部材高騰、円安といった要素が絡み、スマホ価格がどんどん上がっている今、注目すべきメーカーの1つがXiaomiだ。もとより、他社を圧倒する価格設定と、積極的な製品展開で話題を呼んでいるが、今回新たに3つのスマホを発表。これにより、2026年にXiaomiが日本で発売したスマホは13機種にも及ぶこととなる。
新たなスマホは、超大容量バッテリーを搭載するミドルレンジクラスと、圧倒的に安価なエントリーモデル、そしてオンラインブランドのフラッグシップモデルの3機種となる。ここでは、それぞれの特徴と、厳しい状況にあるスマホ市場における、Xiaomiの戦略について紐解いていく。
精力的なラインアップ拡充で日本市場を席巻するXiaomi
3つの新モデルを追加することで、Xiaomiが今年日本で発売したスマホは計13機種に及ぶ。1機種、2機種しか展開しないメーカーもあることを鑑みると、圧倒的なモデル数がXiaomiの武器ともいえるだろう。
Xiaomiは以前から、階級別にスマホを展開するメーカーであり、メインブランドにはフラッグシップシリーズのXiaomi Ultra、ハイエンドのXiaomi T、ミドルレンジのREDMI Note、エントリークラスのREDMIシリーズと分かれている。
ここに、オンライン専用のブランド(日本ではXiaomi Storeの実店舗でも購入可能)なPOCOブランドの各製品が加わる。今回は、ミドルクラスのREDMI Noteシリーズで1機種、エントリーモデルのREDMIシリーズで1機種と、POCOブランドのハイエンドモデルであるPOCO Fシリーズに1機種が登場した。
冒頭でも触れた通り、Xiaomi製品の特徴の1つが、圧倒的なコスパである。今年は上半期に10モデルを展開しているが、日を追うごとに高騰する部材価格により、先に端末を用意できたXiaomi端末のコスパは、相対的にどんどん輝きを増している状況にある。
一方で、今回登場する3モデルは、部材高騰の影響を大きく受けていることも認められている。幾分かの値上げは致し方ないとしながらも、早割価格の設定やアクセサリのバンドルといった工夫をしながら、顧客価値を提供していきたいと語られている。
■脅威の1万mAhバッテリーを搭載したミドルレンジスマホ「REDMI Note 17 Pro Max 5G」
グローバルでの出荷台数が5億台を突破している、ミドルクラスのREDMI Noteシリーズには、「REDMI Note 17 Pro Max 5G」が登場した。価格は8GB/256GBモデルが7万9980円、8GB/512GBモデルが9万9980円で、10月14日までは各モデルが1万円引きになる早割価格が設定されている。
大きな特徴はバッテリー関連にある。シリコン含有量16%の新技術が採用されており、Xiaomi史上最大となる1万mAhの超大容量バッテリーを備える。これだけのバッテリーを搭載しながら、本体の厚みは8.57mm~、質量は約229.5gに収められているのも驚きだ。
デモ機として展示されていた筐体は、バッテリー残量が49%と半分を下回っていながら、バランスモードでの残り駆動時間は25時間47分と表示されていた。もちろん、使い方によってバッテリーの消費スピードは変わるが、公式で「最大3日間の通常使用を実現」と紹介されている通り、脅威的なバッテリー持続時間が武器となる。
加えて、100Wの急速充電に対応しており、20分の充電で約1日駆動する電力が確保できるとのこと。大容量を活かし、最大27Wのリバース充電にも対応する。
ディスプレイは約6.83インチの大画面で、1.5K解像度に対応。リフレッシュレートは最大120Hz、画面輝度最大3500ニトとなっており、ハイエンドモデルとも遜色ない高性能になる。
本体カラーはブラック、パープル、クラウドブラッシュの3色展開。クラウドブラッシュは、メガネの調光レンズのように、太陽光(紫外線)に当たることで、ホワイトの背面がピンクオレンジへと変色する、不思議なギミックを備えている。
耐久面も優れており、IP66/IP68の防塵防水性能を備える。水深2m×72時間の耐久テストにもクリアしており、水中モードでは水中での写真、動画撮影も可能。最大3mからの耐落下性能も有するなど、安心感も備えた端末に仕上がっている。
搭載SoCはSnapdragon 6 Gen 5で、メモリは8GB。カメラはメイン約5000万画素、超広角約800万画素の2眼構成となる。OSアップデートは最大4回、セキュリティ更新は6年間を保証する。
