夜、真っ暗闇の中で灯りを灯して、昆虫たちをおびき寄せるライトトラップ。でも、ただ夜の森で灯りを灯しただけでは、意外にもあまり昆虫が集まらなかったなんていうこともよくあります。そこで、今回はそもそもライトトラップとはどのようなものなのか、どこですべきか、さらにはライトトラップをする際に気をつけたいことについても解説いたします。
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ライトトラップとは?
ライトトラップとは、その名の通り、夜に灯りを灯して、光に集まる昆虫を採集するトラップです。ですが、光ればどんな灯りでも良いわけでありません。昆虫が灯りに集まるのには、理由があります。灯りに集まる多くの昆虫は、紫外線という光に向かって集まってきています。そのため、この紫外線を含まない光には昆虫は集まりません。最近では、LEDライトが増えていますが、LEDは紫外線を含まないことが多く、LEDライトを使ってライトトラップをしても昆虫はやってきません。

そこで、おすすめなのが、水銀燈です。水銀燈は紫外線を多く出す上に、光力も強いため、多くの昆虫を集めることができます。しかし、最近では水銀燈を購入することが難しくなっているため、紫外線を多く含むブラックライトでも良いです。ブラックライトは手軽に持ち運べるサイズや形のものも多いため、遠くに行く際にも持っていきやすいです。

また、森の中などでこれらの灯りを灯すには電力源が必要です。少し重いですが、発電機やポータブル電源などを持参するようにしましょう。灯りの下には白い布を垂らし、そこに昆虫を止まらせるようにすると、観察がしやすくなります。
どこでするべき?
ライトトラップをする場所の選定はとても重要です。昆虫は森の中にいるから森の木々の下などでした方がいいのでは?と思う方がいるかもしれませんが、それはおすすめできません。昆虫をより多く集めるにはできる限り広い範囲に灯りを届けることが重要です。そのため、山の山頂や丘の上など、開けた場所がおすすめです。

特定の昆虫を狙う場合は、適宜場所を変えます。例えば、水の中に住むゲンゴロウなどの水生昆虫などをライトトラップに集まる場合は、池や沼の前でライトトラップをするようにしましょう。
時間帯としては、日没頃からライトをつけ、22時頃までするのがおすすめです。それ以降していても、飛んでくる仲間もいますが、 ピークとなるのはこの時間帯です。

いきなり夜、ライトトラップをすると、地元の方に心配されたり、トラブルになることもあります。必ず、土地の管理者などに許可を得てから行うようにしましょう。
ライトトラップをする際に気をつけたいこと
ライトトラップをする際に、気をつけたいことがあります。それは昆虫たちが必ずしも、光源の近くまでやってくるわけではないということです。ライトトラップをして、白い布などを垂らしていると、ガやコガネムシなどの多くの昆虫がそこにとまります。でも、大型のクワガタムシなどはそこまでやってくることは少なく、灯りを目指して飛んできたものの、近くの草むらの中などに隠れていることもあります。

そのため、灯りのそばだけではなく、周りの草むらなども入念にチェックするようにしましょう。「大物は回りに隠れている」と思っているくらいがちょうどいいです。また、ライトトラップで昆虫たちがたくさん来ると、嬉しくなって走り回ってしまいそうになることもあります。これにより、導線を踏んでしまったり、気付かないうちに昆虫を踏んでしまっていることもあるので、注意するようにしましょう。
今回はライトトラップとそのテクニックについて解説してきましたが、ライトトラップをする設備がない方は街灯を巡るだけでも同じように昆虫たちを採集することができます。春夏秋冬、季節によってもやってくる昆虫は異なるので、虫たちと一緒に灯りに吸い寄せられてみてくださいね!
昆虫ハンター・牧田習。博士(農学)。1996年、兵庫県宝塚市出身。2020年に北海道大学理学部を卒業。同年、東京大学大学院農学生命科学研究科に入学し、2025年3月に同大学院博士課程を修了。昆虫採集のために14ヵ国を訪れ、9種の新種を発見している。「ダーウィンが来た!」(NHK)「アナザースカイ」(NTV)などに出演。現在は「趣味の園芸 やさいの時間 里山菜園 有機のチカラ」(NHK)、「猫のひたいほどワイド」(テレビ神奈川)にレギュラー出演中。昆虫をテーマにしたイベントにも多数出演している。
著書:「昆虫博士・牧田習の虫とり完全攻略本」(小学館)、「昆虫ハンター・牧田習のオドロキ!!昆虫雑学99」(KADOKAWA)、「昆虫ハンター・牧田習と親子で見つけるにほんの昆虫たち」(日東書院本社)、「春夏秋冬いつでも楽しめる昆虫探し」(PARCO出版)好評発売中。Instagram・Xともに@shu1014my
文/牧田習




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