小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

30年ぶりの長期金利3%という水準は単なる通過点に過ぎない?長期金利急騰を回避するために必要なこと

2026.09.07

2026年9月1日、国内債券市場で30年ぶりに新発10年国債利回りが3%を突破。経済ニュースなどで大きく報じられた。さて、そんな「利回り」だが、「利率」と何が違うのか。

まず利率とは債権の額面に対する利息の割合を示したもの。額面100万円で固定利率3%とすれば、毎年3万円(税引前、以下同)の利息が付く。

ただし債券価格は市況や金利情勢によって価格が変動。償還日前に売買も可能なため、額面100万円の債権を98万円で購入したり、102万円で売却できる場合も想定できる。

例えば98万円で購入した場合、償還日に100万円を手にすれば2万円の利益=償還差益、100万円で購入して償還日前に102万円で売却できれば、2万円の利益=売却益が得られる。これに利息を加えた、収益全体の割合が「利回り」というわけだ。

今回は三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏から、この10年国債利回り3%水準に関する分析リポートが届いているので概要をお伝えする。

・参考 
利率が高いと有利? いまさら聞けない「利回り」との違い https://go.sbisec.co.jp/media/report/bond_now/bond_now_260507.html
利率と利回りの違いって何? https://www.j-flec.go.jp/links/jikan/qa/045.html

10年国債利回りは30年ぶりに3%を記録、財務省の予算積算金利への到達は2年度連続に

9月1日の国内債券市場では、長期金利の指標となる新発10年国債利回りが上昇(価格は下落)、3%を突破した。3%の大台を記録したのは、1996年9月以来30年ぶりのこととなる。

背景には、市場の根強い財政不安のほか、7月31日の日米協調介入以降、日銀の利上げ観測が強まるなか、ターミナルレート(利上げの最終到達点)も切り上がるとの見方が広がっていることもあると思われる。

財務省は、翌年度の予算編成の際、国債費(利払い費など)を見積もるための「予算積算金利」を設定しており、2025年度は2%、2026年度は3%(いずれも当初予算編成時)だった。

10年国債利回りは2025年12月に2%をつけ、今回3%をつけたことから、年度内の予算積算金利への到達は2年度連続となる。なお、2027年度の予算積算金利は、ベースとなる長期金利の水準が上昇したこともあり、3.8%に引き上げられている。

■来年度の概算要求総額は過去最大、強く豊かな日本投資枠も実質債務がみえにくくなる恐れ

また、複数のメディアが8月31日に、2027年度予算の概算要求総額は過去最大の143兆円前後に膨らむ見通しと報じたことも、市場の財政不安を高める要因となった模様だ。

今回は、補正予算も含めた一体予算となり、新設の『「強く豊かな日本」投資枠』も加わることで、要求額の増加は想定されていたが、政府が目安としてきた140.6兆円(2025年度補正予算と2026年度当初予算の合計、図表1)を上回った。

概算要求には、金額を示さない「事項要求」も含まれており、さらなる歳出増の要因となる恐れがある。

そして、「強く豊かな日本」投資枠は、償還財源の裏付けのある「つなぎ国債」の発行によって一般会計ではなく特別会計で管理され、つなぎ国債は債務残高対GDP比や基礎的財政収支(プライマリーバランス)などの指標において、経費および財源の金額を除いて別枠で管理されるため、実質的な債務状況がみえにくくなる懸念も残る。

■政府は投資増で成長押し上げの意向だが、長期金利急騰回避には財政規律配慮の姿勢が必要

今月から、各省庁から提出された概算要求に対し、財務省主計局による予算の査定が始まり、無駄や重複の削り込みが進められる。

その結果は「財務省原案」として12月に各省庁に提示され、最終局面での財務大臣と各省大臣が直接交渉する「大臣折衝(復活折衝)」を経て、予算枠の合意に至り、政府予算案として12月下旬頃に閣議決定される予定だ(2027年度予算は3月下旬頃の国会での可決で正式に成立)。

2027年度予算の規模や具体的な財源、国債発行額は、閣議決定までの過程において明らかになる見通しで、国債発行額(図表2)は、40兆円程度に抑える方策が政府内で検討されているようだ。

投資を増やして成長を押し上げたいという政府の強い意向は十分うかがえるが、10年国債利回りが3%を超えて急騰するリスクを回避するには、政府が財政規律に配慮する姿勢を示し、市場の不安をやわらげる必要があると考えている。

関連情報
https://www.smd-am.co.jp

構成/清水眞希

@DIMEはサイトローンチ時より編集業務に携わる。現在は雑貨や家電、オーディオなどの新製品に加え、各種の社会調査・統計、話題の新スポットからイベント情報などを担当。信条は正確さとわかりやすさ。最近の趣味は日付が変わる時刻のウオーキング。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2026年7月16日(木) 発売

DIME最新号は、世界の模型・プラモデルメーカーを大解剖する「ボクラのタミヤ」特集!『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』こしたてつひろ先生インタビュー&描き下ろしピンナップ、特別付録にはスチールギアケースも!さらに2026年上半期トレンド特集では、「売れる」より「育てる」をキーワードに、ファンを育てる新時代のヒット戦略を徹底分析!話題のモナキ独占インタビューも掲載した見逃せない一冊!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。