日本人の平均睡眠時間は世界的に短いと言われている。では、シニア層の睡眠時間は世界と比べてどれくらいの水準にあるのだろうか?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)や慢性呼吸器疾患(COPD等)の医療機器を製造・販売するレスメドは、世界中の国々を対象とした「レスメド世界睡眠調査」を実施している。今回、最新の「レスメド世界睡眠調査2026」から日本の60歳以上の回答者708人(男性332人、女性376人)を対象に集計した未公開のデータをピックアップし、世界13ヶ国での調査でわかった睡眠の傾向や違いを発表した。
日本のシニアは世界で一番眠らない
「レスメド世界睡眠調査2026」によると、日本の60歳以上の平均睡眠時間は6時間29分で、調査した13ヶ国の60歳以上のなかで最短だった。13ヶ国の平均は6時間46分、最長のポーランドは7時間00分。さらに、睡眠時間が6時間以下と答えた人は49.4%と約半数にのぼり、世界のシニア全体(41.0%)を上回った。8時間以上眠れている人も17.4%にとどまり、世界のシニア(29.4%)の半分近い水準となった。
日本は世界一の「睡眠離婚」大国―シニアの約7割が毎晩別々に寝ている
近年、海外を中心に「睡眠離婚」という言葉が広がっている。夫婦仲の悪化を意味するものではなく、お互いの睡眠の質を守るために、眠るときだけ別々のベッドや部屋で過ごすというスタイルを指す言葉だ。米国では俳優のキャメロン・ディアス氏が「別々の寝室で寝ることを当たり前にするべきだ」と発言し、話題になった。
「レスメド世界睡眠調査2026」で、パートナーと同居している人に「週に何日、パートナーと別の場所で寝ているか」を尋ねたところ、「週7日(毎晩)」と答えた人の割合は、日本が57.3%で13ヶ国中1位となった。世界平均(12.9%)の4倍以上、2位の韓国(33.0%)と比べても大きな差がある。
そして、この傾向は年齢が上がるほど強まる。日本の60歳以上に絞ると、「毎晩パートナーと別の場所で寝ている」人は68.5%(世界のシニア22.7%)。パートナーと同居していても、シニアの約7割が夜はひとりで眠っていることになる。
また、「パートナーによって睡眠を妨げられることがあるか」という問いに「一度もない」と答えた日本のシニアは43.0%(世界のシニア27.5%)、「めったにない」を含めると88.0%に達しており、別々に眠ることで、実際にお互いの睡眠は守られていることが考えられる。
一方で、別々に眠ることには見落とされがちな側面もある。パートナーに睡眠を妨げられると答えた日本のシニアに、その主な理由を尋ねたところ、1位は「いびき・大きな呼吸音」で33.7%(女性では39%)。2位は「生活リズム・就寝時刻の違い」(24.3%)、3位は「夜中に起き出すこと(トイレなど)」(21.4%)となった。
いびきは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインのひとつだ。しかし、別々の部屋で眠っていれば、そのいびきは誰の耳にも届かない。日本のシニアの睡眠環境は、お互いの眠りを守る一方で、体からのサインに家族が気づく機会を減らしているとも言える。長年連れ添った夫婦ほど別室で眠る割合が高い日本では、「家族が異変に気づく」という従来の発見ルートが働きにくくなっている可能性がある。
「長生きに最も大切なのは睡眠」の自覚はあれど、行動には結びつかず
長く健康に生きるために最も重要だと思う行動」を尋ねたところ、日本のシニアの66.2%が「十分で質の高い睡眠」を選び、「バランスの良い食事」(59.0%)や「定期的な運動」(45.4%)を上回って1位となった。世界のシニア(59.8%)よりも高く、日本のシニアが睡眠を長生きに繋がる重要な要素として捉えていることがうかがえる。
しかし、快眠のために使っているアイテムが「何もない」と答えた日本のシニアは62.9%(世界のシニア44.4%)、快眠のための習慣が「何もない」は40.3%(同25.2%)、睡眠に関する情報を「そもそも探していない」人も56.1%(同40.7%)にのぼった。
背景には、睡眠と健康の関係についての知識「睡眠リテラシー」が十分ではないことが考えられる。「質の高い睡眠が健康寿命を延ばすことを知っていたか」という問いに「知っていた」と答えた日本のシニアは61.9%で、世界のシニア(80.4%)を大きく下回った。
また、「睡眠不良が糖尿病や心血管疾患などの慢性疾患につながる可能性を知っていたか」でも59.2%(同72.9%)にとどまっている。睡眠が大切だという実感はあっても、それが健康寿命や病気のリスクにどう関わるのかは、まだ十分に届いていないと言える。
加齢でリスクは高まるのに、診断されているのは世界のシニアの3分の1
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の中等症以上の潜在患者は国内に943万人いると推定されている。SASは肥満が原因というイメージがあるが、実は加齢による喉や舌の筋力低下も要因の一つだ。一方で、実際にSASと診断されたことがある人はわずか3.0%と、世界のシニア(10.0%)の3分の1以下の水準となった。
その背景には、睡眠の悩みが医療につながりにくい実態がある。「慢性的に睡眠不足が続いた場合に医療機関に相談すると思うか」という問いに「相談する(可能性が高い)」と答えた日本のシニアは19.1%で、世界のシニア(62.1%)と大きな差があった。「睡眠の問題は医療の問題だと思わない」と答えた人も15.1%(同6.1%)だ。
出典元:レスメド
構成/こじへい




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