猛暑では家の中は高温多湿になりやすく、カビの温床になる恐れがある。カビはアレルギー性鼻炎や肺炎などにつながるといわれていることから、十分な注意が必要だ。
今回は、感染症に詳しい内科医の久住英二医師に、猛暑の家のカビリスクや原因と対策を聞いた。また空気清浄機などを用いた家電によるカビ対策を、カビに強いナノイーX技術を持つパナソニックの研究開発担当者に教えてもらった。残りの夏も油断大敵。対策を進めよう。
家のカビ発生によるリスクは?猛暑には特に注意
夏は気温と湿度が高く、カビが繁殖しやすい季節だ。住宅内にカビが発生することにより、どんな健康リスクがあるだろうか。久住医師は次のように話す。
久住英二医師
立川パークスクリニック院長、内科専門医・血液専門医。1999年新潟大学医学部卒業後、虎の門病院で血液がん治療や骨髄移植に長年携わり、感染症や旅行医学にも精通する。2024年12月に内科・小児科・皮膚科の複合クリニック「立川パークスクリニック」を開設し、日常の体調管理から専門医療まで幅広く対応している。
●アレルギー性鼻炎や気管支喘息の症状の悪化
「カビの胞子を吸い込むと、アレルギー性鼻炎や気管支喘息の症状が悪化することがあります」
●夏型過敏性肺炎
「特に注意したいのは、『トリコスポロン』というカビが原因となる夏型過敏性肺炎です。閉めきった押し入れの中や、エアコンの内部でカビが増え、その胞子を吸い込むことで咳や発熱など風邪のような症状が出ます。繰り返すと肺が硬くなる肺線維症に進むこともあります」
●肺真菌症
「高齢の方や糖尿病の方、免疫抑制剤や抗がん剤で治療を受けている方など、免疫が低下している方では、肺にカビが生える肺真菌症を起こすこともあります」
●頭痛・だるさ
「カビを含む複数の化学物質や微生物にさらされ続けることで、シックハウス症候群のような頭痛やだるさが出る方もいるため、換気の悪い住宅で過ごす時間が長い方は、特に注意が必要です」
夏場の家のカビ対策
ここまで健康をおびやかすと知れば、カビ対策は必須といえるだろう。では、カビを防ぐためにはどうすればいいか。
「カビ対策の基本は〝湿度を下げる〟と〝換気〟です。カビは湿度60%を超えると繁殖しやすくなるため、エアコンの除湿(ドライ)機能や除湿機を使い、室内湿度を60%以下、できれば50%台に保つことを心がけてください」
特に猛暑が続く中ではリスクが高まるという。
「近年の猛暑では、窓を閉め切ったまま換気をしない家庭が増え、室内に湿気がこもりやすくなっています。1日数回、数分で良いので窓を2か所開けて空気の通り道を作り、浴室やキッチンの換気扇を回してカビの胞子を外に出してしまうことも必要です」
そのほか日頃の行動も重要になるという。
「エアコンの内部を定期的に清掃してカビの温床にしないことが大切です。また洗濯物の部屋干しはできるだけ避けましょう。家具は壁から少し離して置くなど、湿気がこもりやすい場所をつくらない工夫も有効です」
ナノイーX技術によるカビ抑制の仕組み
住宅内のカビ対策として役立つのが、エアコンや空気清浄機、除湿機などの家電だ。中でもパナソニックが開発した室内全体に「ナノイーX」というナノサイズの微粒子イオンを放出する製品が注目に値する。
ナノイーXは、菌やウイルス、カビ、PM2.5、花粉、アレル物質、ニオイ、美肌・美髪に効果を発揮することが確かめられている。
ナノイーX搭載家電はどのようにカビ対策になるのか。開発に携わった同社の石上陽平氏は、次のように語る。
石上 陽平氏
パナソニックのコアテクノロジー開発センター所属。20年以上にわたり空気質改善デバイスの研究開発に従事。2016年にナノイーXデバイスを開発し、カビ抑制技術の進化を牽引する空気環境技術の専門家。
「忙しい日常生活の中でカビ対策に時間を割く余裕はないでしょう。
そんなときナノイーXであれば、エアコンで冷房を付けるなど、搭載家電を使うだけで空間中に広がり、室内を浮遊するカビや、物に付着したカビを予防的に抑制が期待できます。
ナノイーXの粒子に含まれる除菌・脱臭成分のOHラジカルがカビの細胞壁を破壊することで、カビの成長や増殖を抑制します。
ナノイーX搭載家電を活用すれば、日常生活の中で無理なくカビに対するケアを続けられるのです」
ナノイーX搭載家電の効果的な使い方とは?
「カビ対策は生える前の予防が大切です。普段から搭載家電を使用し、継続してナノイーXを室内に広げておくことをおすすめします。
ただ、エアコンの場合、ずっとつけたままにはできないと思いますので、ナノイーX送風モードなどを活用いただくことで、消費電力を抑えながら、室内全体にナノイーXを届けることができます」
ナノイーX搭載家電は複数あるが、どれを選べばいいのか迷いがちだ。賢い選び方とは?
「ナノイーXにはOHラジカル発生量の異なるいくつかの種類がありますので、発生量がより多いモデルを選んでいただければ、より高いカビ抑制効果が期待できます。
また、エアコンや洗濯機など、内部に湿気がたまりやすく、カビが発生しやすい家電については、ナノイーXを活用した製品内部のカビ抑制機能を搭載した製品もおすすめです。
家電内部でカビが発生してしまうと、運転時に空気中へ広がる可能性もあるため、家電内部の対策も意識して選んでいただきたいですね。
エアコンのナノイーX内部クリーン機能の動作中に、自ら停止ボタンを押す方もいますが、内部クリーンはエアコン内部の清潔維持に役立つ機能ですので、途中で止めずに活用いただくことをおすすめします」
暑さはまだまだ続きそうだ。カビ対策を意識しながら生活すれば、快適な空気と健康が手に入る。そのための家電への投資も検討しよう。
取材・文/石原亜香利
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