■安さ特化の4Gエントリーモデル「REDMI 17」
エントリーモデルのRedmi 17は、4GB/128GBモデルが3万4980円、4GB/256GBモデルが4万4980円と、安さに特化した端末。こちらは早割購入割引で、10月14日まではそれぞれ5000円の割引が適用できる。昨今では珍しい、4G通信専用モデルとなっており、決済サービスに使われるNFCも非対応となる。
最も安価なスマホを求める層や、ネットワーク速度を気にしない層へのアプローチとして用意された端末であり、かつて3万円台で購入できた5G対応エントリーモデルが、部材高騰の影響により用意しにくく、4G専用でなければ実現できなくなってきていると説明されている。
メモリは4GB、SoCはMediaTek Helio G91-Ultraということもあり、デモ機で試した感触としては、かなりもっさりとした動きをする。アウトカメラも5000万画素+補助レンズとなっており、サクサクとスマホを操作し、多くのことをしたいといったニーズには合わないが、通話メインの超ライト層向け端末として、一定のニーズはあるはずだ。
ライト層に訴求するためのポイントは抑えられており、7500mAhの大容量バッテリーを搭載し、45W充電にも対応する。約6.9インチの大画面ディスプレイを搭載し、個性的な4色展開、3.5mmヘッドホンジャック、FMラジオに対応する。エントリーモデルながら、最大4回のOSバージョンアップ、6年間のセキュリティアップデートにも対応。最大2TBのmicroSDにも対応する。
何度も触れているように、Xiaomiはコスパに優れた端末を多く展開することで、情報感度の高いユーザーや、ギーク層に広く受け入れられている。積極的なストア展開などもあり、すでに日本でも一定の知名度を有しているものと思われるが、REDMI 17は、メーカー名を問わず、とにかく安い端末を手にしたいというニーズを満たすための端末だろう。
スマホ市場では、部材高騰や円安により、ハイエンドモデルが30万円を突破し始めていることが目立つが、限られた予算の中で作らなければならないエントリーモデルこそ、影響を受けやすい立ち位置にある。他メーカーが安価なエントリーモデルを作るのが難しい状況だからこそ、4G専用といった割り切った端末を市場に投入することで、シェア拡大の一役を担う端末となり得るだろう。
■オンラインブランドのフラッグシップモデル「POCO F9 Ultra」
POCO F9 Ultraは、POCOのFシリーズにおけるフラッグシップモデル。12GB/256GBモデルが14万9800円、16GB/512GBが16万9800円で、9月23日までの早割価格キャンペーンとして、2万円オフで購入できる。
POCOがオンラインブランドとして立ち回る理由の1つが、販促費を削ることで、端末価格を抑えるというものである。日本で発売された、2世代前のフラッグシップモデルであるPOCO F7 Ultraは10万円を切っていたことからも、「POCOで15万円弱になるのか」という衝撃があるのは事実。それだけ現在のスマホ市場は厳しい立ち位置にあるというわけだ。
価格は上がってしまっているが、パフォーマンスはフラッグシップモデルとして文句のないものになっており、15万円弱の価格であっても、十分コスパに優れたモデルだといえる。
SoCにはSnapdragon 8 Elite Gen 5を採用し、加えてXiaomi独自のゲーミング向けチップセットである「VisionBoost D8」を搭載する。冷却には「3D トリプルレイヤー IceLoop システム」を採用し、SOC部分の温度を最大3度引き下げるとされる。
ディスプレイは約6.9インチで、業界トップクラスの185Hz高リフレッシュレートに対応。もはやゲーム側が対応していないケースが多い数値であり、現在は約20タイトルのゲームで滑らかな体験が可能とのことだ。
バッテリーは8050mAhの大容量を搭載。シリコン含有率16%の新技術により、日常使用で約2日間持続する。100Wの急速充電に対応し、PPS対応によりサードパーティ製充電器でも100W充電が利用できる。ワイヤレス充電および最大27Wのリバース充電にも対応する。
