数。子世代の心配は「時間」と「仕事」

親世代に、自身が要介護になった時に不安や心配事があるかと聞いたところ、「ある」人は91.6%(23年90.6%)と大多数で2023年から横ばいだ。一方、子世代に両親が要介護となった場合の不安や心配事について聞いたところ92.2%(23年95.5%)で、2023年に比較して3.3ptの減少が見られた。

■親世代・子世代とも“精神・身体・経済”の3項目について心配している

要介護になった時に不安・心配事があると答えた人(親世代916人、子世代922人)を対象に、その内容を聞いた。親世代では上位に「身体的な不安・負担」71.4%(23年72.2%から0.8pt減)、「精神的な不安・負担」61.6%(23年67.8%から6.2pt減)、「経済的な不安・負担」59.8%(23年61.8%から2.0pt減)が挙げられた。

子世代に対して両親が要介護となった場合の不安・心配事を聞くと、「経済的な不安・負担」73.4%(23年73.8%から0.4pt減)、「精神的な不安・負担」71.6%(23年72.9%から1.3pt減)、「身体的な不安・負担」60.8%(23年65.8%から5.0pt減)が上位となった。以上の項目の中で減少が大きかったのが、親世代では「精神的な不安・負担」(6.2pt減)、子世代では「身体的な不安・負担」(5.0pt減)で、その他の項目は横ばいだった。

不安・心配事の内容の中で、両世代で最も差が開いた項目が「時間的な不安・負担」で、親世代の12.9%と子世代の60.3%では47.4ptの差が生じた。また、「仕事に対する不安・負担」でも親世代4.5%、子世代41.6%と37.1ptの差が生じた。

<ダスキン ヘルスレント「介護白書2026」調査概要>
●調査時期:2026年6月2日(火)~6月6日(土)
●調査対象:
親世代=自身の年齢が60代~80代で別居の子どもがいる男女1,000人(介護経験あり500人・なし500人)
子世代=自身の年齢が20代~50代で60代~80代の別居する親がいる男女1,000人(介護経験あり500人・なし500人)
●調査方法:インターネット調査
●調査委託先:マクロミル
※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある。
※経年比較は、いずれも同一設計(n=2,000)の各年調査との比較。本文中の「有意」は統計的検定(母比率の差の検定)に基づく。

出典元:株式会社ダスキン

構成/こじへい

Author
1986年、神奈川県生まれ。ライター歴は15年目で、現在は主にPR、芸能、YouTube関連の記事を執筆しています。

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