近年、激甚化する自然災害において、避難生活の長期化が社会課題となっている。避難所での生活において、硬い床での就寝や周囲の騒音、プライバシーの欠如による「睡眠不足」は、免疫力の低下や持病の悪化、さらにはエコノミークラス症候群などの深刻な健康リスクに直結する。国や自治体でも段ボールベッドの導入など避難所環境の改善が進められているが、家庭レベルでの「睡眠への備え」は水や食料に比べて後回しにされがちだ。
そこで快眠グッズ紹介サイト「快眠ランド」を運営するムーンムーンはこのほど、全国の20~60代男女200名を対象に「災害時の睡眠備えに関する実態調査」を実施し、その結果を発表した。
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災害の備えトップは「飲料水・非常食」(21.7%)。一方、「寝具」の備えはわずか4.5%
「Q1. 災害への備えとして、家庭で用意しているものはありますか」と尋ねたところ、「飲料水・非常食(21.7%)」が最も多く、「懐中電灯・ランタン(19.5%)」、「モバイルバッテリー・充電器(13.8%)」と続き、命をつなぐための水・食料や、情報収集のための電源・明かりの備えが上位を占めた。一方で、「その他(26.0%)」の中に含まれる「毛布・寝袋などの寝具(4.5%)」「エアマット(2.1%)」など、睡眠に関する備えは非常に優先度が低い現状がうかがえる。
避難生活の不安要因は「トイレの環境」(16.3%)、「プライバシー」(15.8%)、「暑さ・寒さ」(15.0%)など、睡眠の質を左右する環境面が上位を独占
「Q2. もし避難生活を送ることになった場合、不安に感じることはどれですか」と尋ねたところ、「トイレの環境(16.3%)」が最も多く、以下「プライバシーが確保できないこと(15.8%)」、「暑さ・寒さ(15.0%)」、「入浴・衛生(13.6%)」、「周囲の音や人間関係(11.6%)」と続いた。
不安要素として、プライバシーの欠如、気温への対策、周囲の騒音など、まさに「安心して眠るための環境」が確保できないことへの懸念が強く表れている。食事そのものよりも、生活環境や衛生面でのストレスを危惧する人が多いことがわかる。
約9割が、避難生活での睡眠不足による健康リスクを認知している
「Q3. 避難生活で十分に眠れない状態が続くと、健康リスクが高まることを知っていますか?」と尋ねたところ、「なんとなく聞いたことがある」が64.5%、「言われてみればそうかもしれない」が25.5%、「具体的なリスクまで知っている」が8.0%となり、ほとんどの人が睡眠不足と健康リスクの関連性を認識していることがわかった。
頭では「眠れないと体調を崩す」と理解しているものの、Q1の回答結果が示す通り、具体的な準備行動には結びついていないという「意識と行動のギャップ」が明確になった。
今後備えたい睡眠グッズは「何を選べばよいかわからない」が28.5%で最多
「Q4. 避難生活で冷房が使えない夏の夜、どのように乗り切ると思いますか?」と尋ねたところ、「うちわ・扇子であおぐ(19.8%)」が最も多く、以下、「水分をこまめに取る(18.9%)」、「涼しい場所に移動する(16.4%)」、「濡れタオルを体にあてる(13.0%)」、「保冷剤・氷で体を冷やす(11.5%)」と続いた。
停電時の暑さ対策は、うちわや濡れタオルなど「身の回りにあるものでのアナログな対処」を想定している人が大半を占めた。しかし、熱帯夜の体育館等での避難生活を想定した場合、これらの対策だけでは十分な睡眠や熱中症予防を担保するのは難しい可能性がある。
「Q5. 今後、備えておきたい睡眠関連の防災グッズはどれですか?」と尋ねたところ、「何を選べばよいかわからない(28.5%)」が最も多かった。水や食料に比べて「睡眠用の防災グッズ」は情報が少なく、家庭の保管スペースの都合などもあり、具体的な商品選びの段階でつまずいてしまう人が多いことが推測される。
調査結果のまとめ
今回の調査では、避難生活における不安の上位に「プライバシー」や「暑さ・寒さ」「周囲の音」など、睡眠環境に関わる要素が挙がった。また、大多数が「睡眠不足による健康リスク」を認識している。しかし、実際に家庭で寝具などの「睡眠防災グッズ」を用意している人はごくわずかであり、「何を備えればいいのか分からない」という声が多数を占めた。
災害時の過酷な環境下で心身の健康を保つためには、良質な睡眠が不可欠だ。まずは水・食料に次ぐ「第3の備え」として、アイマスクや耳栓といった小さなものからでも、各家庭で「眠るための備え」を始めることが急務と言える。
<調査概要>
調査期間:2026年8月10日~8月11日
調査対象:全国の20~60代の男女200名
調査方法:インターネット調査
実施機関:快眠ランド(ムーンムーン株式会社)
出典元:快眠ランド
構成/こじへい
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