中高生のなりたい職業ランキングでは常にTOP10に入る医師だが、医師になるためには大学の医学部に行く必要がある。
医学部は大きな学費がかかるというイメージがあるが、実際にどのぐらいかかるのだろうか?
国公立は他学部並み!私立は授業料だけで数千万円の莫大な世界

国公立医学部は上記の通りの授業料である。
国公立は国が授業料を一定に決めている。したがって、他の学部と比べて2年間余分に授業料がかかるものの、年間の授業料は他の学部と変わらない。
また、国の就学支援新制度(JASSOの給付奨学金または多子世帯)または大学独自の制度により、家計基準と学力基準を満たすか、または多子世帯である場合には、入学金と授業料が一部または全額免除になる。
一方で、国公立医学部は人気であり入学するには極めて高い学力を必要とする。
国公立に入学できない場合、私立も選択肢となってくる。

上記のように私立の医学部は授業料だけでも莫大な金額となってくる。このような金額は、早いうちから前もって用意しておく必要があるだろう。
JASSOの奨学金だけでは不足する場合、年収条件などが合わない場合、大学独自の奨学金や提携ローンも借りることもできるが、金額が大きく、借りすぎると後で返済するのが大変になるため、できるだけ事前に貯めておきたい。
初年度は入学時に500万円程度、翌年以降も毎年500万円程度必要となってくるため、生活資金とは別にすぐ引き出せる現金を500~1000万円程度年度初めに用意しておく必要がある。
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塾代や下宿代は?
医学部を目指すためには、医学部専門の塾に通う可能性もある。
医学部専門の塾は、他の塾より料金設定が高く、例えば、医学専門予備校のメディカル・ラボでは、年間約300万円の費用がかかり、3年間通えば900万円、さらに浪人すれば1400万円の費用がかかる。
大学が家から通えず、ひとり暮らしをする必要がある場合は、仕送りをする必要がある。
全国大学生協連の第61回学生生活実態調査によると、仕送りの平均は7万4652円となっている。支出は13万8020円で、仕送り以外で奨学金とバイト代で賄っている。
したがって、最低でも1か月7万円、奨学金なしアルバイトをしない場合で14万円の仕送りが必要となると、年間84~168万円、6年間合計で504~1008万円の仕送りが必要となる。
私立の医学部であれば、塾代や下宿代を入れると、4000~6000万円の費用を用意しなければならない。
学費4000万円超の壁を突破する3つの選択肢
主要都市の国公立医学部は偏差値が高く倍率が高すぎ、学力があっても医学部に合格できない可能性がある。
だからといって、私立の医学部は費用が高すぎる。それでも医師になりたいと考えるとき、以下のような方法もある。
(1) 地域枠
選抜方法には一般選抜の他に地域枠選抜がある。
地域枠により入学した場合、入学後都道府県から国公立大学の入学金や授業料相当、生活費月10~15万円程度(小児科・産婦人科はさらに加算される場合あり)の奨学金が貸与(※条件により免除)され、卒業後は都道府県指定の公的医療機関で9年間の地域医療に従事する義務がある。
この奨学金は、卒業後に2年以内に医師免許を取得し、都道府県指定の医療機関で医師として従事すれば返還義務は免除される。
この地域枠で貸与される奨学金は条件を満たせば返還義務がなく、授業料は、もちろん家から離れて下宿するとかかってしまう生活費の負担を軽減できる。
そして、この地位枠は親の収入や資産などの条件はないことがほとんどである。また、その大学がある高校出身者が優先されることもある。

東京の地域枠では、私立大学の授業料相当分、生活費が支給され、杏林大学に入学した場合では6年間で4420万円貸与される。
都心の地域枠は、私立大学まで賄える貸与額で、その県以外の大学でも貸与される場合もある。
一方、医師が特に不足する地域枠では、県外出身者の枠もある一方で、県内出身者を優先していることがある。
その場合、その地域の高校出身者であることや学校推薦型であることが求められ、共通テストの点数も加味されるため実力はもちろん、学校での成績や態度、人柄も見られることになる。
このような地域枠では、離島やへき地出身者は優遇される。推薦は9月ごろから説明会や申し込みが始まっているため、早めに準備しておきたい。
(2) 学金や提携ローン
費用の支払いが難しい場合には、JASSOの給付または貸与奨学金(子ども本人が返還)、大学独自の奨学金、大学提携ローンがある。
借りる金額が大きくなる場合、大学独自の奨学金や大学提携ローンで金利が高いと、返済に困る可能性も出てくるため、返済できるかどうか計画を立ててから借りるとよいだろう。
(3) ハンガリーの医学部
ハンガリー国立大学の医学部の授業料は、日本の私立大学医学部より安く、例えば国立デブレツェン大学で、年間1万6900ドルと約260万円(9月9日時点)と6年間で1557万8082円、下宿費用(住居費や生活費を含む)は月15万円程度で、年間180万円、6年間合計で1080万円となる。
下宿代を入れると約2500万円となり、学費の安い慶応大学のよりは費用が高くなるものの、4000万円近くする費用の高い私大よりは安く抑えることができる。
ハンガリー大学の国立大学の医学部は、卒業と同時にEU加盟国の医師免許を取得でき、日本の医師国家試験の受験資格を審査により受けることができる。
そのため、日本の医師免許は、日本で試験を受ける必要がある。入学時の試験は数学が必要なく、英語と生物・化学・物理(理科については選択できる場合もある)で試験を受けられ、学力よりも人柄を重視している。
英語での授業であるため、英語が得意な場合は選択肢に入るだろう。
子どもの夢を叶えるために!事前の資金準備と「制度のフル活用」で賢く備える
子どもが医師になりたいといってきたら、できるだけ願いを叶えてあげたい。
事前にできるだけ貯めておき、JASSOの給付金制度や大学独自の免除制度、地域枠を確認しよう。提携ローンを借りるときは、金額や金利を見て、返済計画の見通しをもって借りよう。
(参考)
第61回学生生活実態調査 概要報告|学生・大学院生・保護者調査の報告|ビジョンと活動|全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)
Tuition Fee, Application + Entrance fee | University of Debrecen
文/大堀貴子
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