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スマホの背面に貼れる電子書籍リーダー!?3.7インチの極小デバイス「Xteink X3」を試してみた

2026.08.31

スモールサイズの電子書籍リーダーといえば、まず思い浮かぶのが、「Amazon Kindle」の6インチモデル。その次に、同サイズの「Kobo Clara Colour」が出てくる。著名ブランドで、それより小さいモデルを見かけないのは、実用上のメリットをデメリットが上回るからだろう。

だから、3.7インチという極小クラスのリーダーが世界的に話題だと聞いたとき、かなり意外な気持ちがした。そこで、興味半分であったが現物を入手。レビューしてみたい。

一手間かかる読めるまでの準備作業

このリーダーの名は「Xteink X3」。開発・販売は、中国の深圳のShenzhen Xiaohu Xingtong Technology Co., Ltd.が手がけている。

写真をご覧のとおり、本当に小さい。画面が3.7インチ(約9.3cm)とは既に書いたが、全体のサイズも、縦が9.8cm、幅が6.4cm、厚さは0.498cmと、クレジットカードより若干大きい程度。携帯性が圧倒的で、スマホの背面に貼るのが前提となっているが、これについては後述。先に、最初に使う前の準備について述べたい。

まずは、内蔵の充電池への充電。充電端子がマグネットのUSBケーブルが付属しているので、これで背面ランプが赤→緑色になるまで充電する。

充電が終わったら、右上にある電源ボタンを長押ししてひとまず起動。これですぐ使えるわけでなく、そこまでにいくつかのステップがある。まず、「設定」から「Wi-Fi設定」を選んで、自身が使っているWi-Fiのパスワードを入力し、無線接続を確立する。それから、専用アプリの「XTEINK」(Google Play、App Store)をスマホにダウンロードする。このアプリは、書籍ファイルのインポートなど、本機との連携を担う役割である。

最後のステップが、フォントのインポート。本機には、デフォルトでは英文字フォントしか入っておらず、仮名は問題なくても、漢字は軒並み「□」に化ける。そこで日本語フォントを実装する必要がある。このあたり筆者は不案内で、若干の試行錯誤があったが、Google Fontsから好みの日本語フォントを選んでダウンロードするのが一番簡単なようだ。

ただ、その先に関門がある。ダウンロードしたフォントの拡張子はttfであるが、本機はbinかxtfしか受け付けない。そのため拡張子の変換(コンバート)が必要。探してみると、「ConvertFiles」というサイトがあり、ここの「TTF to BIN」の機能で変換する。

ここまで読んできて、「なんか面倒」という印象を持たれたかもしれないが、あと一息。スマホの任意のフォルダにこのフォントファイルを入れて、「XTEINK」経由で本機へフォントをインポートする。方法は、「XTEINK」の「インポート」→「フォントのインポート」でフォントファイルを選ぶだけだ。

少々長くなったが、これで本機を使うための準備が整った。

各形式で表示を確認すると……

ここからが本題になる。本機の機能は極めてシンプル。立ち上げて見えるのは、一番上に「読みかけの本」に関する最小限の情報、下には、「読みかけの本」や(本やフォントが格納された)フォルダを開くためのボタンと、各種設定、クラウド同期があるだけだ。

いの一番にすべきことは、本のインポート。フォントと同じ要領で「XTEINK」から、読みたい本のデータを、本機内蔵のmicroSDカード(16GB)に転送し、本機で「クラウド同期」する。インポートできるフォーマットは、txt、epub、pdf、mobiなど。このほか、URLのリンクを転送して、該当するウェブページの閲覧も可能だ。

試しに、テキスト情報だけのtxtファイルで、どう表示されるか確認してみる。著作権の消滅した小説などをテキスト化した「青空文庫」から、夏目漱石の『吾輩は猫である』をダウンロードし、インポートしてみたところ以下の表示となった。

上から下まで文字でびっしりだが、もともとのテキストデータもこれと同じ。ルビも反映されており、忠実に表示されている。読み進める際は、右サイド(または下部の右端)のボタンで次のページへ遷移し、左サイド(または下部の右端から2番目)のボタンで1ページ戻る。設定で、今読んでいる箇所にブックマークしたり、特定のページへジャンプすることもできる。最初のうちは、「本文をちょっとずつスクロールする機能があれば」と思うかもしれないが、慣れると実は不要であるとわかってくる。なお、画面はタッチパネルではない点に注意。

次に、電子書籍の世界標準規格であるepub形式を試してみる。規格推進の国際NGO「DAISYコンソーシアム」の日本支部「日本DAISYコンソーシアム」にあるサンプル『三匹の子ぶた』ファイルを入手し、本機にインポートした。

epub『三匹の子ぶた』の本機と「Kindle for PC」での比較

レイアウトも含めてテキストは忠実に読み込まれており、問題なく読める。ところどころ、鍵括弧の直後に1文字ぶんの余計な空白があり、また、挿絵の階調が一部再現できていないのは若干気になるが、読書体験としては支障は感じない。

では、PDFはどうか? PDFファイルとして入手したカメラ機材のマニュアルを、インポートして比較した。

PDF『Canon EL-100』マニュアルの本機とPC上での比較

本機では、全ての線画イラストと一部の文字が表示されない。他のPDFファイルもいくつか試したが、同様に図や表、そして文字の一部は再現されなかった。

「脱・スマホ依存」を目指したツール

ところで本機は、スマホの背面に装着して使うことが推奨されている。装着方法は、iPhoneならMagSafeの磁力でそのまま、他機種であれば、アクセサリーとして2つ付属するマグネットリングを使う。これは、片面がマグネット、もう片面が粘着面となっており、粘着面をスマホの背面に貼り付ける。

本機の開発コンセプトに「脱・スマホ依存」というのがある。いまや日本だけでも、スマホ依存の自覚がある人は6割以上。社会生活を送る上でスマホを捨てるわけにはいかないが、せめてメール・SNSの通知を気にしたり、興味もないのにネットニュースをチェックする癖は直したいという人は多い。そこで、本機をスマホと一心同体とすることで、注意の向かう先を、極小のリーダーにシフトさせることを狙うわけだ。メーカーの「無駄なスクロールを、心が整う読書の時間に変える」という謳い文句は言い得て妙だし、世界の多くの人がその効果を体感している。

購入時に日本語フォントが実装されていない、PDFファイルでは図表が消えるといった難点はあるが、読書好きでスマホ依存を克服したいという方なら、アリかと思う。興味があれば、公式サイトをチェックしてみるといいだろう。

なお、「Xteink X3」は、現時点において公式オンラインショップとAmazonにて販売中。実勢価格は12,900円である。

公式サイト(商品ページ)
Amazon商品ページ

文/鈴木拓也

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老舗翻訳会社役員を退任後、フリーランスの仕事人となる。ライターとして手掛けるテーマは、トラベル、ガジェット、著名人取材、アートなど幅広い。また、クリエイターとしての活動にも力を入れている。ライフワークは秘境と神社仏閣めぐりで、撮った写真をInstagramに掲載している。 https://www.instagram.com/happysuzuki

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