バブル崩壊後の景気低迷や就職氷河期──。ため息ばかりだった日本へ、1997年、ひとりの刑事が希望と興奮をもたらした。出世より現場。慣例より行動。根回しより正義感。当時、多くの共感を集めた青島俊作の姿は、今見ても驚くほど新しい。そして2026年、あの青島が帰ってくる!創刊40周年、彼と同じ時代を生きてきたDIMEでは、世代を超えて愛される『踊る大捜査線』シリーズの軌跡を総力取材。令和のビジネスパーソンに再び熱をもたらすヒーローの姿とは? 踊る旋風を見逃すな!
テレビの中で見た「青島俊作」は、本当に存在した!その隣に立った時、シリーズ最新作から加わった〝ルーキー〟たちは何を感じたのか。
今回、作品に新たに加わった芝田ひばり役の趣里、美浦 秋役の白洲 迅の2人が語るのは、約30年続く『踊る』ならではの空気と、変化を恐れず走りつづけるひとりの俳優の姿。そして、現在に受け継がれる魅力を、新たに加わった2人の視点からひもといていく。
青島の〝熱〟を継ぐ若き熱血刑事!
趣里 as
台東警察署刑事課強行犯捜査係
芝田ひばり

趣里
1990年9月21日生まれ。2011年に『3年B組金八先生・ファイナル「最後の贈る言葉」』(TBS)でデビュー。以降、多数のドラマ・映画に出演。主演作『大空港〜GATE24〜』(テレビ朝日系)が放送中。
青島イズム継承者!?ひばりが秘める情熱
──『踊る大捜査線』(以下、『踊る』)を見ていた立場から「中の人」となりました。どんな気持ちですか?
本当に驚いて、オファーをいただいた時に3度聞き直しました。
──今回演じられた「ひばり」はどんなキャラクターですか?
監督とプロデューサーには、ひばりは「最初に殉職する刑事」と言われました(笑)。後先考えずに、現場に突っ込んで命を落とすタイプ、と。考えるよりも先に体が動く「じゃじゃ馬」気質は、青島刑事と似ているかもしれません。落ち込んでも、すぐ「よし!」と切り替えて〝チーム青島〟の一員として成長するひばりの姿には、とても共感できます。
──ひばりは〝青島イズム〟の継承者ですね。趣里さんから見た、素の織田裕二さんの印象は?
『踊る』初参戦の私や白洲さんに、気さくに接してくださり、大好きになりました。役作りの姿勢も真摯で「ついていかなきゃ、いやついていきたい!」と思わせてくれます。織田さんと一緒にいるうちに、私にもひばりが自然と舞い降りてきて「つかめたかも!」という心境になりました。
──撮影を通して、これが『踊る』だ!と感じたことは?
心が震える一言の直後にオチがつくという、シリアスとユーモアの絶妙なバランスです。言葉の引力に引き寄せられたあとに、スコーンと抜ける展開が印象的でした。そして、現場で直に見た「青島コート」とエキストラの数に感激! この2つの要素は、ストーリーにも関わるキーワードなので楽しんでもらいたいです。
──やはり「青島コート」は『踊る』のシンボル。DIME世代にはたまりません。では、趣里さんの目線で考える最新作の魅力を教えてください。
今回の『踊る』は、青島刑事世代の奮闘と、新たに登場する若い世代の気づきの力がシンクロした物語になっています。織田さんは撮影現場で、時には力強く、時にはさりげなく私たちを盛り上げてくれましたが、劇中にも、過去作とは一味違う青島イズムがあふれています。年齢や世代を問わず「もう一歩踏み出してみよう」と、青島刑事にきっと背中を押してもらえると思います。
Who is ひばり
「ひばりは正義感にあふれていて、とにかく最前線で捜査をして凶悪犯を捕まえたい人。もし室井さんがいたら、なんて言うんだろう? 『昔の君に似ているな』なんて青島刑事につぶやいていそう」(趣里さん)

青島に新たな価値観を与えるクール刑事!
白洲 迅 as
麻布中央警察署刑事課強行犯捜査係
美浦 秋(しゅう)

白洲迅
1992年11月1日生まれ。デビュー以降、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』や『刑事7人』シリーズ(テレビ朝日系)など出演多数。NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』に佐々成政役で出演中。
変わらない『踊る』と変わりつづける青島の背中
──あこがれの『踊る』メンバーと共演されていかがでしたか?
「うわぁ、テレビで見ていた人たちだ!」の連続でした。青島刑事をはじめ、真下さん、雪乃さん、緒方さんたちの今を、誰よりも早く、間近に見られる優越感にひたりました。歳月が流れていても、みなさん全く変わってない。長いこと向き合ってきたから、すぐに戻れるのでしょうね。そこを垣間見られたのがうれしくて、僕もそうなりたいと思いました。
──そんな、いち『踊る』ファンから見た素の織田裕二さんとは?
ピュアな情熱と柔軟な考えを併せもった方です。約30年続く『踊る』の現場には共通の青島像があるのかと思っていましたが、それが全くなく、「こんな青島刑事もありなのか!」って。変われる勇気と大胆さがかっこよく、あこがれます。
──美浦は、青島刑事とはまた違った冷静沈着なタイプですよね。
熱量という点では、美浦と青島刑事は対極ですね。美浦役のオファーをいただいた時は、うれしさと同時に「僕に求められているのはハツラツとしていない感じなのか?」と悩みましたけど(笑)。そんな印象を、良い意味で裏切れたらと思いながら、青島刑事と接するうちに変化する美浦を丁寧に演じさせていただきました。
──美浦たちと青島刑事の世代差もテーマだと思います。
世間でいう「ゆとり世代」の僕も、10代、20代に対するジェネレーションギャップを感じる年齢になりました。きっと、青島刑事も、そして織田さん自身も、そんな経験をしてきたのでしょう。押し付けではなく、いつのまにかその背中を追いかけたくなる、歳を重ねた青島刑事の魅力を、今作で再発見していただきたいです。
──最後に、白洲さんの思い出の現場を教えてください。
青島刑事、ひばり、美浦が、車で事件の現場に向かうシーンですね。TVシリーズのオマージュでもあるのですが、ひばりの運転が荒くて、体が激しくバウンドするんですよ。その時の動きが見事にフュージョンした瞬間があって、みんなの心がひとつになりました。「3人なら、この先もやっていける!」って。必見です!
Who is 美浦
「今どきの、〝ザ・スマホ依存症〟の美浦は、インターネットを積極的に活用してきた真下さんと馬が合うんじゃないかな。青島さんやひばりに振り回される身として、お互い慰め合ったりして(笑)」(白洲さん)

取材・文/丹羽 毅 編集/井田愛莉寿
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