高速大渋滞はドライバー&乗員ともにストレスでしかない
2026年8月のお盆休み期間、帰省や観光で高速道路を利用した方も多いはずだが、この時期につきものが高速道路の大渋滞。今年のお盆時期(8月7日~16日)には中央自動車道の下り線で最大45km、上り線で最大30kmの渋滞が発生。普段なら所要時間25分の区間が渋滞ピーク時には120分もかかるというのだから困ったものである。
筆者も2026年夏の夏休みシーズンに入って以降、東京から中央フリーウェイで河口湖、東名高速で御殿場、当時工事中だった小田原厚木道路を経由して箱根に行ったりしたのだが、やはり大渋滞に遭遇。とくに箱根から東京に帰る際には、箱根の山道の大渋滞、小田原厚木道路の渋滞、厚木ICからの東名高速の渋滞を経験し、箱根から東京まで、通常なら約2時間のところ、倍の約4時間もかかった経験をしたばかりである(途中、海老名SAで休憩した時間を含む)。また、この夏期、東北自動車道を利用した東京から日光往復の約380kmも走破している。
もちろん、それらは仕事で、いずれもそれぞれ違う撮影のための試乗車に乗っていたのだが、改めて大渋滞に遭遇し、何時間も運転し続けても疲れにくいクルマはどんなクルマなのか・・・という点に気づかされたのだった。今年のゴールデンウィークやお盆時期の高速道路を含む大渋滞を経験し、ヘトヘトになって「もう渋滞の中を運転したくない!」と思った人も多いはずだが、ここではクルマによって、クルマの装備によって、渋滞に巻き込まれてもストレス最小限で済む、渋滞を恐れずに乗れるクルマの10項目の要件を、この夏の渋滞経験から紹介させていただきたい。
高速大渋滞でもストレス最小限にしてくれるクルマの要件10
(1) ゆったりとしたサイズのクルマだと運転が疲れにくい
この夏、筆者は試乗の仕事で最新のコンパクトカーから大小SUV、大型サルーンまで、様々なクルマで遠出し、運転したが、やはりクルマのサイズが大きめなほど、上級車であるほど、運転が疲れないことが改めて分かった。とくに長距離を走る場合、動力性能や快適性の高さかがモノをいい、ストレスを感じにくくなるのである。
ただし、例外もある。例えばボルボEX30はコンパクトな電気自動車なのだが、その力強いモーターパワーによる静かでウルトラスムーズな走りによって、ロングドライブ、長時間の運転でもストレスフリーなのである。同じく電気自動車の日産リーフも同様だ。電気自動車はサイズにかかわらず運転に対するストレスが小さいのも魅力と言えるだろう。
(2) 視界の高いクルマのほうが、渋滞時のストレスを感じにくい
今年の夏、高速道路で何度も大渋滞に遭遇したが、SUVやミニバンのような、着座位置、視界が高いクルマだと、視界が爽快で、渋滞時に前方の様子が見極めやすいため、精神的にストレスを感じにくかった。
(3) 大渋滞に巻き込まれた時はシートのかけ心地の良さがモノをいう
今年の夏休みシーズンに入った7月から8月にかけては、日産キックス、ボルボEX90、フォルクスワーゲン・ティグアン、スズキ・ジムニーノマド、BYDラッコ、ボルボES90、BMW X2などに試乗し、そのうちの何台かは長距離運転、大渋滞を経験しているが、シートのかけ心地が良く、なおかつ自身の体にフィットしたシートのクルマでは、普通の運転時はもちろん、渋滞による長時間の着座でも肉体的疲労は最小限だった。ボルボの2台は1000万円越えの超大型高級車だからシートがいいに決まっているが、BMWのX2のシートも筆者にとっては理想的に快適、疲れにくいシートだったのだ。
(4) シートの良さとシートマッサージ機能があれば、大渋滞中も体をリフレッシュできる!!
