小学生の不登校というと、「先生や友達との人間関係が原因」というイメージを持たれることがあるが、果たして本当にそうだろうか?
全国で不登校支援事業を行うスダチはこのほど、無料相談時に保護者(家庭)から回答してもらったヒアリングデータ1,358件(2025年1月~2026年6月)をもとに、小学生の不登校のきっかけと再登校の実績を集計し、その結果を発表した。
結果1:全体1位は「分からない」、それでも学年が上がるほど「人間関係」が増加傾向
小学生の不登校のきっかけを複数選択(最大3つ)で尋ねたところ、最も多かったのは「分からない」(574件、42.3%)で、「人間関係のトラブル」(457件、33.7%)を上回った。以下、「先生とのトラブル」(228件、16.8%)、「家庭内の問題」(197件、14.5%)、「勉強面でのトラブル」(180件、13.3%)と続いた。一方で「いじめ」は63件・4.6%にとどまり、上位には入らなかった。
中学生・高校生ではいずれも「人間関係のトラブル」が1位になるのに対し、小学生では「分からない」が最多である点が大きな特徴だ。低学年の子どもほど自分の気持ちや状況を言葉で説明することが難しく、保護者側からも原因を特定しにくいことを反映していると考えられる。
また「先生とのトラブル」は小学生全体で16.8%と中学生(11.5%)・高校生(8.6%)より高い水準で推移し、特に小学5年生では20.7%に達している。
男女別では「人間関係のトラブル」が女子37.6%・男子30.2%と女子でやや高く、ASD・ADHD・LDといった発達特性に関する項目(保護者の回答に基づく集計であり、医学的診断ではない)はいずれも男子で高い傾向が見られた(例:ASD男子8.9%/女子3.7%)。
結果2:小学6年生で「分からない」と「人間関係」が逆転
学年別に「分からない」と「人間関係のトラブル」の割合を見ると、「分からない」は小1の53.9%から小6の37.3%まで一貫して低下し、「人間関係のトラブル」は小1の24.8%から小6の39.6%まで上昇する。
小学6年生の時点で「人間関係のトラブル」(39.6%)が「分からない」(37.3%)を上回り、最多のきっかけが入れ替わった。同時に「デジタル依存」も小1のわずか3.6%から小6の19.6%まで急増している。
結果3:きっかけが何であれ、再登校の実績はほぼ同じ
小学生全体の再登校成功率は96.0%(有効分母251件)だったが、きっかけ別に見ても大きな差はなかった。「分からない」が93.6%、「人間関係のトラブル」が96.3%、「先生とのトラブル」が100.0%、「家庭内の問題」が97.4%、「勉強面でのトラブル」が97.4%と、いずれも90%台半ば~100%に収まり、統計的な誤差の範囲となった。再登校までの日数(中央値)も24~33日とほぼ横並びだった。つまり、不登校のきっかけが何であれ、その後の再登校のしやすさは変わらないということだ。
まとめ
今回の集計から、小学生の不登校のきっかけは「分からない」が最多である一方、これは主に低学年に偏った傾向であり、学年が上がるにつれて「人間関係のトラブル」が最多要因に入れ替わっていく実態が見えてきた。「原因がわからない」という状態は特別なことではなく、小学生の不登校においてはむしろ一般的な実態だといえそうだ。また、不登校のきっかけが何であれ、再登校の成功率(96.0%)や日数に大きな違いは見られなかった。原因を特定できてもできなくても、支援を受けることで再登校を目指せるといえそうだ。
なお、本データはスダチの無料相談時に回答してもらった家庭を対象としたものであり、全国の不登校児童の実態を完全に網羅するものではない。
<調査概要>
調査主体: 株式会社スダチ
集計対象: 株式会社スダチの無料相談時に回答した、
不登校の小学生(1~6年生)をもつご家庭
件数(n) : 1,358件
回答期間: 2025年1月~2026年6月
設問 : 「お子さんが不登校になったきっかけは何ですか?」
(複数選択・最大3つまで)
出典 : スダチ ヒアリングデータ
出典元:株式会社スダチ調べ
構成/こじへい




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