オーディオ面では、BOSE社との業務提携の成果として、進化した独自の2.1CH サブウーファーサウンドシステムを搭載。本体上下のスピーカーに加え、背面に2.1CHサブウーファーを備え、ソフトウェアで「ダイナミック」「バランス」の2つのサウンドスタイルを選択可能。背面のサブウーファー部分がゲームや音楽のリズム、通知、着信音と同期して発光するバックライト機能も搭載した。
カメラはPOCOシリーズ初となる2億画素メインカメラを搭載。超広角と望遠が各5000万画素で、望遠は5倍光学ズーム、10倍ロスレスズーム、20倍AIウルトラズームに対応。5cmのテレマクロ撮影も可能である。XiaomiとLEICAの共同開発で培ったイメージング技術のDNAが引き継がれている。
■ウェアラブル、IoT製品も多数投入
スマホ以外の新製品として、ウェアラブル3機種とスマートプロダクト5機種が紹介された。いずれも「手に取りやすい価格で高性能」というXiaomiのIoT戦略を体現するラインナップである。
・Redmi Watch 6 Lite(通常7980円/早割6980円・9月9日まで)
5月に発売したRedmi Watch 6の廉価版という位置付けで、1.96インチディスプレイを搭載。5ATMの防水性能と、5種類の衛星測位に対応するGPSを内蔵する。水泳を含む150種類以上のスポーツモードを備え、バッテリーは最長18日間駆動する。GPS搭載のスマートウォッチが7000円を切る価格帯で入手できることは、市場において非常に魅力的なポイントである。
・Redmi Watch 6 Active(5580円)
1.85インチの大型有機ELディスプレイを搭載。この価格帯で有機ELを採用するのは、大きな魅力だろう。厚さわずか9.9mmのフラットエッジデザインで、バッテリーは最長18日間。GPSは非搭載だが、Xiaomi Smart Band 10よりも安価な高性能スマートウォッチとなっている。
・Xiaomi Smart Band 11 Active(3980円)
スマートバンドのActiveシリーズとしては約2年ぶりのアップデートとなる。メタリック塗装による上質な質感、60Hzの滑らかなディスプレイ、そして21日間のロングバッテリーを実現した。初めてスマートバンドを買うユーザーに最適なエントリー機となり得る。
・Xiaomi サウンドプレイ(6980円)
18Wのパワフルなサウンドと、音楽のビートに合わせて光るイルミネーション機能を搭載したポータブルスピーカー。2台でステレオ再生が可能で、最大100台まで同時接続できる。IP68の防塵防水により野外使用にも適し、バッテリーは最大14時間駆動する。
・Xiaomi ロボット掃除機 6 Max(通常14万8000円/早割12万8000円・9月9日まで)
ロボット掃除機の最新フラッグシップ。3万5000Paの強力な吸引力と3つの伸縮するブラシ・モップで壁際や家具周りを徹底清掃する。最大6cmの段差を乗り越え、9.3cm以下の隙間にも潜り込める。3眼カメラとAIにより320種類以上の物体や汚れを認識し、85度の温水でモップを洗浄後、50度の温風で乾燥する。手入れも自動化されたハイエンド機である。
・Xiaomi ロボット掃除機 6(通常8万9800円/早割7万6800円・9月9日まで)
Maxモデルの多機能が不要なユーザー向けの下位モデル。ローラーモップと3万Paの吸引力で吸引・水拭きを両立する。AIカメラで障害物を認識し、家具の下や段差の先まで幅広く清掃する。80度の温水モップ洗浄と温風乾燥も自動で完遂する。
・Mijia コードレス掃除機 4C(通常1万7800円/早割1万5800円・9月9日まで)
コードレス掃除機は、本モデルからブランド名が「Mijia」に変更された。最大170AWの強力な吸引力で、食べ残しや髪の毛を素早く吸引。最長75分の長時間駆動が可能で、5種類のブラシが付属する。毛絡みを抑える設計と、ワンタッチゴミ捨てで日常のお手入れも簡単だ。
・Xiaomi スマートカメラ C200 Neo(6980円)
3.5Kの超高精細解像度と600万画素のプロ仕様レンズを搭載したスマートカメラ。強力なAIチップにより人物やペットを正確に検知し、自動で動体を追跡する。物理レンズシールドを備えプライバシーに配慮、高度なセキュリティチップで通信も安全な設計となっている。
文/佐藤文彦
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