デジタルメディアの普及により情報が溢れている世の中だが、心身ともに健やかな性生活を送るために必要な「正確な知識」や「信頼できる判断の指針」が十分に整理・共有されているとは言いがたい。
こうした背景からTENGAヘルスケアはこのほど、現代の社会環境の中で、人々の性行動や意識がどのように変化しているのかを明らかにするべく、全国19,779名を対象にした性生活に関する大規模調査「TENGAヘルスケア日本性生活白書2024」を実施し、その結果を発表した。
(1)男性の3人に2人が‟握りすぎ”!不適切なマスターベーションが性機能の悩み(遅漏・腟内射精障害など)につながる可能性も
マスターベーションにおける「強グリップ」とは、男性器を過度に強く握って刺激する行為を指す。「不適切なマスターベーション」の代表例とされており、実際の性行為とは異なる刺激を与えるため、強い刺激に慣れることで性行為時の刺激では射精しにくくなるなど、遅漏や腟内射精障害を引き起こす主な要因と指摘されている。
本調査結果では、男性の約63.8%(3人に2人)が「強グリップ」でマスターベーションを行っていることが明らかになった。 また、「強グリップ」を行っている人の多くが、自身のマスターベーションの方法について「適切」「まあ適切」と評価しており、無自覚のまま強い刺激を繰り返している実態も浮かび上がった。
なお、日本性機能学会が2025年に公表した「射精遅延の有病率と関連要因」によれば、性交経験のある男性における遅漏の有病率は5.16%とされており、日本人男性の約20人に1人が抱える身近な課題であることが報告されている。
(2)AVの影響?コミュニケーション不足?理想の挿入時間は男女で大きく差の出る結果に!
「理想の挿入時間」を尋ねたところ、男性の平均19.1分、女性は11.6分と、男女で約8分の差が見られた。特に、「約20分以上」を理想とする男性は3割を超えるのに対し、女性はわずか1割程度にとどまる一方、「5分未満で十分」と答えた女性は4分の1以上を占めた。
また、「セックスの参考にしているもの」について尋ねたところ、男性の約4割が「アダルトビデオ」と回答。アダルトビデオでの挿入シーンは20分~30分程度あり、こうした結果から、実際のパートナーとの性生活とは異なる情報やイメージが、男性の「理想」に影響している可能性が考えられる。
ただし、アダルトビデオは性的興奮喚起に特化した演出が含まれているため、その内容がそのまま実際の性生活や性行為の基準になるものではない。
さらに「性の話ができる相手」として「恋人や配偶者」を挙げた男性は6.5%にとどまり、パートナー同士で性に関する本音や希望、悩みを共有する機会が限られていることが判明した。こうした結果から、男女の意識差の背景には、性に関するコミュニケーション不足もあると考えられる。
データが示す、これからの性との向き合い方
福元メンズヘルスクリニック院長 福元和彦先生(医師)
性機能の悩みは非常に潜在化しやすく、不適切なマスターベーション等が原因となる「腟内射精障害」といったトラブルも少なくありません。特に強い握り込み(強グリップ)や不自然な体勢でのマスターベーション、刺激の強いコンテンツの多用などは、感覚を麻痺させ悪循環に陥るリスクがあります。
デリケートな領域ゆえに実態が見えにくく、自身の状態に気づけない人が多い中で、こうした約2万人規模の実態データが示される意義は極めて大きいと感じます。客観的なデータを通じて自身の現状を知り、正しい知識と方法へ見直していくことが、健全な性生活への第一歩となります。
TENGAヘルスケア取締役 牛場健太氏
性の悩みや不安のない社会を目指す私たちにとって、今回の『TENGA性生活白書』は現代日本のリアルな現在地を映し出す重要な取り組みです。情報が氾濫する現代だからこそ、単なる噂や思い込みではなく、データに基づく「正しい知見」を社会に提示する責任があると考えています。
性に関する課題は一人ひとり異なり、周囲に相談しにくいからこそ、まずは実態を可視化することが解決への第一歩です。私たちはこの調査結果を真摯に受け止め、製品やサービスの提供にとどまらず、正しい情報の発信や教育・医療支援を通じて、誰もが自分らしく健やかに性に向き合える環境づくりにこれからも邁進いたします。
構成/こじへい




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