最強の熱中症対策アイテムは何なのか?
手軽さが特長のハンディファンやネッククーラーも捨てがたい。直射日光から守ってくれる日傘やファン付きベストも効果的な対策として重宝されている。
あらゆるアイデアと手段で酷暑を防御するアイテムが登場しているが、先日、その究極形を見つけてしまった。
人間をまるごと冷やす人間冷蔵庫こと、トラスコ中山株式会社の『パーソナルクーリングボックス ど冷えもんBOX』だ。
1台150万円の人間が入れる箱が、販売から約4カ月で約300台を突破
入って体感5分で瞬間冷却。頭からつま先まで一気に全身涼しい。
1台150万円の人間が入れる箱が、販売から約4カ月で約300台を突破。バカ売れしている。
記録的な酷暑から守るべく、工場や建設現場で働く方々、屋外イベント等に従事・来場される方々のために開発されたそうだが、一体なぜ、箱型なのか?昔よく見た公衆電話ボックスのような形なのか?
今回、トラスコ中山株式会社広報IR課の小川さんに話を聞いた。
――「ど冷えもんBOX」誕生のきっかけは?
「きっかけは、冷凍食品を販売する自販機「ど冷えもん」の存在でした。弊社社長の中山がその技術をヒントに『人が短時間で効率よくクールダウンできる空間をつくれないか』と考え、ど冷えもんを製造しているえSDRS(株)様との開発が始まりました」
――人間用の箱にした理由は?
「一般的なスポットクーラーや業務用扇風機は身体の一部しか冷やせませんが、ボックス型にすることで全身を包み込む冷却空間をつくりだすことができますし、休憩時に短時間でクールダウンできることからこの形になりました」
「ど冷えもんBOX」は、ボックス内を15℃に保ちながら最低5℃の冷風で急速に身体を冷やす。
かつてない冷却装置の最大の特徴は、設置場所を選ばない手軽さと約48%のコスト低減を実現した省エネ設計にある。
「100V電源があれば工事不要で設置でき、キャスター付きで移動も簡単です。また、IPX3相当の防水仕様で屋外使用にも対応しています」
「さらに、一般的なスポットエアコンと比べて消費電力を約半分に抑えられる省エネ設計や、20分で自動停止する機能も搭載しているので、体の冷え過ぎを防止、環境負荷にも配慮しています」
人間を箱の中で短時間で冷やす商品は製造業や建設業など暑熱環境で働く従業員を抱える企業が大注目。続々導入しているという。
「工場や建設現場をはじめ、倉庫、屋外イベント会場、ゴルフ場など暑さの厳しい現場でご活用いただけます。また、災害時の避難所における暑さ対策としても活用されています」
想像の域を超える発想と実現力で現場が喜ぶ商品を次々と生み出すトラスコ中山は業績も堅調。その理由は唯一無二のアイデアを実現できる企業風土と独自の経営戦略にあった。
世の中にまだないサービスを生みだしていきたい
そもそも「トラスト中山」とはどんな会社なのか?
「プロツール」とよばれる機械工具や作業用品など、モノづくり現場に欠かせないアイテムを販売する卸売業者だ。
全国のホームセンターなど小売店に商品を卸す、いわゆるBtoB企業。
先述のど冷えもん以外にも夏場の定番アイテムとしてコスパに優れた全閉式モーターを採用したスポットエアコン、節電性と静音性に優れたDCモーター搭載の工場扇、7つの姿に組み替えられるプレミアム工場扇などを夏の定番アイテムとして展開している。
ビジネスの柱となる問屋業に加え、約9万アイテムに及ぶプライベートブランド商品も定評のあるトラスコ中山。
長年、売上高増を続け、2020年から5年で売上高は1.5倍に到達。そんな成長の秘密は、流行の経営手法にとらわれない顧客最善の戦略にある。
「弊社の最大の強みは、お客様へ必要なものを、必要なときに、必要なだけお届けするための、他社を寄せ付けない圧倒的な『在庫』です」
約63万アイテムに及ぶ、膨大な在庫をあえて抱えまくる。ネガティヴなイメージの「在庫」はリスクではなく『成長の源泉』だと考えている。
「現在、全国に30か所の物流センターを展開しており、ものづくり現場で必要とされる約63万アイテム、744億円の在庫を保有しています」
「在庫は必要最小限に抑えるのが一般的である中、弊社は売れ筋以外の商品もあえて在庫を持ち、また、卸売企業でありながら物流センターも自社で運営し、最新の物流機器を導入することで高密度収納・高効率出荷を実現しています」
「ものづくりの現場では、部品や工具が1日遅れるだけでも生産が止まってしまいます。だからこそ全国の物流ネットワークと豊富な在庫を活かした即納体制が他社にはない強みだと考えています」
売る側より客側の目線に立ち、要望に即座に応える。その結果、時にはライバル問屋からも注文が入ることがあるとか。
大量の在庫を抱えながら、商品の廃棄率は約0.1%。ほとんど無駄がないというのも凄い。
徹底的な独自路線を貫き、成長してきたトラスコ中山。この先、目指すはインフラのような存在。
「弊社はお客様の利便性向上を第一に考えています。2030年までに在庫を100万アイテム以上保有することを目標に掲げ在庫拡充を進めるとともに、物流センターや物流機器に投資をすることで物流ネットワークの強化も進めています」
「当社の在庫と物流、そしてデジタルの仕組みを活用し、今後は「水道・電気・ガス・トラスコ」と言っていただけるような、社会やモノづくりにとって欠かせないインフラのような存在を目指し、日本のモノづくりを支え続けていきたいと考えています」
取材協力
トラスコ中山株式会社
トラスコ中山 公式Instagram trusco_official
文/太田ポーシャ




DIME MAGAZINE


















