暑い時期はビールがおいしく、乾杯をする機会も増える。
最近では海外の方も多く来日しており、海外の方を交えて「乾杯」をすることもあるだろう。そんな時、現地では「乾杯」をどう言うのか聞いたりしてみると面白い。
ちなみに沖縄は日本だが、乾杯の音頭では「乾杯」以外の独特な言葉を使うこともあるのをご存じだろうか?
それは「カリー」である。
なぜ「カリー」なのか?いつから言っているのだろうか?気になったので調べてみた。
オリオンビールに起源が?
“乾杯”といえば“ビール”であり、“沖縄のビール”といえば“オリオンビール”だ。そして、筆者は先日沖縄に行った際にこのような看板を見つけた。
年季の入ったオリオンビールの看板に「カリー」と書いてある。
そんなわけでオリオンビールなら「カリー」について何か知っているだろうと思い、今回はオリオンビール株式会社コーポレートバリュークリエーション部の松田美乃氏に話を聞いた。
乾杯を意味する「カリー」は、漢字では「嘉例」と書き、「嘉(よ)き先例となって、次から次へと発展しますように」という意味を持つという。
ずばり、「乾杯」を意味する「カリー」はいつから沖縄で使われているのだろうか?(以下「」内、松田氏)
「実は『カリー』は昔から沖縄にある言葉ではなく、1990年代に意図的に生み出された言葉です」
なんと、古くからある言葉かと思いきや1990年代だという。意外と新しい。
「諸説ありますが、1回目の世界のウチナーンチュ大会※が沖縄にゆかりのあるペルーで行われた1990年頃から使われていたことが分かっています」
沖縄独特の言葉で乾杯をする時の発声に相応しい言葉はないかと考え、以前オリオンビール副社長を務めていた比嘉良雄氏が、法政大学名誉教授(言語学者)の外間守善先生の助言もいただきつつ、その発案に関わっていたんだとか。
「ペルーのウチナーンチュ大会で発声されて以来、徐々に沖縄式乾杯として定着していったようです」
当時は比嘉氏によって『カリー』推進協議会も発足され、積極的に「カリー」と祝杯する活動も行われていたという。
※世界各国にいる沖縄にルーツのある人々が集うイベント
沖縄流のおもてなしとしての「カリー」
居酒屋などでの集まりの乾杯はもちろん、新年の沖縄県の各市町村が行う賀詞交換会など正式な場でもこの「カリー」が乾杯の挨拶として使われている。
若者も「カリー」を使うのだろうか?
「20代~30代は日常的にはあまり言わない印象があります。それより上の年代の方や、海外の集まりや沖縄流のおもてなしとして使用されています」
オリオンビールでは以前「カリー」を缶にあしらった「カリー缶」の発売を実施したり、公式SNSでは「おつカリーさま」と呟いたり、「カリー」の普及に努める活動を行っている。
朝から晩までビーチパーティーが沖縄流
沖縄ならではの夏のビールの楽しみ方があるというので、詳しく聞いた。
「沖縄ではビーチパーティーをよく開催します。海辺で行いますが、泳ぐというわけでもなく、海辺でくつろいだり食べたり飲んだりします」
それは朝10時くらいから開催されることが多く、夜の8時や9時頃まで続き、代わるがわる人が出入りするようなスタイルなんだとか。
「お子様連れの人は早い時間に来たり、夜だけ来る人もいたり、それぞれのペースで参加できます。“人と飲むのがいい”と言う沖縄流の飲み方です」
そのような飲み会ではビールのサーバーをレンタルしたり、クーラーボックス一杯にビールを用意したりして、好きな時にビールが飲めるようにするのだという。
沖縄とオリオンビール
沖縄に行くとオリオンビールの看板やお土産などが町中に溢れ、オリオンビールは沖縄の文化のひとつとも言える存在であることがよくわかる。「カリー」という沖縄に今や浸透している乾杯の音頭にも携わっていたとは驚きだ。
「オリオンビールではビールの喉越しや美味しさ、一緒に飲むことによって絆が深まるカルチャーや、仲間や家族との間に存在する幸せな時間にある情緒的な価値も大切にしていきたいと考えています」
沖縄に寄り添った発信やコミュニケーションで、「ビールを通して沖縄らしい“HappyHour”を感じていただけたら」と松田氏は話す。
「沖縄の人たちに愛される味を大切にしながら、沖縄を愛する県外・海外の方々にも、オリオンビールで沖縄の心地よさを感じてもらいたいと思っています」
沖縄好きの皆さん、今夜はオリオンビールで「カリー」をし、沖縄を感じてみてはいかがだろうか?
取材協力:オリオンビール株式会社
文:まなたろう
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