アウディは、2026年9月7日(現地時間)、次期コンパクト電動モデルの「A2 e-tron」に関する情報を公開した。
A2 e-tronは、効率性を最優先したモデル。エネルギー消費量は100kmあたり12.8kWh(WLTP測定値)で、これはアウディの市販モデル史上もっとも低い数値となる。インテリアでは、多用途性と新しいデジタルサービスを融合させ、欧州のユーザーのニーズに合わせて開発されている。
ドイツで開発され、インゴルシュタットで生産されるA2 e-tronは、アウディが効率性の向上に注力していることを示すモデルでもある。この新型の電気自動車は、従来よりも大幅に短い期間で開発され、既存の生産設備を有効活用している。受注は2026年秋に開始し、納車は12月より順次開始される予定。
AUDI AG CEO ゲルノート デルナー氏は、次のように述べている。
「Audi A2 e-tronは、アウディの刷新を体現する、単なる新型モデル以上の存在です。品質、テクノロジー、顧客体験を一切妥協することなく、リソースをより効率よく活用して、欧州におけるプレミアムの新たなあり方を再定義していることを示しています。欧州のお客様のニーズに応えるために開発され、インゴルシュタットで生産されるこのモデルは、プレミアムモビリティの未来を形づくるという私たちの意欲を体現しています」
効率性を追求
このA2 e-tronは、日常生活を妥協なく送りたいユーザーのために開発された。そうしたユーザーが電気自動車に求めるのは、低いランニングコスト、長い航続距離、そしてゆとりある室内空間と最新のテクノロジーを兼ね備えていること。この車両は、まさにそれを実現するために設計されている。A2 e-tronは、数多くの施策の相乗効果によって、特に低いエネルギー消費量を実現している。
さらに改良されたエアロダイナミクスにより、空気抵抗は最小限に抑えられている。空気抵抗係数(Cd値)0.24は、アウディのコンパクトセグメントで最高水準となる。空力最適化されたクリーンなサーフェスと、緻密に統合されたディテールがエクステリアを特徴づけている。制御可能な冷却用エアインテークと、大部分が覆われたアンダーボディもその一部。新たに開発されたエアロホイールと、いわゆるギャップレデューサーも貢献している。それは、ホイールアーチトリムに統合され、ホイールとホイールハウジングの隙間を縮小する。またハプティックセンサーを備えたウィング形状の電動ドアハンドルは、サイドラインに溶け込み、非常に快適な操作性を提供する。
エネルギーをより賢く活用
ユーザーのニーズに合わせてA2 e-tronは、4つの出力レベルから選択できる。エントリーレベルの最高出力125kW・最大トルク350Nm仕様から、トップモデルの最高出力240kW・最大トルク545Nm仕様まで幅広く用意されている。出力レベルに応じて、52kWh、61kWh、84kWh(バッテリー総容量)という3種類のバッテリーサイズのいずれかが搭載される。セレクトレバーの「B」ドライブモードによるワンペダルドライブを含む4段階の回生レベルが、高効率なパワートレインコンセプトを完成させている。
永久磁石同期モーターと後輪駆動を組み合わせたこのモデルは、総合的なパッケージとして、最長646km(WLTP測定値)の一充電走行距離を実現。オプションのエフィシエンシーパッケージを装着したA2 e-tron 140kW仕様は、WLTP測定値で100kmあたり12.8kWhの電力消費量を達成している。これにより、アウディの中で最も効率性の高いモデルとなる。
またA2 e-tronは、双方向充電にも対応している。高電圧バッテリーは、電力網から充電するだけでなく、必要に応じて外部機器へ給電することもできる。例えば、Vehicle-to-Load機能を使えば、トランク内の電源ソケットまたは充電ポートのアダプターを介して、電動アシスト自転車などに給電できる。
ドイツ、オーストリア、スイスでは、対応するDCウォールボックスとVehicle-to-Home技術を組み合わせることで、A2 e-tronを家庭用バッテリーとして活用でき、蓄えたエネルギーを家庭の電力網へ供給することも可能。これは、アウディの新世代プレミアム電気モビリティが、よりバッテリー容量を大きくしたり出力を高めることだけではなく、技術的なインテリジェンスと車両全体の効率性を一貫して高めることで定義されていることを明確に示している。
コンパクトなボディに広々とした空間
効率性へのこだわりは、インテリアにも表れている。ユーザーが求めているのは、単なる電気自動車ではない。日常生活にフィットするモビリティとなる。コンパクトな外寸でありながらA2 e-tronは、ゆとりある開放的な室内空間を提供。
中心となるデザイン要素はソフトラップと呼ぶファブリック仕上げの柔らかいサーフェスで、インストルメントパネルからドアを経てリヤへと続き、心地よい雰囲気を演出。オプションの1.6平方メートルのパノラマガラスルーフは、室内を光で満たすと同時に、特殊コーティングにより乗員を紫外線から保護してくれる。
そしてFidlock固定システムは、スマートな収納・整理とモジュール式の収納ソリューションを提供。アウディはプレミアムブランドとして初めて、特許取得済みのマグネット機構を標準装備した。カップホルダーから充電ケーブルバッグまで、ワンクリックで確実に固定できる。Audi connected workには、Microsoft Outlook、Microsoft Teams、そしてAIベースのWork Agentが含まれ、ユーザーは移動中も日常業務とのつながりを維持できる。
プレミアムであるということは、品質や顧客体験を妥協することなく、資源を賢く活用することでもある。アウディは、A2 e-tronで使われる素材に対しても新たなアプローチを採用している。仕様によっては、A2 e-tronに採用されているスチール、アルミニウム、プラスチックなどのリサイクル素材を使用した部品は300点以上にのぼる。
そのうち100点以上の部品には、使用済み製品由来のポストコンシューマーリサイクル素材が使用されている。同時にアウディは、部品のライフサイクルの終了時に、より簡単にリサイクル・再利用できるよう設計を行っている。A2 e-tronは、サーキュラーエコノミーが将来のプレミアムモビリティにおいて不可欠な要素となっていく姿を描き出している。
生産における効率性
A2 e-tronは、効率的な車両であるだけでなく、より効率的な開発・生産プロセスも体現している。アウディは、このエントリーレベルの電気自動車を、同等の従来モデルと比較して21か月早く市場に導入した。これは、開発プロセスの合理化と、量産試作段階の早期に車両完成度を高めたことで実現したもの。A2 e-tronは、アウディが自社の生産オペレーションにおいても変革を推進していることを象徴するモデルといえる。
A2 e-tronは、アウディの本拠地であるインゴルシュタット工場で生産される。ここで、アウディは既存の生産設備1,200点以上と、他モデルの生産ですでに使用されてきたロボット約250台を活用している。これにより、投資を抑え、資源を節約している。
そしてアウディは、ネッカーズルム工場ですでに成功を収めている「パールチェーン」生産方式という新たな工場管理手法もインゴルシュタット工場に導入している。受注順序を固定することで、プロセスを効率化し、複雑さを軽減して、保管および生産順序管理にかかる工数を削減する。
アウディは、この新しい完全電動エントリーモデルを欧州のユーザーのニーズに合わせて開発した。高い効率性、ゆとりある室内空間、そしてデジタルサービスを備えている。A2 e-tronは2026年9月10日より受注を開始し、2026年12月からアウディ正規販売店に納車が始まる予定となっている。
関連情報:https://www.audi.co.jp/ja/
構成/土屋嘉久
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