ローランド株式会社は2026年9月4日、音楽制作に新たな発想をもたらすクリエイティブ・ツール『Melody Flip』を公開した。
この『Melody Flip』は、AIにより完成形の楽曲を自動生成するためのツールではなく、クリエイターが新しいアイデアと出会い、自らの感性で選び、発展させていくための「ミュージック・クリエイション・パートナー」という位置付けになる。
製品は無料だが、利用にはローランドのクラウドサービス「Roland Cloud」への登録が必要だ。
『Melody Flip』が提案するクリエイティブな音楽制作体験
『Melody Flip』はローランドが長年培ってきた楽器・音楽制作ツール開発のノウハウと、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)の研究知見を融合。音楽制作において最も難しい作業の一つである、「何から始めるか」という最初のアイデア探しを支援することで、クリエイティブな音楽制作体験を提供する。
というわけで『Melody Flip』では、「Palette」と呼ばれる音楽パターンを起点に制作を始めたり、お気に入りの楽曲をヒントに新たなアイデアを探したりすることが可能。
クリエイターは、音楽を聴き、選び、試しながら、『Melody Flip』が提案するメロディーや伴奏のアイデアを自由に選択・編集して、自分だけの楽曲へと発展させることが期待できる。
「Palette」から広がる新しい音楽の可能性
『Melody Flip』には約250種類の「Palette」を収録している。この「Palette」とは、メロディー、コード、ベース、ドラムの4つのパートで構成された音楽的なアイデアのライブラリーだ。
気になる「Palette」を選ぶだけで、新しいグルーヴやスタイルとの出会いが期待できるほか、普段制作しないジャンルやスタイルにも自然に触れることができるため、創作の幅を広げる契機ともなるはずだ。


■お気に入りの曲から新しいアイデアを発見
楽曲のオーディオ・ファイルを読み込むと、『Melody Flip』が曲の構造、テンポ、調、コード進行、ジャンル、ムードなどを解析。その曲が持つ特徴や雰囲気に関連するメロディーや伴奏パターンを提案してくれる(※)。
これは既存楽曲を模倣するための機能ではなく、新たな発想との出会いを支援するものだ。クリエイターは気になる方向性を選びながら、何度でもアイデア探索を行なうことができる。
※ソニーCSLの音楽情報検索(MIR: Music Information Retrieval)分野の研究知見や技術を活用。

■メロディーから楽曲の土台まで。アイデアを作品へ発展
『Melody Flip』は生成されたメロディーに加え、コード、ベース、ドラムの各バッキング・パートも出力が可能だ。出力したメロディーや各パートはオーディオ・ファイルまたはMIDIファイル形式で書き出すことができ、主要なDAW(Digital Audio Workstation)へそのまま取り込んで編集も行なえる。
このようにアイデアスケッチからデモ制作、本格的な楽曲制作までをシームレスに繋げてくれるのだ。
※『Melody Flip』はmacOSおよびWindowsに対応。

■製品の紹介動画はこちらから
<アーティスト・レビュー>

星銀之丞さん(作詞作曲家、編曲家。デザイナー)
インスピレーションや新しい発想を得るうえで、とても魅力的なプラグインだと感じました。制作の入り口としてフレーズの断片を再構築したり、さまざまな素材をランダムに聴きながら発想を広げたりすることが多い自分にとって、『Melody Flip』は、そうした制作プロセスと非常に相性の良いツールだと思います。また、軽快な動作と直感的な操作に加え、触ってみたいと思わせてくれるデザインも気に入っています。
AI生成ツールの多くが完成されたアウトプットを提示するなか、『Melody Flip』は最終的な表現をユーザー自身に委ね、創作に対し補助的なスタンスである点も魅力的です。新しい技術やインスピレーションを取り入れながら、楽曲制作の過程をより楽しくしてくれるのではないでしょうか。
関連情報
https://www.roland.com/jp/products/rc_melody_flip/
構成/清水眞希




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