そのボルボEX90、ES90、フォルクスワーゲン・ティグアンR-LINEには、前席にリフレッシュ機能=マッサージ機能が備わり、背中や腰回りをマッサージしながらの運転が可能。もみ玉風の本格マッサージを行ってくれて(さすがシートの構造上、肩もみはできないが)、たっぷりサイズのシート自体のかけ心地の良さもあり、ずっと座っていたくなるほど快適だったのだ。クルマのシートは乗員の体形、体重などとの相性があり、誰もが快適に感じるとは限らないが、それでも上級車、高級車のシートは多くの人にとって快適であるに違いない。
(5) 渋滞時にペダル操作から解放される渋滞追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)
今年の夏に高速道路の大渋滞を経験したクルマには、すべて渋滞追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)が備わっていた。クルマが流れているときには前車に追従し、カーブを含むレーンをキープ、車種によってはカーブ手前速度制御まで行ってくれるのだから、ステアリング操作が楽になり、アクセル、ブレーキのペダル操作なしでの運転が可能。長距離走行ではACCが神機能になるわけで、右足の疲労度がまるで違うのである。
(6) 車内の静粛性の高さも運転、乗車の疲労度の低減になる
クルマが流れているときの運転、乗車を含め、車内が静かであるほど、疲れにくくなる。そう、騒音による耳の疲れが、静かなクルマだと違うのである。前後席の会話明瞭度を含め、やはり静かなクルマは疲れにくいのだ。
(7) ハンズオフドライブが可能なら、渋滞時でもさらに疲れにくくなる
まだ一部のクルマにしか付いていないものの(7~8月に試乗したクルマには未搭載)、ハンズオフドライブ機能が付いていれば、渋滞時にペダル操作だけでなく、ステアリング操作まで不要になる(運転視線は不可欠。カメラが脇を向いている、目を閉じていると判断したら機能は安全のためにキャンセルされる=自動運転ではない)。飲み物を取るなどの動作もハンズオフドライブ中ならよりしやすくなるというわけだ。
(8) 航続距離の長さがロングドライブでの安心感につながる
この夏にロングドライブを行ったクルマには電気自動車も含まれる。しかし、ガソリン車で燃料が少ないまま出発したときと同様、電気自動車の場合、航続距離(電欠)に神経を使いがちだ。よってバッテリー容量、航続可能距離に気遣いつつ、電欠の心配をしながら!?運転をすることになる。が、ボルボEX90やES90のように、一充電走行距離が650~700kmレベルであれば、片道200km程度のドライブなら途中充電の必要はなくなり、余裕でドライブを楽しむことができ、それが精神的なストレス低減にもなりうる。HV、PHEVを含むエンジン車の場合でも、燃費が良く航続距離が長ければ、いつどこで給油しよう・・・という心配も無用になるというわけだ(とはいえ、満タン、満充電で出発したい)。この夏ではないけれど、この@DIMEの取材で東京~浜名湖、往復約600kmを無給油で走り切ったスバル・フォレスターも、運転のしやすさ、余裕の動力性能、シートの良さ、車内の静かさ、快適さもあって、1泊2日のドライブを運転にかかわるストレスフリーで体験させてもらったのである。
(9) Google搭載のインフォテイメントが快適なドライブを後押ししてくれる
ここ最近のクルマのインフォテイメントシステムに、Googleが採用され始めている(最初はボルボXC60)。スマートフォンでもおなじみのGoogleの機能がそのまま車内で使え、今ではボルボ、アウディを始め、国産車でも日産リーフ、キックス、エルグランド、ホンダSuper ONE、マツダCX-5から軽自動車の三菱デリカミニ、日産ルークスなどにも採用されている。常に最新の地図データが使え、渋滞などを考慮したルート案内を行ってくれて、お気に入りの場所を登録でき、地図データ更新の手間と費用がいらないなどのメリットを持つ。が、渋滞の中で役立つのが、運転中であっても、OK Googleの発声で目的地の設定、音楽の再生など、様々な要求に応えてくれる点だ。このGoogleの機能もまた、渋滞時のストレス低減につながると思える。
(10) リヤエンタテイメントシステム搭載なら渋滞時に後席の子供を飽きさせない
最後に紹介するのが、渋滞時でも後席の子供、乗員を飽きさせないリヤエンタテイメントシステム=リヤモニターである。TV、DVD、YouTubeなどを見ることができ、長時間のドライブ、渋滞中でも後席の乗員を飽きさせずに済むというわけだ。ドライバーのストレスとは関係ないものの、後席に乗った小さい子供がグズってしまうことによるストレスは軽減できそうだ。
こうして、大渋滞に遭遇しても肉体的、精神的に疲れにくく、快適でいられるクルマの要件を、自身のロングドライブ、長時間運転、渋滞経験から10項目にまとめて紹介してきた。すべての項目が不可欠というわけではないが、今後の渋滞対策、また、次期愛車の選択ポイントとして頭に入れておいていただければ幸いだ。
文/青山尚暉




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