OpenAIから新たなAIモデル「GPT-6 Astra」が発表された。「GPT-6 Astra」は事前学習、強化学習、アライメントにおける同社の長年の研究と大胆な投資を結集。コンピュータ利用やブラウジング、ソフトウェアエンジニアリング、サイバーセキュリティ、科学、そして専門的な業務において最先端の性能を発揮することが期待される。
GPT-6 Astraは米国時間2026年9月3日より一部の組織向けに展開され、今後数日のうちに、ChatGPT Plus、Pro、Business、Enterpriseの全ユーザーに加え、OpenAI API、Microsoft Azure、AWS Bedrockを通じて利用可能になる予定。
本稿ではその概要を同社発表ブログをベースにお伝えする。
AIに任せられる仕事の範囲を拡大
ChatGPTとCodexでは、Astraは人が日常的に利用するアプリケーション上を含め、人が日常的に使うものと同じ画面を通じてアプリケーションを操作できる。
オンライン調査、フォームへの入力、CRMの更新、カレンダーの整理から、文書、スプレッドシート、プレゼンテーション、Webサイトの作成まで、複数のアプリケーションを横断する業務を進めることが可能だ。
また、指示に不足や曖昧さがある場合は、日常的な判断は文脈に基づいて行なわれ、結果を大きく左右する場合にのみ確認する。
回答を待つ必要のない作業は継続しながら、重要な判断についてはユーザーの承認を求めるよう設計されている。
■最先端の知能を科学と実務へ
Astraは、以下の分野で最先端の性能を示している。
・コンピューター・ブラウザ操作
・ソフトウェア開発
・サイバーセキュリティ
・科学・数学
・専門的なナレッジワーク
主な評価結果は、FrontierMath Tier 4で97.6%、ARC-AGI-3で99.9%、ExploitBenchで100%となっている。
FrontierMath Tier 4は、非常に難しい問題を通して高度な数学的推論能力をテストする。ARC-AGI-3 は、エージェントが馴染みのない対話型タスクを解決する際、どれだけうまく学習できるかを問うもので、GPT-6 Astra は99.9% の圧倒的なスコアを獲得した。平均的な人間のテスターのスコアは48%だった。



コンピューター操作を評価するOSWorld 2.0では、GPT-5.6 Solが約75分で65.7%だったのに対し、Astraは約40分で72.6%をクリアした。
このOSWorld 2.0では、モデルがコンピュータアプリケーションを操作してタスクを完了できるかどうかをテストする。Astraは、GPT-5.6 Solよりも大幅に少ない出力トークンで、他のどの利用可能なモデルよりも高いタスクスコアを達成した。

Codexの実行環境の改善と合わせ、Mind2Webではタスクの完了速度が約1.9倍になっている。
ソフトウェア開発では、コードベースの理解、実装、テスト、ブラウザでの確認までを含むエージェント型の開発能力が強化されている。科学分野では、専用ソフトウェアを操作してデータを分析し、研究者による次の検討を支援することもできる。
安全性と人によるコントロール
OpenAIは安全性を最優先事項として、Astraの開発においても安全性と人間の意図との整合性を高めるため、これまで以上の計算資源を投入していると説明している。
具体的には学習の全工程を通じてモデルを評価して、不適切な挙動を監視するとともに、リスクのある処理を一時停止、または停止するかを判断する基準を事前に設定している。
許可された範囲を超えて行動するかを調べた評価では、GPT-5.6 Solが48%のケースで範囲を逸脱したのに対し、Astraは0%だったという。
一方、AstraはOpenAIのPreparedness Frameworkにおけるサイバー能力の「Critical」基準に達している。
そのため、一般提供版では高度な脆弱性の実証コード作成などを制限して、審査された防御目的の利用者には、OpenAI Daybreakを通じてアクセスを段階的に提供していく。
また、モデルの推論過程をより監視しやすくすることは、引き続き重要な研究テーマとして取り組んでいるとのことだ。
■人を中心に据えたAI
OpenAIは、AIではなく、人が経済の中心にあるべく、ユーザーの意図・監督を尊重する設計を取り入れ、未来を決める主導権を持つべきだと主張。
Astraも人の判断を置き換えるのではなく、個人、起業家、中小企業、そしてあらゆるチームが、これまで以上に大きな目標に取り組むためのツールとして設計されている。
同社では、この件に関して「AIを幅広く利用可能なものにし、より多くの人が新しい価値を生み出せる環境をつくることで、その経済的な恩恵をできる限り広く届けることを目指します」とコメントしている。
提供対象と価格
Astraは限定された組織への提供から開始され、今後数日かけて以下のユーザーへ展開していく予定だ。
・ChatGPT Plus
・ChatGPT Pro
・ChatGPT Business
・ChatGPT Enterprise
・OpenAI API
・AWS/Amazon Bedrock
Enterpriseでは、提供開始時点では無効に設定されており、管理者による有効化が必要となる。
APIモデル名は「gpt-6-astra」。標準料金は入力100万トークンあたり10ドル、出力100万トークンあたり50ドルに設定されている。キャッシュの読み取りと書き込みには別途料金が適用される。
APIのGPT-6 Astraでは高速モードが利用可能。標準料金の2倍の料金で、標準処理の最大2倍の速度で利用できる。
関連情報
https://openai.com/index/gpt-6-astra/
構成/清水眞希




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